今回プレイするのは、アークシステムワークスから発売された『九龍妖魔學園紀 ORIGIN OF ADVENTURE』です。本作は、2004年にアトラス(開発はシャウトデザインワークス)より発売されたPS2向け学園伝奇ジュヴナイルアドベンチャー『九龍妖魔學園紀』のリマスター版。グラフィックがHD化されただけではなく、メインシナリオパートのフルボイス化や楽曲のリマスター化などの新しい要素も追加されています。
昔ハマっていた『東京魔人學園剣風帖』の開発者が関わっていて、さらに同作の世界観と共有している作品なので気にはなっていたのですが、オリジナル版の発売当時は仕事が忙しかったこともあって未プレイでした。

当時ゲーム情報誌を読みながら、「いつか絶対やるぞ……!」と思っていたのですが、まさか16年後に叶うとは!
遺跡の中は謎解き3Dダンジョン!

主人公は若きトレジャーハンター。その初仕事として、エジプトはカイロのヘラクレイオンの遺跡にやってきたのだった。

主人公の名前は、デフォルトネームもあるが自由に変更出来る。
いつものように「吉田輝和」にしようと思ったのだが……「和」を「かず」ではなく「わ」で変換した後、間違って「ん」を入力してしまったため、名前が「よしだてるわん」になってしまった。

中国人の名前のようだが、まあいい。
主人公は謎の中国人、吉田・テルワンでいこう。

アドベンチャーパートと遺跡探索パートに分かれており、遺跡探索パートは3Dダンジョンを探索することになる。

配置されている仕掛けを動かしたり、入手したアイテムを組み合わせて使ったりと、謎を解いて進んでいく。

そして、鎖で施錠された扉の前に立った。

ここでいきなり理科の実験が始まる。
この扉を開けるには、カギを探すのではなく、硝酸と塩酸を組み合わせて王水を作って鎖を溶かすのだ。

さて、遺跡の最奥で目当てのお宝をゲットし、そこから脱出しようとした時、巨大な犬のような化け物が現れ襲いかかる。
戦闘が始まってもフィールドの移動は可能だ。
近接武器で攻撃してもいいのだが、敵から距離をおいて銃などの遠距離武器で攻撃しても良い。銃だと照準が表示され、敵のどの部位を狙うかを自由に選択出来るぞ。
どんな敵にも弱点部位があり、そこを狙って攻撃することでより多くのダメージが与えられるのだ。

股間は弱点部位ではなかったが、割と普通に倒せたぜ!
好感度を上げて仲良くなれ!学園ADVパート

テルワンは、所属するロゼッタ協会からの指令で、東京にある天香學園の敷地内にある遺跡の探索に向かう。トレジャーハンターという素性を隠さなければならないため、普通の転校生として学園に潜り込んであった。

プロローグが終わり、ここから第1話だ。
ストーリーは話ごとに区切られている。各話のタイトルには、ジュブナイル小説のものが使われており、ジュブナイル作品のファンにはちょっとうれしいポイントだ。

これが転校生、吉田・テルワンのプロフィールだ。
身体や知性、生命などの身体的特徴のほかに、国語や数学といった科目が羅列されている。レベルアップ時に得たポイントをこれらに投入することで、キャラクターの能力を向上させられる。
例えば、数学を伸ばせばカギ開けの技術が向上し、生物を伸ばせば蟲人や獣人に対して有利に戦えるのだ。って、この学校、何を学ぶところなんだよ。

学園内で教師や生徒との会話を進めていく。

プレイヤーは、会話での質問に対して「愛」「喜」「燃」「友」「悲」「憂」「寒」「怒」「無視」の9種類の感情で反応できる。
選んだ感情によって好感度の変化やイベントの発生に関わってくるので、よく考えなければならない。

ただ、感情の数が多いのでどれを選べばいいのか迷ってしまう。結局無難な「友」を選びがち(なんでも共感だけして人に好かれないタイプ)。

ちなみに、本作に登場するキャラクターはみんなアクが強い。テルワンが地味に見えるほどの個性派揃いだ。
例えば、首や手にチェーンを巻き、主人公に謎めいた言葉をかけてくる白岐さん。

イケメンだが常に顔面蒼白な取手くん。

取り立てて奇抜なキャラというわけではないが、僕が1番好きな皆守くん!
気怠げな雰囲気が格好良い。序盤から登場することもあり、圧倒的相棒感がある!

石が大好きで、常に水晶を小脇に抱えている黒塚くん……。
個性派揃いなのは生徒だけではない。

覗きとスカートめくりを趣味とする、ゲスな校務員さん。

学園内墓地の墓守のおじさん……彼らに対しても感情入力による返答が可能だ。
好感度を上げていけば、墓守さんと結ばれるENDがあるのだろうか……(無理そう)。
シールはバディの証、一緒に遺跡行こうぜ!

ダンジョンには、2人までのキャラクターをバディとして連れて行ける。
バディになるキャラクターは、イベントで自動的に加入することもあるが、会話で適切な選択肢を選択したり、仲良くなったりと、場合によっては加入条件もあるようだ。

バディは、それぞれ固有の特殊能力を持っているほか、主人公のステータスを上昇させてくれる。バトルや探索で良い助けになるし、戦略の幅も広がるぞ。

バディになってくれたキャラは、手帳にプリクラ付きでプロフィールが記載される。
あったな~、プリクラ帳なんて文化!
こうみえて僕もプリクラ帳を持ってはいたのだが、男子高に通っていたのでむさくるしい男のプリクラばかり貼られていた……。

前述したとおり本作には、女性キャラクターもいる!
せめてゲームの中では華やかなプリクラ帳を作ってやる!
ゲームの内容としては、『女神転生』の3Dダンジョンと『ペルソナ』の学園生活がミックスされている感じ……といえばわかりやすいでしょうか。これらの作品のファンならスッと馴染めると思います。
ただ本作は、リメイク作品ではなく、あくまでリマスター作品。グラフィックのHD化、楽曲のリマスター収録、メインシナリオパートのフルボイス化などが施されているものの、UIやシステム周りは基本的に当時のままで、若干の古臭さを感じます。僕は、「下手にリメイクするならそのままの方が良い!」派なので、そこまで気になりませんでしたが。
登場キャラクターもシステムも結構独特なので、万人受けするタイトルでは無いのですが、ジュブナイルと伝奇モノを組み合わせた独自の世界観は、刺さる人にはメチャクチャ刺さると思います。

僕にはブッスリと刺さりまくりました!
欲を言えば、オリジナル版から様々な要素が追加された『九龍妖魔學園紀 re:charge』がDLCで配信されたらなあ!
『九龍妖魔學園紀 ORIGIN OF ADVENTURE』は、ニンテンドースイッチを対象に発売中です。
吉田輝和のプロフィール:自画像の絵日記を20年以上書き続けている謎のおじさん。近年、「ちおちゃんの通学路(KADOKAWA)」や「お稲荷JKたまもちゃん(一迅社)」、「からかい上手の高木さん(小学館)」などの人気漫画のモブキャラとして登場しており、これまでアニメ作品に3回登場した。何故こんなに漫画に登場しているのか、描いた漫画家も吉田本人もよくわからないらしい。 吉田のTwitterはこちら。
「吉田輝和の絵日記」で取り上げてほしいゲームタイトルがありましたら、こちらの申込みフォームで教えてください!すべての要望には応えられませんが、それでも出来るかぎり応えていきたいと思います。