
ポーランドのインディーゲームクリエイターVanRipper氏が手がけたPC向けパズルアクションゲーム『Helltaker』が、Twitterで人気爆発中です。
本作は、サングラスのマッチョメンが、キュートな悪魔っ娘のハーレムを作るべく地獄の深淵へと向かうストーリーが描かれています。なんとも突拍子もない内容ですが、三度の飯より悪魔っ娘が好きという特殊性癖をもった人だけではなく、幅広い層にも受け入れられ、人気を博しているのです。
今でもファンによる二次創作のイラストやコミックがアップされまくっています。
そこで今回は、そんな本作がなぜここまでヒットしたのか解説しようと思います。
悪魔っ娘が超絶可愛い!カワイイ!

いきなりゲームではなくキャラクターのビジュアルについて語りますが、赤色のシャツと組み合わせた黒スーツの銀髪悪魔っ娘は、毒があってマジで可愛いんです。カワイイ。

キャラクターのビジュアルの良さ、可愛さは、見る人に最も伝えられる情報です。本作が愛される理由は、ビジュアルに限らず、BGMやパズルゲームパートを含めた作品の全てが可愛いからです。

最終的に、マッチョメンの主人公ですら可愛く見えるようになります。

Twitterユーザーの中には、本作の悪魔っ娘のイラストやコミックがタイムラインによく流れて来る人も多いのではないでしょうか。特に絵師や漫画家をフォローしている人は尚更だと思います。
筆者も可愛らしいイラストがタイムラインに流れたことがきっかけで本作に興味を持ちましたし、知り合いが夢中になっているのを知って「これはやらなくては!」という思いに駆られました。
このようにSNSの口コミで本作の評判が広がっているのです。
パズルがシンプルで面白い!

本作のパズルパートは、マス目で区切られたフィールドで、プレイヤーキャラクターをコマのように移動させて、限られた行動回数で悪魔っ娘のもとにたどり着くというシンプルなルール。とはいえ、苦戦するステージも存在し、危険なトラップやアンデッド達がプレイヤーの邪魔をしてきます。
ステージを何度もリトライをすることになるのですが、じゃあその繰り返しにストレスを感じるかというと、テンポの良いBGMとリスタートの早さのおかげで全然感じません。というか、なんだかリトライをするのがクセになるのです。

そして苦労して悪魔っ娘のもとにたどり着くと会話パートに。ここで適切な選択肢を選択して悪魔っ娘をモノにするのですが、相手は……その……フツーじゃないんです。どちらの選択肢が正しいかなんてわかりません!

選択を誤ると殺されます。
悪魔っ娘に殺されると、その娘のことが気になって仕方なくなっているのです。なんだこれ……好き。
「おもしれー女……」ってこういう気持ちなのか……筆者、イケメンの気持ちわかりました!また悪魔っ娘にぶっ殺されながらパズルをクリアしていきます!
パズルゲームはスキップできる

前述でパズルパートの面白さを説明しましたが、なんとパズルパートは……スキップできます!悪魔っ娘との会話パートだけを楽しむことも可能です!
これこそがファンによる二次創作を促している要因のひとつだと筆者は、考えるのです。
世の中には、ゲームをプレイするのが苦手な人、ゲームに興味がない人が存在します。Twitterのタイムラインに流れてくる本作のイラストに魅力を感じつつも、「パズルゲームは苦手……」「アニメは好きだけど、ゲームには興味ない」とプレイを躊躇している人もいると思います。そんな人には、このスキップ機能は本作に触れるきっかけになります。
それに作中、悪魔っ娘がパズルパートのスキップをオススメしてくるのです。これをゲーマーのプライドを逆なでして「クリアをしてみろ」と焚き付けているとみるか、本心で言っているとみるかは受け取るプレイヤー次第だと思いますが、これが結果的に「普段ゲームしないし苦手なんだけど、『Helltaker』は好き」というファンを増やしているのではないでしょうか。
それでもラストバトルはスキップ出来ないのですが、そこまで到達したら悪魔っ娘達が愛おしくなり、クリアまでプレイしたくなるはずです。そして、クリアをしたら物足りなさを感じて、スキップしたパズルパートに挑戦したくなると思いますよ(パズルのヒントは悪魔っ娘が微妙に教えてくれますしね)。
圧倒的ボリューム不足が良い意味で欲求不満に!

本作は、ボリュームの少なさが短所としてよく挙げられています。
確かに、それはゲームとしてみれば短所なのかもしれません。パズルパートは9ステージしかありませんし、ラストバトルは苦戦するものの、根気強くリトライを繰り返していれば30分以内にクリアできるはずです。それに会話パートだって少ないのです。
しかし、このボリュームのなさが、プレイヤーの想像の余地を与える良い余白となり、二次創作をしやすくしています。「あの娘は主人公とどうなるのか?」などの今後の展開が見たい欲求は、それこそ二次創作を、作り手として、あるいは受け手として楽しむことで発散されていくのです(でも公式の続編も欲しい)。
可愛いキャラクターデザインで見る者を魅了し、歯ごたえあるパズルパートでゲーマーを惹き付け、パズルパートのスキップ機能で非ゲーマーを取り込み、プロローグのような少ないボリュームでファンの続編欲求を刺激する、これこそが『Helltaker』の二次創作が立て続けに生まれている要因だと筆者は考えます。
『Helltaker』の二次創作のイラストやコミックは、今もなおTwitterのタイムラインに流れており、SNSを巻き込んだ一大コンテンツになりつつあります。まだ本作をプレイしていない人も今のうちにプレイしてみてはいかがでしょうか。
高いスペックも要求されないし、無料でプレイできますよ!
なお、Game*Sparkでは、『Helltaker』の有志翻訳を行った陽炎01型氏が本作の魅力について語るインタビュー記事が掲載されているので、こちらもチェックです!