弟切草
発売日:1992年3月7日
機種:スーパーファミコン
発売元:チュンソフト(現スパイク・チュンソフト)
チュンソフトのサウンドノベルシリーズ第1作目です。画面に表示されるテキストを読むことでゲームを進めていく。選択肢によってストーリーがさまざまに分岐していく。背景の画像やバックで流れるサウンドがストーリーを盛り上げる。今ではノベルゲームと言われることも多いですが、このスタイルは本作によって生み出されたと言っても過言ではないでしょう。
基本は古びた洋館を舞台にしたホラーなのですが、途中でギャグ小説に変化したりするなどストーリーの内容は千変万化。『特捜最前線』、『人造人間キカイダー』、『快傑ズバット』などの脚本で知られる、長坂秀佳氏が手掛けたシナリオは非常に読み応えがありました。今でいうチャート機能がなかったりするので、分岐条件を見つけるのがなかなか大変なのですが、それだけに新たな展開を見つけたときの喜びは大きく、何度も繰り返しプレイしたものです。
以降、サウンドノベルはチュンソフトの看板ジャンルとなり、ミステリーを題材にした次作『かまいたちの夜』がスマッシュヒット。他社からも同スタイルの作品が次々に生み出されていきました。
当初はホラーやミステリーが主流だったのですが、恋愛、青春、SFなど題材となるジャンルがどんどん拡大。Leafの『To Heart』、TYPE-MOONの『Fate/stay night』、07th Expansionの『ひぐらしのなく頃に』などの名作が作り出されてきたのは、ご存知のとおりです。後世に与えた影響は絶大で、ゲームの歴史を変えたというべき偉大な1本です。
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星のカービィ
発売日:1992年4月27日
機種:ゲームボーイ
発売元:任天堂
ご存知、任天堂の人気キャラクター・カービィの初登場作品です。任天堂の十八番である横スクロールアクションですが、初心者でも楽しめる内容になっていて、敵を吸い込んで吐き出すというアクションとジャンプを覚えるだけでスイスイ進んでいけます。決して簡単すぎるわけではないのですが、アクションが苦手な人でも着実に上達できるようにデザインされているので、気がつくと上手くなっている自分がいました。
このお手軽さが本作の一番の魅力ですが、カービィの造形も大きかったと思います。まん丸のボディ、羽のような手、ポテっとした足――すべてがキュートで、ひと目見たら忘れないインパクトがありました。パッケージのイラストは、現在よりも目が小さかったのですが、それでも十分愛らしく、このカービィのラブリーさも人気に一役買ったと言えるでしょう。
また、メルヘンチックな世界観やポップな映像もゲームと絶妙にマッチ。画面はモノクロながら見ていて非常に楽しく、子どもはもちろん大人も遊び応え十分なゲームになっていました。かくして本作は国内累計出荷本数172万本、全世界で513万本というスーパーヒットを記録。任天堂を代表する人気シリーズのひとつとなりました。
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この年は『カービィ』以外にも任天堂の話題作が多数登場しています。最大のヒットとなったのは『マリオカート』シリーズの第1作目となる『スーパーマリオカート』(任天堂)です。コース上のパネルを踏むことで、「バナナの皮」や「こうら」などのアイテムを入手。これらのアイテムを駆使して相手のジャマをするというシリーズの基本システムはすでに確立されており、国内累計出荷本数382万本という驚異的な数字を打ち立てました。
『マリオペイント』(任天堂)も人気となりました。いわゆるお絵かきソフトなのですが、マウスに対応していて基本的な描画機能もしっかり搭載。パソコンのペイントソフトがまだまだ一般的ではなかった時代に、本作の存在は異彩を放っていました。そのほか、『スーパーマリオランド2 6つの金貨』(任天堂)が累計出荷本数270万本を記録。『スーパーマリオUSA』(任天堂)、『ファイアーエムブレム外伝』(任天堂)などもヒットしました。
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『ストII』フィーバーがさらに過熱した1年でもありました。アーケードではパワーアップ版となる『ストリートファイターIIダッシュ』(カプコン)が登場。ゲームセンターはさらなる熱狂に包まれました。そして、6月10日にスーパーファミコン版『ストリートファイターII』(カプコン)が発売。こちらも発売前から注目度は絶大で、累計出荷本数290万本というとてつもないヒットとなりました。
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アーケードでは『バーチャレーシング』(セガ)も注目を集めました。ポリゴンによる3Dグラフィックは画期的のひとこと。ドライバーズ視点や俯瞰視点に切り替えることも可能になっているなど、鈴木裕氏率いるセガAM2研の実力をまたも見せつけてくれました。
また、アメリカでは対戦格闘ゲーム『モータルコンバット』(ミッドウェイゲームズ)が稼働開始。ゲームとしての出来は決して高くありませんでしたが、敗者を惨殺するグロテスクな残酷描写が大受け。のちに映画化もされるなど超人気シリーズとなりました。日本での認知度は今ひとつですが、現在でも欧米での人気は絶大で、新作が登場するたびに大ヒットとなっています。
そのほかのヒット作は人気競馬シミュレーションの第2作目となる『ダービースタリオン全国版』(アスキー)、名作バカゲーとして名高い『半熟英雄 ああ、世界よ半熟なれ…!!』(スクウェア)など。パソコンゲームでは恋愛アドベンチャーゲーム『同級生』(エルフ)、女生徒たちを卒業まで導く育成ゲーム『卒業~Graduation~』が登場。ギャルゲー人気の火付け役となりました。
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このように1992年はダブルミリオン以上が5本という驚異的な1年でした。また、こうしたメガヒットタイトルが続々登場してほしいですね。