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皆さんは「くっころ」をご存じでしょうか。そうです、「くっ、殺せ……!」を略した、あの「くっころ」です。「女騎士が敵に捕らわれた際に発する言葉ランキング」上位入賞間違いなしの、あの「くっころ」です。
大抵の場合「殺すには惜しい」という展開になることまで含め、いつの間にやらファンタジー系作品ではシリアスからギャグ展開まで定番になりつつあるこのフレーズ。なんと今ではそんな「くっころ」シチュエーションにフォーカスした、女騎士が異世界からやってくる『くっころでいず』なるアドベンチャーゲームまで登場しています。
西洋騎士が登場するシチュエーションが、なぜ侍の国・日本でここまで発達したのか。折角の夏休み、私たちはこれまでザックリと認識してきた「女騎士」と「くっころ」ジャンルについて、もっとよく知る機会を設けるべきではないでしょうか。
今回はゲーミング自由研究として、発売されたばかりのスイッチ版『くっころでいず』を題材に、女騎士という生き様を紐解いて行きたいと思います。
女騎士は辱めを受けない
そもそも女騎士は何故、敵に捕まったことで「くっ、殺せ……!」となってしまうのか。それは騎士のプライドにかけて、「虜囚の辱めを受けながら生きるくらいなら命などくれてやる」という精神の表れだと考えられています。
つまり「くっころ」とは、戦に敗れてなお誇りを失わない女騎士の高潔さを表したセリフ。殆どの場合でその願いは聞き入れられられないとしても、です。
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『くっころでいず』に登場する女騎士・カトレアも異世界から魔法によって主人公のいる現代日本へと飛ばされた直後は、主人公のことを敵と勘違いし早速の「くっころ」を見せてくれています。
仮に本当に敵に捕らえられたとして、画像のように丸腰の相手ひとりに剣を抜ける状況なら無理に「くっころ」せずとも切り抜けられそうに思うのですが、それくらい騎士にとって捕虜となるのは受け入れがたいことなのでしょう。あるいは力づくでの解決は騎士道精神に反するということなのかも。
女騎士の見た目は防御力が低い
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『くっころでいず』のカトレアは騎士らしくプレートアーマー、つまり甲冑を身にまとっていますが、胸元や腹部は地肌が見えていてあまり守備力が高いようには見えません。
ファンタジー作品の女性キャラ衣装についてはよくツッコミが入る要素ではありますが、西洋甲冑は板金が素材でかなりの重量になるため、軽量化や動きやすさを目的として全身を覆わないアーマーも少なくなかったとか。女性モノの甲冑として鮮やかに装飾されているタイプも実在したそうです。
とはいえ、カトレアのように顔や腹部がモロに見えているのは流石に危ないのでは。いや、カトレアの住んでいた世界には魔法も存在したので、実質的な防御力は魔法に任せて見た目重視に発展したと考えることも出来るかも知れません。
「くっころ」的な側面から考えると「見た目の防御力が低そうなのにメンタルが強い」というギャップを演出する効果もありますので、装備が薄いままで居てもらって大丈夫です。
女騎士はかなり強い
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じゃあ薄着の女騎士は戦闘力が低いかと言えばそうではなく、古今東西、女騎士と言えば剣技に優れた達人であると相場が決まっています。
やはり女性でありながら騎士として活躍するからには筋力で勝る男性をも倒し得る卓越した技術の持ち主であることが必要になるのですね。「くっころ」できる強いメンタルも、厳しい鍛錬の成果として身についたものなのでしょう。
カトレアも例に漏れず元の世界では騎士団長を任されているほどの剣の使い手で、作中の剣道シーンでもあっという間にコツを掴んでしまうセンスの持ち主として描かれています。実に基本を押さえた良い女騎士ですね。
強さと「くっころ」の関係を考えてみても、やっぱり一介の兵士よりを捕まえるよりも技術に優れた猛者を捕えた方が敵も嬉しいというもの。そして「お前に倒された仲間の恨み!」→「くっころ」→「いや、このまま殺すのは惜しい」と言う流れに発展する訳です。
そう思うと剣士に限らず戦士でも魔導士でも忍者でも、強さこそが「くっころ」を“言われる側”にとって重要なスパイスとなっていることが分かります。私たち受け取り手は常に言われる側なので、女騎士には強くあって欲しいものですね。
女騎士はピュアなので未知のものに弱い
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女騎士は戦闘に関するもの以外への知識・経験が乏しいケースが多い、というデータが私調べで出ております。
これには幼少期より剣の鍛錬に明け暮れて育ったがため、どうしても世俗に疎くなるという因果関係があるとか。そして基本的に戦いの世界に身を置いていたため、未知のものに過剰な警戒心を示す傾向がある訳です。
単純に知識の問題に限らず、どうにも世間慣れしてなかったりウッカリした面がある設定で描かれるケースも定番で、完璧超人という設定よりも親しみが持てるからなのかも知れません。
元の世界では騎士団長としてモンスターをバッタバッタと切り伏せていたカトレアも、初めて見る自動車や電車にビックリ。敵に捕らえられても「くっころ」精神を貫く女騎士でもビックリしたり怖がったりするものがある。そんな落差も大事ですよね。
女騎士は義理堅い
責任感に溢れ義理に厚いというのも女騎士の特徴です。主君や恩義ある人間のために尽くす、騎士道精神というヤツですね
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カトレアも突然異世界に表れた自分を保護してくれた主人公に対しては大変に恩を感じ、何かとお返しをしようと考えてくれるのも嬉しい姿です。しかし、これだけは伝えておきたい。この実直な一面こそが女騎士の危うさであると。
そもそも立場も実力も兼ね備えた騎士がむざむざと敵に生け捕られることなんて、そうそうあってはならないはず。
そこで敵にどうしても利用されてしまうのがこの義理堅さ。打倒・女騎士のために主君や仲間を利用した罠を張るのが定石ですが、愚直に引っかかってしまったり、時には罠と知りながら身を投じたりするシチュエーションも散見されます。
私はまだ騎士の方に忠誠を誓われた経験はありませんが、皆さんもいつしかそんな日が来たら、搦め手には気を付けるように伝えることをオススメいたします。
基礎をわきまえてこそのアレンジ
というこで『くっころでいず』のカトレアをベースに、女騎士という生き様について学んでまいりました。
これらの女騎士を形作る要素が繋がりに繋がって「くっころ」シチュエーションとその魅力を作っているという仕組みについてもご理解いただけたかと思います。
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『くっころでいず』ではこうしたベーシックな要素を抑えつつ、カトレアというキャラクターが現代日本で様々なアレンジ版「くっころ」シチュエーションを見せてくれます。
発売されたばかりのスイッチ版だけでなくSteam版もありますので、元から女騎士に興味があった方も本項で興味がわいたという方も多様な「くっころ」シチュエーションをご堪能の上で、女騎士の生き様を学んでみてはいかがでしょうか。
そういえば、スイッチ版『くっころでいず』をプレイしていて物凄く気になったのが、公式のゲームジャンルが「アドベンチャー/実用」になっていること。
確かにちょっとセクシーなシーンもあるけど……と、ちょっとテンションが上がって他の実用ジャンルを見てみたのですが、なにやら脳トレ系のゲームが並んでいました。もしかして多言語対応なので外国語の勉強にもなって実用的って意味なのでしょうか。
だとしたら自分はなんて見当違いを……。くっ、殺せ!