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主にボードゲーム等を販売している、「オインクゲームズ」をご存知でしょうか。
「インサイダーゲーム」や、「海底探検」と言ったボードゲームが有名ですね。また、2019年の映画『賭ケグルイ』にも登場した「デュアルクラッシュポーカー」の制作会社でもあります。
今回紹介するのは、そんなオインクゲームズが手がける『タケシとヒロシ』というインディーゲームです。本作は2019年11月8日にApple Arcadeでリリースされ、その後ニンテンドースイッチにも登場しました。
物語の主人公はとある兄弟。弟のヒロシは兄のタケシが作ったゲームに興味津々で、遊ばせてほしいとねだります。しかし、ゲームはまだ未完成…。「どうしたものか」と考えたタケシは、タケシ自身がモンスター役となり、弟のヒロシを楽しませてあげようと奮闘します。まだ幼いヒロシでも無理なくクリアできるよう、ゲームオーバーにならない程度に配慮して。
『タケシとヒロシ』は、そんな兄弟を中心に進んでいきます。ゲームはいくつかのステージで構成されており、ヒロシの満足度が規定のラインを越えればクリアとなる仕組みです。
ドラマシーンは全て人形アニメーションとなっており、他のゲームにはない暖かさを持つのが大きな特徴。今年の8月18日に欧米で発売されたスイッチ版は海外ユーザーのスクリーンショットのツイートが1.5万いいねを超えるなど話題を集めています。
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さて、優しい兄を持って幸せなヒロシですが、彼はいったいどんな性格をしているのでしょうか。詳しく見ていきたいと思います。
ヒロシのプレイングってどんな感じ?
みなさんも経験があるはずです。ゲームをしていると他の人とプレイの仕方や考えかたが違うということが。しっかりとレベリングをしてからボスに挑むタイプもいれば、とりあえずぶっつけ本番で挑むタイプもいるでしょう。そして、ゲームのプレイングというものは、実際の性格にもかなり依存していることがあります。この事から、ヒロシのプレイングを調査する事で、ヒロシの性格をある程度つかむことができると考えました。ちなみに筆者がヒロシくらいの頃は、確実に勝てる相手にしか挑まない、というチキン戦法を好んでいました。
さて、肝心の調査内容ですが「ヒロシの感情」「ドキドキ度」「登場するモンスターとその追加コメント」の3つに注目していきます。
ヒロシの感情
まずヒロシの感情から確認していきましょう。本作では敵を倒すと、ヒロシがどのように感じたかが表示されます。
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やはりHPが少なくなるまで追い詰められるほうが、戦闘にギリギリ感があって満足度が高いようです。この部分については私は異論ありません。
ドキドキ度
ヒロシはモンスターから攻撃を受けるたびに、ドキドキ度が上昇していきます。このゲージはHPの回復をしても減らない様子。今回は回復なしでダメージを受けた量で、ドキドキ度がどのように変化するのか見ていきます。
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ドキドキ度は最初、マイナス30%からスタート。
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ダメージが半分の時に、ドキドキ度は50%増えました。筆者はこのくらいで勝ち続けるのが好きなのですが、ヒロシくんはそうではないようです。もうちょっとスリルが欲しそうな感じが出てますね。
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HPが底をつく寸前で勝利すると、ドキドキも最高潮に達しました。これが勝利の喜びで震えているのか、負けそうになった恐怖で震えているのか定かではありませんが、とりあえず喜んでくれたようでよかったです。吊り橋効果なんてのもありますしね。
倒したモンスターと追加で出てくるコメント
1枚目は残念ながらモンスターへの言及も、追加のコメントもありませんでした。
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2枚目はヒロシも満足げな様子。特に強いモンスターを出したわけではないのですが、上手く戦えたんでしょうかね。
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3枚目も満足度は高め。奇跡的な戦いぶりだと、とても感動している様子です。
ちょっと待った
ここで一つ、疑問が生まれます。1枚目の画像の敵がオーク3匹なのですが、1ダメージも受けずに倒したにも関わらず、その華麗な戦いについて、そして倒した敵についてなにも感想がありません。
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本作では回避とクリティカルを調整して、ダメージを受けることなく強敵を倒すことが可能。自分であれば、それほどまで完璧に戦えたら爽快だろうなと思っていたのですが、ここであることに気づきました。それは、「回避やクリティカルはタケシが判断してるのだから、ヒロシは特に何もやってなくない?」ということ。
そうなんです。兄のタケシがどんなに完璧な戦いを演出しようと、弟のヒロシからすれば「運が良かった」としか捉えられておらず、ドキドキ度に繋がっていなかったのでしょう。よかれと思ってやったことが裏目に出るとは、ちょっと悲しいですね。
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以上の調査から、ヒロシは「ギリギリで、勝敗が最後まで見えない戦いが好き」ということが見えてきました。逆に一方的に勝つのは、あまり好きではない様子。体力ギリギリでクリアを目指すとはなかなかのギャンブラーとみました。
やはりヒロシは好戦的かもしれない
ヒロシはやるかやられるか、狩るか狩られるかの究極の2択で戦うのが好きそうです。他のタイトルで例えるのであれば、『モンスターハンター』で裸でイビルジョーに挑んでそうな性格です。(そういうクエスト)
今回の記事ではヒロシにフォーカスを当ててきましたが、実際のゲームではヒロシについてはあまり語られません。兄弟とはいえどあくまでも本作の主人公は、兄のタケシ。タケシがゲーム作りに向き合う葛藤や喜びを描いたシナリオが最高で、筆者も友人と共にゲーム作成を始めてみようかと思うほどでした。
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『タケシとヒロシ』はニンテンドーストアで、900円(税込)で販売されています。値段からは想像できない、深みのあるシナリオとやり込みがいのあるゲームが魅力の本作。あなたもぜひ、この不思議な体験をしてみませんか。
ニンテンドースイッチ『タケシとヒロシ』
https://ec.nintendo.com/JP/ja/titles/70010000032703