シリーズ最新作『桃太郎電鉄 ~昭和 平成 令和も定番!~』が発売されて、早2週間あまり。多くの方が、仲間内とワイワイ遊ばれていることと思います。しかし、筆者は声を大にして言いたいのです。「桃鉄はソロプレイも楽しいぞ!」と。
近年の『桃鉄』は「◯◯周遊カード」の登場で、プレイヤーのサイコロを振る数が大幅に増加しており、「目的地に入るまでに必要なターン数の減少」及び「貧乏神がプレイヤー間を忙しなく移動する」という高速化の時代を迎えています。
また、同じ物件を繰り返し購入する「増資」が無くなったことで、上位のプレイヤーほど持ち金が余りがちに。そのため「スリの銀次」や、「たいらのまさカード」「とっかえっこカード」といった、持ち金にダイレクトにダメージを与える妨害行為の破壊力が、終盤になるほど大きくなりました。
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上記2点により、『桃鉄』には常に逆転の目が残っていると言えます。それは多人数で遊ぶ「パーティゲーム」という側面で見れば、非常に正しい要素でしょう。しかし逆の視点、つまり「CPU相手にぶっちぎりで独走、全駅全物件を制覇したるでガハハハハ!」を狙うソロプレイの視点から見れば、厄介この上ありません。
そこで今回はロマンあふれる「全駅全物件独占」という偉業を成し遂げるため、抑えておきたいポイントをいくつか紹介します。ワンミスで資産が吹き飛ぶスリルと、徐々に自分の色が日本列島に溢れていく征服感。ぜひ多くの方に、『桃鉄』ソロプレイを楽しんでもらえれたらと思います。
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「歴史ヒーロー」は最低でもCPUに渡さない立ち回りを
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特定の駅を独占した時に登場する「歴史ヒーロー」。本作には32人の歴史ヒーローが存在し、その効果も様々ですが、一部は飛び抜けて強力な性能を持っています。資金が揃い次第、該当駅を独占し、自社に引き入れましょう。最低でもCPUに独占されないよう、該当駅の最安値物件だけは買っておく知識が必要です。
以下、特に要注目な歴史ヒーローを列挙します。
【入れておいて損は無い歴史ヒーロー】
武蔵坊弁慶
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個人的に是が非でも手元に置いておきたい歴史ヒーローの筆頭。相手のカードは奪うわ、「源義経」も自社にいれば相手からの妨害を一定確率で防いでくれるわと大活躍。本作は「ブロックカード」が無いため、後者は特に頼りになります。
平賀源内
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弁慶と肩を並べるのが、平賀源内。任意のプレイヤーを3ヶ月休みにする「アシドメール」が無慈悲なまでに強く、全駅全物件制覇を狙うのであれば「ブッケンカーウ」「ブッケンゼンブー」で移動せずに物件が買えるのも便利。間違いなく最強クラスの性能です。
聖徳太子
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「☆飛びカード」「物件飛びカード」等を周遊系にランクアップさせてくれる貴重な存在。特にカード駅のラインナップが限られているゲーム前半で効果を発揮します。マイナス効果を持つカードを取り除いてくれるという、地味に嬉しい効果も。
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その他、頼れる歴史ヒーローは数多いますが、全部を語るととんでもないボリュームになるため今回は割愛します。ヒーローによってはデメリットもありますが、基本的に全部雇っちゃって問題ないでしょう。
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そのほか、デビル系カードを消してくれる近江八幡駅の「製薬会社」、時限爆弾カードを消してくれる北浜駅の「あったらいいな製薬」を買っておくと、安定性がアップします。
本作最大の敵は「台風」かもしれない
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毎年秋になると、一定確率で「台風」が発生。所有する物件に応じてプレイヤーに被害を与えるのですが、本作はその被害額が半端じゃありません。所有物件数が増えてくる後半ほど、プレイヤーに「マジかよ」と絶望するだけのダメージを与えてきます。
筆者は全体の8割近い物件駅を買い占めるなど、順調に進んでいた50年代ごろ台風の洗礼を受けました。持ち金1,000億余りに対して、被害額は7,000億越え。笑うしかないほど物件を手放す羽目になりました。
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従来シリーズであれば「損害保険カード」や同効果を持った物件の所持で台風被害を回避できましたが、本作ではそういった策はない様子。マイナスを相手に押し付ける「連帯保証人カード」を狙って入手できるわけでもなく、貴重なカード枠を圧迫するため現実的とは言えないでしょう。
気休めでしかありませんが、「秋に備えて持ち金は最大限貯めておく(夏に高額駅を買い占めると危険)」「比較的多く台風が発生する四国・九州の高額物件はゲーム後半に購入する」という2点を意識したほうが良さそうです。
「刀狩りカード」「パトカード」は絶対に常備する
冒頭述べた通り、『桃鉄』では後半になればなるほど持ち金が余りがちになります。そのため、以下に示したカードを使われると、残り期限によっては致命傷になりかねません。
【全駅買い占めソロプレイにおいて、存在が許されないカードの一例】
- 「とっかえっこカード」
- 「持ち金ゼロカード」
- 「たいらのまさカード」
- 「坊主丸儲けカード」
- 「ベビキュラーカード」
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これらは正直、キングボンビー以上に怖い存在です。CPUがこうしたカードを手に入れた時に備えて、カードバンクには「刀狩りカード」を常備する必要があります。定期的な補充も忘れずに。
「刀狩りカード」が間に合わなかった時に備えて「徳政令カード」も1枚預けておくと、「とっかえっこカード」「たいらのまさカード」の被害が軽くなるかもしれません(負けているプレイヤーの借金をあえてゼロにします)。
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また、「スリの銀次」を防ぐ「パトカード」も、ゲーム後半であれば必須で持ち歩きたい1枚。特に「スリの銀次当たり年」が発生すると、普段出現しない物件駅ですら銀次の出現対象となります。
「パトカード」はゲーム後半、カード駅から購入可能。備えあれば憂いなしです。
「物件周遊カード」は便利だが後半に罠がある
「物件周遊カード」は全駅独占プレイにおいて、必須とも言えるほど重要なカードですが、ゲーム後半にプレイヤーの独占駅が増えるほど、残りの移動先が偏ってきて使いにくくなることも。
「☆飛び周遊カード」「地方へ!カード」「6大都市カード」といった、移動先がある程度固定されるカードを懐に忍ばせておくと、イザという時に役立つでしょう。あとはやはり、サイコロがいっぱい振れる進行形!『桃鉄』はいっぱいサイコロ振れるヤツが勝ちます(暴論ですが、概ね合ってる)。
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1ターンといえども貧乏神を許容しない
100年もプレイしていると、どうしても貧乏神が避けられない瞬間は出てきますが、それでも1ターンさえ許容しないという強い姿勢が大事です。
貧乏神の悪行で恐ろしいのは、「カードを割る」「サイコロの出目を省エネにする」の2つ。たった1ターンでも、これらの悪行をさせると被害は甚大。ゲーム終盤は、貧乏神がキングボンビーに変身後、翌月を待たずに悪行してくることもあり、「1度ならいいか」という油断が命取りになりかねません。
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なお歴史ヒーローの「桂小五郎(出石駅の独占で登場)」がいると、貧乏神の危険度がかなり下がります。またシチュエーションは限られるものの、「鉄器怪獣アイアンナンブ」を狙って、盛岡駅周辺に停車するのもアリ。
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100年という限られた期間の中で、全駅全物件を残さず買い占め、最終月まで逃げ切る。それは非常に時間がかかるプレイであり、ワンミスで資産が吹き飛ぶ爆弾を延々と処理し続けるサバイバルと表現しても過言ではないでしょう。だからこそ、達成した時の高揚感は半端じゃないのです。
そしてソロプレイはCPUが相手となるため、妨害行為に罪悪感を感じることがありません。とにかく気軽です!キングボンビーがついたプレイヤーに「牛歩カード」を使うという、“それはフレンドにやってよいことなのか?”と思わずためらってしまいそうな行為すら許されます。遠慮は無用。思いっきり相手を妨害して、心の中に住む外道な貴方を解放しましょう。
興味が沸いたらぜひ一度、『桃鉄』ソロプレイで全駅全物件独占の夢を追いかけてみてください。
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