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『ポケモンレジェンズ アルセウス』ではポケモンを進化させる道具がいろいろと登場しますが、なかでも注目したいのが「つながりのヒモ」です。
このアイテム、本作が初登場……のようなのですが、どこかでよく見たことのある気がします。そう、ゲームボーイの「通信ケーブル」にそっくりなのです!
◆そもそも「通信ケーブル」とは?
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通信ケーブルは、ゲームボーイで通信対戦などを可能にするアクセサリ。ゲームボーイと同じ1989年に発売されたので、いまから30年以上前の商品となります。
当時のゲームボーイは、このケーブルがなければ通信ができませんでした。『テトリス』など対応ソフトはいくつかあったのですが、価格は1,500円程度と高め。当時のゲームボーイのソフトが3,000円~4,000円程度だったので、それを考えると高級品ですよね。
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ましてや子供にとってはかなりの値段です。『ポケットモンスター 赤・緑』が流行すると通信ケーブルの需要が一気に高まったのですが、一方で価格などの問題で持っている人は少なく、通信ケーブルを所有しているだけでクラスのヒーローになりました。
「○○公園で松田くんが通信ケーブルを持ってきてポケモンやってるらしいぞ!」
と噂になれば、みんなその公園に集まってポケモンをやるわけです。松田くん、カイリューが好きだったけど、いまどうしているかなあ。山本くんはミュウツー6匹パーティーにしようと増殖技を試してセーブデータが消えていたなあ……と、記事を書いているだけで懐かしさが蘇ってしまいます。
そんな通信ケーブルですが、ゲーム機の進歩によって不要になっていきます。ゲームボーイアドバンスでは無線で通信できるワイヤレスアダプタが登場しましたし、ニンテンドーDS以降はデフォルトで通信機能がつくようになったのです。
◆通信ケーブルはなくなってもつながりのヒモが生きている
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『ポケモンレジェンズ アルセウス』でも「つながりのヒモ」は懐かしさを重視した道具です。というのも、この道具で進化するのは、「フーディン」「カイリキー」「ゴローニャ」「ゲンガー」の4種類。そう、すべて初代作品において、通信交換をすることで進化するポケモンたちです。
かつては通信ケーブルがなければ手に入れることが叶わなかったこれらのポケモン。いまやFPを貯めて屋台でつながりのヒモをゲットすればひとりで進化させられる!そもそも通信進化ポケモンが野生で出てくることもある!
このあたりの変化を見ると、懐かしさと同時に時代の移り変わりを感じるのです。ありがとう、つながりのヒモ……。