『ゼノブレイド』といえば、2010年にWii専用タイトルとして任天堂から発売された人気RPGです。その後2017年にニンテンドースイッチで続編となる『ゼノブレイド2』を発売。そして初代発売から約12年の時を経て、2022年2月10日に配信された『Nintendo Direct 2022.2.10』で『ゼノブレイド3』が発表されました。発売は2022年9月予定。
さて、同時に開設された公式サイトでは、ちょっと意味深なコピーが掲載されました。「『ゼノブレイド』と『ゼノブレイド2』、2つの世界の未来をつなぐ物語。」
もともと、『ゼノブレイド2』は、『ゼノブレイド』の続編でこそありましたが、その世界は『ゼノブレイド』とは別世界として設定されていました。しかし、公式サイトには「2つの世界の未来をつなぐ」とはっきり書いてあります。しかも、PVをしっかり見てみると、確かに『ゼノブレイド』と『ゼノブレイド2』の2つの世界の要素が同時に存在しているように見えるのです。
今回はPVにちりばめられた『ゼノブレイド』シリーズ過去作の要素について、気になるポイントをいくつか拾ってご紹介してみたいと思います。なお、記事の性質上、『ゼノブレイド』や『ゼノブレイド2』のネタばれ要素を含みますので、あらかじめご了承ください。
■メリアとニアの大戦争!?
ユーザーを大いに賑わせたのは、仮面の女性らしき人物。この2人が、かつて『ゼノブレイド』や『ゼノブレイド2』に出ていた主要キャラクターに似ているということで、大変な話題となりました。『ゼノブレイド3』には2つの国が存在し、そして対立しているのですが、この仮面の女性はその2つの国にそれぞれ所属する、おそらくは高い地位にいる人物のように思われます。
まず、機械技術の発達による兵器を操る“ケヴェス”。黒ずくめの恰好をした兵士たちと、機械の兵器が確認できます。しかしこの兵器はどうも、『ゼノブレイド』に登場する“機神兵”のように見えます。そしてこの国の仮面の女性は頭から翼が生えており、これも『ゼノブレイド』に登場していた、ハイエンターという種族と一致しています。機神兵やハイエンターの存在は『ゼノブレイド』とのつながりを強く確信させますね。
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そして、ハイエンターで、しかも特徴的な巻いてある髪形は、主人公シュルクと共に旅をしたメリアの特徴と一致します。どうやってセットしているか謎ですが、このゼンマイのような髪型が偶然一致することはなかなかないかもしれません。
一方、エーテルという魔法のような技術を扱う“アグヌス”は、白い姿の兵士が特徴的です。背景の色と近くてわかりにくいんですが、こちらの仮面の女性は、仮面の後ろから長い耳がピンと立っています。
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これは『ゼノブレイド2』で主人公レックスと共に旅をしたニアの特徴と一致します。もしニアだったとしたら、この長い耳はブレイドとして覚醒した姿ということになります。
メリアとニア、同一人物かどうかはともかくとして、それぞれの国の重要な立場にありそうな人物が、2人をイメージさせていることは間違いありません。
■モナドとツインリング
『ゼノブレイド3』の主人公は、対立する2つの国にそれぞれ1人ずついるようです。そしてその2人の主人公が持つ武器は、どこか見たことがあるような気がします。
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ケヴェス側の主人公“ノア”が持つ剣は、赤い刀身、特徴的な円環が、シュルクの持つ“モナド”を想起させます。まったく同じものではありませんが、無関係にも見えません。『ゼノブレイド』の作中でも、モナドは途中で形が変わったり、また、レプリカも存在しました。多少形が違っていても、モナドに類する何かである可能性は捨てられません。
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アグヌス側の主人公“ミオ”の持つツインリングは、ニアの装備を思い出させます。また、猫のような耳も、ニアとの関係性を感じずにはいられません。この耳の形はドライバーの姿の方のニアに似ていますね。さらに、ミオは胸元にペンダントをつけていますが、これがどうも先ほどご紹介したアグヌスの仮面の女性がつけているものと同じ物のように見えるのです。そして実は、ブレイドに覚醒したニアも、とても似ているペンダントをしています。ニアと、仮面の女性、そしてミオとの関係性はとても気になるところです。
■落ちた腕とグーラ
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PVで何気なく流れている風景も、『ゼノブレイド』や『ゼノブレイド2』の場所に似ている場所があります。例えばアーチのような場所を走っている場面がありますが、これは『ゼノブレイド』のマップの“落ちた腕”とかなり似ています。死んでしまったと思っていたフィオルンと再会した近辺のエリアです。
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また、草原の奥に見える鉤型のような、角のような地形。こちらは『ゼノブレイド2』のグーラでよく似た場所を確認することができます。グーラはニアの出身地であり、レックス達と旅をするノポン族のトラが住んでいるトリゴという街のある巨神獣(アルス)です。つまり、主人公たちは、機神の一部だったり、巨神獣の上を、マップとして走っていると想像できそうです。
■機神の大剣とインヴィディアの巨神獣
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そして最後に、ゼノブレイドシリーズファンなら誰でもドキッとする、このキービジュアルでしょう。先ほど紹介したような落ちた腕やグーラの一部はなかなか気が付かない人も多いと思いますが、こちらのキービジュアルにうつっているものは明らかに機神の大剣と巨神獣ではないでしょうか。大事なことは、これが同じ場所にあるということですよね。
開発を手掛けるモノリスソフトの高橋哲哉総監督は任天堂公式サイトにて「キービジュアルは折れた機神の大剣と、胴体に大穴が穿たれたインヴィディアの巨神獣。」であり、「実はこのビジュアル、『ゼノブレイド』の開発が終了した後、『ゼノブレイド2』の開発に入る大分前から構想していたものでした。」と語っています。
そう、『ゼノブレイド2』は『ゼノブレイド』とは違う世界のお話として発売されているにもかかわらず、『ゼノブレイド』開発終了後にはその2つをつなぐ構想が始まっていたんですね。
今回ご紹介した『ゼノブレイド』や『ゼノブレイド2』の痕跡は、どれも無関係と思えないものばかりですが、過去にゲームに登場したままでもありませんでした。少し形が違ったり、朽ちていたり、正体が隠されていたり、謎が多く含まれています。2010年に発売された『ゼノブレイド』の世界が、12年の時を経て『ゼノブレイド2』と繋がり、その遠大なる構想が何を見せてくれるのか。発売を心待ちにしたいと思います。