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人気アニメ会社「TRIGGER」が制作を手掛けたSFアニメ「サイバーパンク エッジランナーズ」が、Netflixで配信開始。SNSの口コミを中心として、爆発的な人気が広がっています。
同アニメの原作は、2020年に発売されたゲーム『サイバーパンク2077』であり、タイトル通りに“サイバーパンク”の世界観が炸裂しているのが魅力。そこで今回は、同じような近未来的ファンタジーの傑作と言えるゲームの数々をご紹介していきましょう。
日本サイバーパンクの源流に触れる『真・女神転生II』
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元々サイバーパンクという概念が生まれたのは、1980年代のこと。主な舞台となったのはアメリカの文壇や映画界で、サイバネティックスを発端としたSF的世界観の“革命”が起こりました。
日本にもブームは伝わりましたが、ゲーム業界においてその影響を色濃く残しているのが、アトラスの人気ゲーム『真・女神転生』シリーズ。とくにサイバーパンク色が強いのが、1994年にスーパーファミコン用ソフトとして発売された『真・女神転生II』です。
同作は近未来都市「TOKYOミレニアム」を舞台に、支配者が抑圧する都市部と、暴徒による強奪がはびこる周辺部のコントラストを表現。シリーズでお馴染み、秩序(ロウ)と混沌(カオス)のはざまで主人公の価値観が揺れ動くシステムも搭載されていました。
まさにサイバーパンクな主人公の生き様を、追体験できるのが魅力。現在でも『スーパーファミコン Nintendo Switch Online』に収録されており、当時の空気感をそのままに堪能できます。
閉塞世界に一時の癒やしを…『VA-11 Hall-A ヴァルハラ』
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サイバーパンクブームは一過性のものではなく、さまざまな時代に作品として開花しました。2016年に発売された『VA-11 Hall-A ヴァルハラ』は、同ジャンルの世界観やビジュアルを正統に継承した作品となっています。
近未来世界である西暦207X年のグリッチシティを舞台に、「VA-11 Hall-A」のバーテンダーとして働くという、一種の職業シミュレーションゲーム。プレイヤーはバーに訪れるお客との会話を通して、独創的な世界観に入り込んでいくことになります。
バーの外はかなり閉塞的で、“ディストピア”な世界が広がっている様子。「VA-11 Hall-A」は、そんな世界で暮らす人々にとって、まさに天国(ヴァルハラ)というわけです。
ディストピアと、それに抗う主人公という構図は、まさにサイバーパンク作品の肝。荒唐無稽に思える喋る犬やヒューマノイドの愚痴にどこか共感を覚えてしまうのは、その光景が現代社会と地続きに広がっているからでしょう。