■メガCD版『ぽっぷるメイル』は、唯一無二の存在！ あの有名声優が主要キャラを担当
中古相場からも分かる通り、メガCD版『ぽっぷるメイル』は今も根強い支持を受けていますが、そんな本作の注目すべきポイントを併せて紹介します。
まず、オリジナル版にあたるPC-8801版『ぽっぷるメイル』を開発・販売したのは、今も活躍を続けている日本ファルコム。現在はコンシューマ向けを中心に展開しており、9月30日に発売された『英雄伝説 黎の軌跡II -CRIMSON SiN-』も大きな注目を集めました。
ですが、PC-8801版『ぽっぷるメイル』が発売された頃、同社はPC向けのゲームメーカーとして知られていました。当時の日本ファルコムは、『ドラゴンスレイヤー』や『ザナドゥ』、そして『イース』といった人気作を1980年代に手掛け、続編や関連作も意欲的にリリース。PC向けゲームメーカーの最前線を突き進む、代表的な存在でした。
そんな日本ファルコムが放った『ぽっぷるメイル』は、アニメテイストで親しみやすいキャラクター、明るくポップなデザイン、明確なゲーム性とキャラクターチェンジによるメリハリのあるプレイ感などで人気を確立。続編などはなかったものの、多彩なプラットフォームへと広がった点だけ見ても、多くのユーザーから望まれていたことが分かります。
しかもメガCD版は、単なる移植に留まりません。オリジナル版における主人公・メイルの攻撃は「体当たり」でしたが、メガCD版では剣による攻撃に変化。またグラフィックも一新され、キャラクターも大きく描かれるなど、ただの家庭用版に収まらない進化を見せました。
特に大きかったポイントのひとつは、光学ディスクによる大容量を生かしたキャラクターボイスの実装。声優陣による演技が、イベントシーンをさらに盛り上げてくれます。しかも、プレイアブルキャラの見習い魔導師「タット」、怪獣の「ガウ」を担当したのは、石田彰さんと千葉繁さん。押しも押されもせぬ実力派のベテラン声優たちが参加しており、今から振り返るとかなり贅沢な布陣だと気づかされます。
また、主人公のメイルを担当したのは、こちらも数多くの代表作を持つ林原めぐみさん。2021年3月に劇場公開された最終作で壮大な物語の幕が閉じた「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズにて、非常に重要なポジションを占める「綾波レイ」を長年にわたって演じ続けてきたことでも知られています。
メイルを演じた頃の林原さんは、デビューからまだそれほど年月が経っておらず、ゲーム作品への出演数はまだ少なめ。アニメからの繋がりで「らんま1/2」のゲーム作品には「早乙女らんま」役で登場しましたが、オリジナルのゲーム作品での起用は当時珍しく、そのため『ぽっぷるメイル』への出演は貴重な機会のひとつとなりました。
ちなみに前述の石田さんは、「新世紀エヴァンゲリオン」では「渚カヲル」役で出演。また、メガCD版『ぽっぷるメイル』発売からしばらく経った後に放送を開始したアニメ「スレイヤーズ」では、林原さんが主役の「リナ＝インバース」を、石田さんが「ゼロス」を演じています。
後のベテラン声優の共演を、まだ機会が少なかったゲーム上で楽しめるのも、メガCD版『ぽっぷるメイル』の魅力と言えるでしょう。なお、PCエンジンCD-ROM2版の『ぽっぷるメイル』にもボイスはありますが、メイルは國府田マリ子さん、タットは戸田恵子さんと、担当声優が変更されています。林原さん＆石田さんの声で楽しめるのは、メガCD版だけの特権です。
当時のPCゲームを牽引した日本ファルコムがオリジナル版を生み出し、同社とセガが力を合わせた「セガ・ファルコム」が開発したメガCD版『ぽっぷルメイル』。アクション・グラフィック・ボイスなどがオリジナル版から進化し、ベテラン声優陣の若かりし頃の演技も楽しめる本作は、そのパッケージ版が今も高価な額で取引されています。
ですが、「メガドライブミニ2」を手に入れれば、多数の収録作のひとつとして、メガCD版『ぽっぷルメイル』を楽しめます。今から当時の環境を整えることを考えれば、「メガドライブミニ2」の購入だけで足りるのは非常にお手頃。メガCD版『ぽっぷるメイル』に興味が沸いた方は、今月末に登場する「メガドライブミニ2」をお見逃しなく。
ただし、残念ながら現時点では、「メガドライブミニ2」の予約を締め切っている店舗がほとんど。新たな予約受付の開始や、発売日以降の新入荷などを、こまめにチェックしましょう。
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