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◆入るたびに形が変わるダンジョンが厄介すぎる!
1993年にスーパーファミコンで発売された『トルネコの大冒険 不思議のダンジョン』は、『ドラゴンクエストIV』第3章の主人公である武器商人トルネコが、中に入るたびに形状がガラリと変わる不思議な洞窟を探索するダンジョンRPGです。
1980年というビデオゲーム黎明期に制作されたPC用RPG『ローグ』をヒントにしたゲームとなっており、本作のようなジャンルは今日では「ローグライクゲーム」と呼ばれています。
本作の最大の特徴は「ダンジョン内で力尽きると持ち物をすべて失う」、「ダンジョンから一度出るとトルネコのレベルが1にリセットされる」ことにあり、これは当時の家庭用ゲーム機のRPGでは珍しい仕様でした。
しかし、プレイヤー自身の経験は決して失われません。多くの人が自らの知識を武器として、ダンジョンという"難敵"を攻略することに夢中になりました。その過程で「飢え死にするよりはマシ!」と、"くさったパン"を泣く泣く食べた人もいたのではないでしょうか。
◆ほのぼのしたストーリーにほっこり
本作はトルネコが「誰も見たことがないすごいお宝」を求めて単身でダンジョン探索に繰り返しチャレンジするストーリーが描かれています。
そうしてついに手に入れた「すごいお宝」=「幸せの箱」は、実はウワサのみが独り歩きしてしまったようなものでしたが…それでもトルネコや妻のネネはそのお宝を見て幸せいっぱいになった…というところで物語は幕を下ろします。
すぎやまこういち氏の作曲によるエンディング曲「とある小さなワルツ」もそんな彼の朗らかさが感じられる名曲で、これからもトルネコ一家は小さなことにも喜びを見出せる幸せな家庭を築いていくのだろうとほっこりしました(商人として大成功も納めていますし)。
トルネコは『ドラクエIV』で数々の偉業や善行をなしとげましたが、そのきっかけは大抵の場合「町の人に頼まれたから」、「困っている人がいたから」という場合が多く、「それで商人をやっていけるの?」と思えてしまうくらいに人がよい人物でもあります。
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実際、久美沙織氏による「小説 ドラゴンクエストIV」の第3章冒頭でも、彼は「あまりにのんきでお人よしなので、町のみんなから好かれているがお金はちっとも貯まらない」と描かれていました。
トルネコは初登場作である『ドラクエIV』、その小説版、そして『トルネコの大冒険』と、複数の作品で魅力が丁寧に描かれていったキャラクターであったと思います。
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そんな『トルネコの大冒険』は、今年2023年の9月13日で30周年を迎えます。リメイクとまではいかずとも、リマスターの配信などがされたら嬉しいのですが…ないですかね?
◆おまけ:今でも忘れられない死に様ベスト3
■第3位:「2回攻撃」ではなく「2回行動」だったシルバーデビル
シルバーデビルとの初バトル時、こちらが1回攻撃する間に2回攻撃してくる苛烈さに押されて逃げようとするも、一歩離れたところで後ろから攻撃を食らって敗北! シルバーデビルの特徴は「1ターンに2回"行動(≒移動しながら攻撃できる)"」ですが、それを「1ターンに2回"攻撃"」と勘違いしたのが敗因でした。
■第2位:無敵じゃなかった(?)聖域の巻物
モンスターハウスで聖域の巻物を置いて戦っていたところ、後ろからリリパットの矢で散々こづかれたばくだんいわがついにメガンテを発動! 聖域の巻物があるからとAボタン連打で攻撃を続行したら、HP1になっていたところに攻撃を食らって敗北!「巻物そのものがメガンテの爆風で吹き飛ばされていた」と気付くのに少し時間がかかりました。
■第1位:特大モンスターハウスで一歩あるいたらフルボッコ
「幸せの箱」を獲得して帰途についていたところ、フロア一面の巨大モンスターハウスに遭遇! 上にあがる階段がすぐ目の前にあったので逃げきれる…と一歩を踏み出したところ、画面外にいるおおめだまと目があってバッチリ混乱。すぐ目の前にある階段をながめつつ、混乱でまともに歩けなくなりそのままボコボコに……立ち直るのに時間がかかりました。