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◆銀河にその名をとどろかす賞金稼ぎ
アームキャノンを備えたパワードスーツに身を包んだサムス・アランは銀河最強とすらいわれる凄腕のバウンティハンター。彼女が主人公である『メトロイド』は、基本的に彼女が何らかの目的を持って特定の惑星に降りたつところから始まります。
サムスの性別が女性に設定されたそもそもの理由は「その方がユーザーが驚くと思ったから」というものだそうですが、宇宙を舞台にしたSFホラー作品であることや、サムスが自立した強い女性として描かれていることなどから、リドリー・スコット監督による名作SFホラー映画「エイリアン」の影響もあるかもしれません。
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サムスは幼いころにスペースパイレーツの襲撃で親と故郷を失い、人でありながら惑星ゼーベスで鳥人族に育てられたという過去を持ちます。そしてその際、人が生きるには過酷すぎるゼーベスの環境に適応できるよう、人より大きく優れた身体能力を持つ鳥人族のDNAが移殖されています。
『メトロイド』や『大乱闘スマッシュブラザーズ』で見せるサムスが見せるアクションの数々はゲーム的な誇張というわけではなく、実際に人間を大きく超越した戦闘力を持っている…というわけです。銀河最強と呼ばれるのも納得ですね。
◆屈強な戦士であり、慈愛の心も持つ女性
このようにして、サムスは一流の戦士と呼ぶにふさわしい素質・能力を身につけたわけですが、それと同時に慈愛の心を持つ人物としても描かれています。
そんな一面が如実に描かれているのがゲームボーイ『メトロイドII』~スーパーファミコン『スーパーメトロイド』で、彼女はあらゆるエネルギーを吸収する危険な生命体・メトロイドの殲滅を依頼されつつも、自分を親であると思い込んだ幼体の命を奪えず、連れ帰っています(『メトロイドII』)。
その続きとなるストーリーが描かれた『スーパーメトロイド』でも、彼女がベビーと呼ぶそのメトロイドをいかに大切に思っているかが描かれました。また、そうしたサムスの心情描写はゲーム中でテキストに一切頼ることなく描写されており、同作はその優れた演出も高く評価されています。
◆『フュージョン』はシリーズの登竜門としてもオススメ!
2023年3月9日より、「Nintendo Switch Online+追加パック」で『メトロイド』シリーズの4作目であるゲームボーイアドバンスソフト『メトロイド フュージョン』の配信が始まり、スイッチで『メトロイド』本編シリーズ5作品がすべて楽しめるようになりました。
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『メトロイド フュージョン』はシリーズ4作目にあたるタイトルですが、本作は人工知能のアダムが探索をナビゲート(次に行くべき場所を指示)してくれることもあり、ここからシリーズに入ってもよいくらいに遊びやすい一作になっています。
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また、『フュージョン』はシリーズ最新作である『メトロイド ドレッド』の前日譚ともいえるので、クリア後はスムーズに『ドレッド』をプレイできます。スイッチは所有しているけど『メトロイド』は未プレイという方は、これを機に遊んでみてはいかがでしょうか。
筆者は『スーパーメトロイド』が特にお気に入りです。グラフィックとサウンドが一体となって織りなすダークな雰囲気にメロメロでした。
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