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植松伸夫氏率いる新たなプロジェクト「conTIKI SHOW」日本凱旋ライブレポート&特別インタビュー

2023年4月22日土曜日、横浜ランドマークホールにて「植松伸夫 conTIKI SHOW」(コンチキショー)初の日本公演が行われました。今回はライブレポートに加え、凱旋公演が終了したばかりの「conTIKI」メンバーを直撃インタビュー!

ゲーム 音楽

2023年4月22日土曜日、横浜ランドマークホールにて「植松伸夫 conTIKI SHOW」(コンチキショー)初の日本公演が行われました。今回はライブレポートに加え、凱旋公演が終了したばかりの「conTIKI」メンバーを直撃インタビュー!元Dog Ear Records社員の筆者がホットな裏話やこれからの野望などを聞きました。

◆「conTIKI SHOW」横浜ライブレポート

「conTIKI」は『FINAL FANTASY』シリーズ(以下『FF』)や『FANTASIAN』などで知られる作曲家・植松伸夫氏率いるグループで、朗読の戸塚利絵氏、ボーカルの暁 -Xiao-氏、植松氏の別バンド「EARTHBOUND PAPAS」のメンバーでもあるパーカッションの藤岡千尋氏とギターの岡宮道生氏、そして今回のライブでは残念ながら欠席でしたが、植松氏の大学時代の同級生で40年来の友人であるギターの横川靖氏の6人で構成されています。

2007年アメリカのNewsweek誌で「世界が尊敬する日本人100人」のひとりに選出されるなど、世界的な人気を誇る植松氏。「植松伸夫 conTIKI SHOW」も同月に先立ってベルギーとフランスでライブが行われ、今回はその国内凱旋ライブです。またコロナ禍でのグループ立ち上げだったため、過去2回行われた「conTIKI SHOW」は全てオンラインでの全世界配信で、今回のイベントが日本での初の有観客ライブとなります。

「conTIKI SHOW」とは?

大きく分けて3つのパートでの展開された「conTIKI SHOW」。まずは植松伸夫氏のソロパートで、2022年11月にリリースされた『FF』シリーズの楽曲を初めて自らアレンジからリミックスまでを手がけたアルバム「Modulation - FINAL FANTASY Arrangement Album」の楽曲演奏をします。続いて朗読プロジェクト「アカリガタリ」パートで、戸塚利絵氏の朗読と植松伸夫氏の生演奏で、書き下ろしのアヤシイお話を語り、最後はバンドパートで、『FF』シリーズのボーカル楽曲や2010年に発売されたアルバム「植松伸夫の10ショート・ストーリーズ」の楽曲を、英語字幕と一部伴奏入りのミュージックビデオに合わせ生演奏で披露しました。

「Modulation - FINAL FANTASY Arrangement Album」が堪能できる!植松伸夫ソロパート

植松氏ソロパートは、そもそもひとりで演奏すること自体がとても珍しく、本人の手で届けられる『FF』の生まれ変わった楽曲に、集まったファンもじっくりと聴き入っていました。

ゲームに使用された原曲を切り貼りしたり、リバースなどエフェクトを掛けることでアレンジされたアルバム楽曲たち。演奏前に植松氏が「何の曲か分かるかな?」とにこやかに問いかける一幕もありましたが、きっとファンならすぐに分かっちゃいますよね!MCパートでは神奈川大学出身で35歳くらいまで神奈川県民だった植松氏が、ゆかりのある横浜の会場でライブ開催できた喜びも語りました(「スクウェア」も創業時は日吉にありましたよね)。

オリジナルのアヤシイお話をお届け!「アカリガタリ」パート

「アカリガタリ」は2022年9月、植松氏のファンクラブイベント「灯りVol.20」で初披露されたプロジェクトです。音楽・植松伸夫氏、朗読・戸塚利絵氏、絵・倉島一幸氏、物語・松川慎氏と戸塚利絵氏によるオリジナルストーリーを、植松氏の生演奏と戸塚氏の朗読で披露します。

倉島氏は植松氏のスクウェア(現スクウェア・エニックス)時代の同僚でもあり、植松氏が「好きなゲーム」を聞かれると必ず答えている『moon』のキャラクターデザインも手掛けたイラストレーター・グラフィックデザイナー。植松氏曰く「倉島くんのイラストが好きで『アカリガタリ』のイラスト全般をお願いした」とのことです。

プロジェクターで映し出された映像には、倉島氏のイラストとともに英語字幕が。海外でのグローバル展開を感じられます。お話は日本の昔話のような世界観に、石神様や河童などの妖怪が登場し、ほっこりするものから夏の怪談にピッタリな怖いお話も。8月26日(土)に自由が丘の立源寺(りゅうげんじ)での「アカリガタリ」単独イベントも発表され、そちらに向けて更なる新作を作っているそうです。

植松氏のファンクラブ「中位のおっさん」では、本人自ら「植松伸夫に人体実験される」と表現するように、このような新プロジェクトをいち早く体験できる機会があります。遊び心たっぷりの植松氏に「人体実験」されたいファンはチェックしてみると吉ですね。

歌ものは『FF』だけじゃないんです!「conTIKI」バンドパート

最後のアコースティックバンドでの「conTIKI」ライブは歌もの楽曲の生演奏です。植松氏が手掛けた『FF』シリーズの主題歌は「conTIKI」オリジナルアレンジ版になっており、バンドの編成に合わせたものから、ジャズのビートを感じる新アレンジでオシャレに生まれ変わった「Eyes On Me」なども披露されました。「植松伸夫の10ショート・ストーリーズ」楽曲は、DVDでも発売されたミュージックビデオが英語字幕と一部伴奏入りで流れ、そこに合わせてバンドメンバーが演奏を披露。オリジナル版は、現在『ゼノブレイド』シリーズの音楽などで活躍しているACEのCHiCO氏がボーカル担当でしたが、暁 -Xiao-氏の元気なボーカルで楽曲に新たな一面が加えられたようでした。

MCでは植松氏が『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』を観劇し涙したエピソードも語られました。ゲーム音楽の作曲の仕事を始めた当初はマイナーだったゲームも、世界に誇る日本の文化である歌舞伎になり、プロの役者たちが真剣に取り組んでいる様子にとても感動したそうです。また、観客も声出しができる環境になりコールアンドレスポンスを練習するシーンも。掛け声はなんと「1、2、3、ダー!」と闘魂を感じられる仕様に。なんと海外でも同じ闘魂スタイルで行われたそう。プロレス好きの植松氏ならではですね。

アンコールは植松氏のソロ「ザナルカンドにて-Modulation ver.- from FINAL FANTASY X」とアコースティックバンドによる「Kiss Me Good-Bye」が演奏され、大きな拍手の中幕を閉じました。終演後は抽選に当選した観客との撮影会も行われ、撮影時の「1、2、3、ダー!」の掛け声が横浜ランドマークホールに響いていました。

「conTIKI」メンバー

キーボード:植松伸夫
朗読:戸塚利絵
ボーカル:暁 -Xiao-
ギター:岡宮道生
パーカッション:藤岡千尋

セットリスト

「Modulation - FINAL FANTASY Arrangement Album」植松伸夫ソロパート
「オープニング~爆破ミッション-Modulation ver.- from FINAL FANTASY VII」
「メイン・テーマ~マトーヤの洞窟 -Modulation ver.- from FINAL FANTASY」
「Blue Fields -Modulation ver.- from FINAL FANTASY VIII」
「悠久の風 -Modulation ver.- from FINAL FANTASY III」
「ビッグブリッヂの死闘 -Modulation ver.- from FINAL FANTASY V」

「アカリガタリ」パート
「あの子」
「物知り」
「ようじょ」
「守り神」

「conTIKI」ライブパート
「素敵だね」『FINAL FANTASY X』より
「Melodies Of Life」『FINAL FANTASY IX』より
「誰におねだり?」『植松伸夫の10ショート・ストーリーズ』より
「ヒッカリーピッカリーの歌」『植松伸夫の10ショート・ストーリーズ』より
「やったぜ、鶴亀料理長!」『植松伸夫の10ショート・ストーリーズ』より
「それでいいんだよ」『植松伸夫の10ショート・ストーリーズ』より
「Eyes On Me」『FINAL FANTASY VIII』より
「Dragon Song」『FINAL FANTASY XIV』より

アンコール
「ザナルカンドにて-Modulation ver.- from FINAL FANTASY X」『Modulation - FINAL FANTASY Arrangement Album』より
「Kiss Me Good-Bye (『FINAL FANTASY XII』より)」

植松伸夫氏らが語る今後の展望など濃密なインタビューをお届け!
《アネモネ・モーニアン(アニモ)》

ボーカリスト アネモネ・モーニアン(アニモ)

"アニモ"の愛称で親しまれるボーカリスト。カナダで培ったグローバルな感性を駆使した歌唱・音楽制作を得意とする。 その多様性を尊重する精神、そして英語力、また、映像作品・ゲームに対する愛から、時にライター・通訳・翻訳家としても活動している。

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