■常識外れの提案に、露伴はどう応じる? 実写版「密漁海岸」の放送迫る
世間一般のルールよりも自分の価値観や考え方を重視し、漫画のためなら人の迷惑もお構いなし。しかし凛々しい誇り高さを持ち、よりよい漫画のためなら自分の身すら投げだす露伴は、あくまで彼の倫理観を軸に、揺るがぬ姿勢を貫き続けます。
決して善人とは呼べませんが、余人が及ばぬ高みを目指す姿勢や、人間味の溢れる振る舞いの数々は、敬意と親近感を寄せるに値する人物です。
そんな彼の魅力に触れる機会は、出版済みの漫画や放送済みの映像作品だけではありません。実写ドラマ版「岸辺露伴は動かない」の最新話「密漁海岸」が、NHK総合テレビジョンにて5月10日 22時に放送されます。
すでに予告映像やあらすじで明かされていますが、この「密漁海岸」では、イタリアンシェフのトニオからクロアワビの密漁を持ちかけられます。特別なアワビなので売買に応じてもらえず、しかしトニオには必ず手に入れなければならない理由がありました。そこで密漁という手段を決め、露伴に協力を仰ぎます。
ここからは漫画版の流れとなりますが、明らかな違法行為への勧誘に対し、露伴は「自分は少年少女のために漫画を描いていて、立場のある人間」だと伝えます。また、アワビの収穫には年月と手間がかかるため、育てる漁師の苦労は計り知れないと倫理的な問題も口にしました。
そうした説得を聞いた上でもなお「密猟をします」と繰り返すトニオに、露伴は「だから気に入った」と快諾します。明らかに頷くべき場面ではありませんが、常識に囚われない露伴の決断と行動力にファンは惹かれ、その理由を知りたくてページをめくってしまうのです。
こうして挑む「密漁」は、いかなる結末にたどり着くのか、その中で露伴はどんな人間性を垣間見せるのか。すでに原作を読んでいるファンも、そして未見の視聴者も、ドラマ版「密漁海岸」の放送を楽しみにお待ちください。
またNHK総合では、 最新作「密漁海岸」に先駆け、昨年劇場公開された映画「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」を5月6日 15時55分より放送します。こちらもどうぞお見逃しなく。