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わたし、どこにでもいる普通の会社員!出勤中に突然の雨でびしょ濡れになっちゃうし、電車はいつも通り満員だし、エナジードリンク片手に深夜3時まで残業だしでもう大変!おまけにブレーカーが落ちて、PCの作業データがぜ~んぶ消えちゃった!
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はー、やってられませんわこんな会社。(退職届バーン!!)
というわけで、オープニングから社会人の心を抉ってくる本作はスマホ向けアプリ『魔女のふろーらいふ』です。日々の激務に心身をやられた主人公が会社を辞め、癒しを求めて温泉旅行に行くところから物語はスタート。そして旅先での“とある出来事”をきっかけに、日本全国の温泉地を巡る旅に出かけます。
温泉地を巡る旅……いやーいいですね!筆者もよく「この週末は温泉とか行っちゃうか!」と考えますが、結局は家から出ずにゲームをしているだけで終わる日々。アプリのイベントを進めたり、某死にゲーのDLCに心身をすり減らしたりしているだけで週末は過ぎ去っていきます。
ならばゲームで温泉気分を楽しめば良いじゃない!――というわけで本稿では、6月に行われた『魔女のふろーらいふ』クローズドβテストのプレイレポートをお届けします。なお、βテストのためリリース版とは内容が異なる可能性もあることをご留意ください。
◆気ままな温泉地巡り……と思いきやファンタジー要素も!?
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さて、退職届を書くところから始まる本作ですが、署名欄がプレイヤー名の入力になっていたり、次に進むボタンが「私もう辞めます!」になっていたりとユニーク。操作を通して退職手続きを進めることで没入感を演出してきます。
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書き終えたら上司の机に置いて、後はさよならバイバイお疲れ様でした。場面は田舎風の駅に移り、切符を買って温泉地へと旅立っていきます。ICカードじゃなくて切符なのが情緒あって良いですよね。
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前半に心身の疲れを描いた反動からか、後半は解放感たっぷり。風情のある橋や立派な門構えのお宿といった旅先での風景を楽しみ、最後は待ちに待った温泉を堪能します。ここまでがオープニング映像で、これからの温泉地巡りに期待は高まるばかり。さっそく本編を進めていきましょう!
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はい、それではまずドラゴンと戦います。
やはり温泉巡りにドラゴンとの戦いは外せない!……と冗談はここまでにして、今さらですが世界観を紹介しておきましょう。舞台は現代社会ですが、人知れず異世界との繋がりがあり、魔法使いやらエルフやらがこちらの世界にやってくるというファンタジー要素が含まれます。
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実はオープニング映像にも続きがあり、温泉に入った主人公が「猫の姿」になってしまいます。その温泉には「願いを叶える魔法」がかけられていたようで、主人公の「猫になりたい」という願いを叶えてしまったのだとか。
元に戻る方法を求めてたどり着いたのは、温泉好きの女子高生「一條ゆのか」が管理する温泉旅館。そこに居着いた異世界最強の魔女「サピテトルー」たちとの出会いを経て、温泉に入ることで一時的に人間に戻れることを発見します。
魔法を完全に解くためには「温泉の力」に鍵があると考え、ゆのかたちが所属する温泉を楽しむ部活「ふろブ(温泉部)」の顧問に就職。こうして温泉巡りに旅立っていくわけ。心身を癒すための温泉旅行かと思いきや、旅の理由が大変でした。
◆ふろブとの温泉巡りはゆる~くて賑やか!旅の楽しさもバッチリ
というわけで、主人公の一人旅ではなく「ふろブ」のメンバーと一緒に温泉巡りへ出発!
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改めて「ふろブ」のメンバーは、天真爛漫で能天気な女子高生「一條ゆのか」、異世界からやって来て温泉の虜になった少し天然な魔女「サピテトルー」、ゆのかの幼馴染みでしっかり者の「芝原伊吹」、優等生だけどちょっぴり腹黒な部長「月坂八千代」、部の創設者で温泉オタクな先輩「瀬名川リリヤ」という5人の女の子です。
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ストーリーは基本、旅先で起こるふろブのドタバタ劇に巻き込まれていく感じ。個性豊かな女の子たちとのゆるくて賑やかな交流が描かれる、「ゆるキャン△」や「ぼっち・ざ・ろっく!」などの所謂“きらら系(まんがタイムきらら)”な雰囲気に近いです。
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醍醐味である旅行の雰囲気もバッチリ。登場するのは静岡県の修善寺や熱海、群馬県の草津など、実在する温泉地がモデルとなっており、現地の風景はもちろん、例えば熱海温泉の入口「熱海駅」や草津温泉のシンボル「湯畑」などの名所も再現されています。
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観光にまつわるお話も満載。熱海の有名な足湯「家康の湯」では、徳川家が代々熱海温泉好きで、熱海の大湯を御汲湯として江戸城に運ばせていたというエピソードを聞いたり、修善寺の湯はアルカリ性の単純温泉で、肌の古い角質を落としてくれる“美肌の湯”だという豆知識を聞いたり。
読んでいてためになるのはもちろん、この感じは実際の旅行に近いものがあります。名所によくある説明パネルとかを見て「へーそうなんだ」となるあの感じを味わえます。
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また、ご当地の名物も外せません。どんな名物やお土産が人気なのか、ふろブのみんなで食レポをすることも。さながら旅ロケ番組のようでもあり羨ましい!
◆ゲームシステムは「マッチ3パズル」!ピースを消すサクサク感が心地いい
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温泉を楽しむ一方で、サピテトルーを討伐するため現代にやって来る「異世界関係者」たちとのドタバタ劇も描かれます。最強の魔女であったためか、異世界では噂がひとり歩きし悪い魔女だと思われている模様。
冒頭で触れたドラゴンや討伐隊が襲ってきたり、魔法で温泉地の人々が操られたりします。ここで活躍するのが、サピテトルーが発明した相手の感情をなだめる力を持つ「湯道具」、ゲーム的に言えばバトルパートです!
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本作のバトルは“パズルゲーム”となっており、ピースをスライドさせて縦か横に3つ以上揃えると消える「マッチ3形式」を採用。ピースを消してダメージを与え、相手のHPを削り切ればステージクリア。逆に相手の攻撃でこちらのHPが無くなればゲームオーバーです。
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1チーム最大4人まで編成でき、4人編成なら盤面を4回操作可能。終わったら相手のターンに移り、相手の行動も終わったらまた自分のターンと繰り返すのが基本サイクルです。
ピースを連続して消すと、コンボ数が累積されて与えるダメージもアップ。属性の概念(本作では「湯色」と表現)もあるため、相手に有利な湯色でチームを組めば効率的に戦えます。またチーム編成とは別に、ステータスアップ効果や特殊なバフを発動できる「思い出スナップ」も6枚まで編成できます。
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パズルゲームお馴染みの要素として、横一例のピースを全部消したり、周囲のピースをまとめて消したりできる「スキルピース」も存在。一方でピースを消したり動かせなくしたりする「氷」や、残しておくとダメージを受ける「タコ」などの障害物も用意され、ステージにバリエーションを持たせています。
ピースを消していくとキャラクターごとの「奥義」を使用可能に。敵全体に大ダメージを与えたり、味方を一気に回復したりしながら、好きな位置にスキルピースを生みだせる強力な効果を持っています。
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キャラクターたちがバトルを盛り上げてくれるのもポイント!画面上部に3Dモデルが映され、攻撃や被ダメージでリアクションを取ったり、操作しないでいると反応を見せてくれたりと賑やか。特に奥義は演出付きです。
ピースを消すテンポも心地よく、オート機能や奥義演出のスキップ機能もあるためサクサク進めたい人にも嬉しい仕様。難易度はパズルの腕前というよりも、キャラクターの育成具合やチーム編成が大事だと感じました。
ミッション(例えば「残りHP30%以上でクリア」など)をクリアしたステージは、次からスキップが可能。育成素材系のステージも手軽に周回できるのが便利です。
◆猫になって温泉旅館を散策!
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異世界の人たちも基本的に良い人ばかりで、バトルでなだめた後は誤解が解けて友好関係になることも。ガチャでは仲間に加えることができ、ふろブのメンバーも含めてトークアプリ風の画面で交友を楽しんだり通話したりできます。
また、キャラクターたちはゆのかが管理する温泉旅館に遊びに来てくれることも!館内は自由に移動でき、キャラクターのところまで行ってプレゼントを贈ることができます。
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移動中の外見は猫のまま。中庭でくつろいだり、客間を動き回ったり。そして、温泉エリアでは入浴を楽しむことも可能!
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温泉に浸かるとバフ効果も発生し、例えばバトルで獲得できるアイテムの数が増加。温泉ゲームらしく、入浴することでお得にゲームを進められるわけです。これは毎日温泉に入るしかない!
というわけで、『魔女のふろーらいふ』クローズドβテストのプレイレポートをお届けしました。最初は「ゲームで温泉気分を味わえば良いじゃない!」と言っていましたが、温泉地を満喫するふろブを見ていると、やはり旅行欲がくすぐられます!本作で興味を持って、実際に修善寺や熱海に行こうとするプレイヤーも間違いなく出てくることでしょう。
そんな『魔女のふろーらいふ』ですが、配信時期はまだ不明。ゲーム以外にも、プロジェクト第1弾としてノベル作品が販売中のほか、公式X(旧Twitter)では4コマ漫画も公開されているので、それらの媒体で本作の世界観をチェックしてみてはいかがでしょうか。
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