■ 今、LAMが注目するクリエイターとは誰なのか。そしてこれから活動についても明かす
――以降はLAMさんのこれからについてお聞きしていこうと思います。ただ、まずは最初にLAMさんが現在ご注目されているクリエイターがいればぜひお聞きしたいなと。
LAM:いつも一緒にお仕事させていただいているアーティストのKanaria(@Kanaria390)さんがいらっしゃるんですけど、Kanariaさんの『BRAIN』という曲のアニメーションMVを担当していたodyk(@odyknms)さんです。
odykさんのアニメーションMVが凄く素敵で、短いアニメーションをたくさん量産して、それをコラージュしていくみたいに動画を作っていく方なんですけど、一つ一つのカットが全部可愛くて。僕の書いたKanariaさんのデザインをデフォルメしてたくさん動かしてくださって、メチャクチャ感激しました。だから今注目している方はodykさんですかね。
――今後LAMさんが挑戦したいプロジェクトの領域はありますか?
LAM:あります!
よく周りから「なんでそんなに頑張れるの?」「ずっと締め切りに追われていてなぜ平気そうな顔をしているの?」みたいなことを聞かれます。先ほど“楽しさ”についてお話しもしていましたが、厳密には“好奇心が原動力”なんです。
「画集が出たらどんな気持ちになるんだろう」「個展をやったらどんな気持ちになるんだろう」「フォロワーが100万人になったらどんな気持ちになるんだろう」って好奇心がクエストボードみたいに見えていて、そこにあるクエストを取っていくのが楽しいんです。トロフィーを取っていくみたいな。
それが自分のモチベーションになっているので、まだ取ったことのないトロフィーは全部挑戦してみたい領域です。ただ強いて言うなら......“ゲーム作りたい”です。ゲームのお仕事はさせていただいていたんですけど、それとはまた別で。
僕はインディゲームとかも好きでゲーム実況とかもよく見ますし、やっぱりゲームがずっと好きなんですよね。個展・画集っていう節目の2024年を終えて、2025年になってからどうやって生きていこうかなって思っているんですけど、そうなったときに「ゲーム作ってみたいな」って。あとは漫画も描きたいですし、映画にも関わってみたいな。“やったことがないことは全部やってみたい”ですね。
――“ゲームを作りたい”というのはどういったジャンルでやってみたいとかあるんでしょうか?
LAM:僕は「シミュレーション」や「アドベンチャー」が好きなんですよ。でも、なんでも良いですけどね......。ゲーム全般好きなんです。
インディゲームの良いところって人数が少なかったり、一人で制作したりとかありますよね。『UNDERTALE』も好きなタイトルで、あれも一人で開発されています。
やっぱりそうした濃い成分で作られた作品って制作者の美学が色濃く出てたりして、大人数で作られたゲームとはまた違った良さがあると思います。クオリティに関係なく、熱を込めたものを自分たちの手で作って「どうですか?」って出すまでを、個人でやってみたいな。
――やっぱりいろんなクリエイターさんたちと集まっている規模感でやられるのが楽しい?
LAM:そうですね!というか、僕自身出来ることが絵を描くことしかないので。プログラミングはできないし、プログラミングを勉強する時間があったら、プログラマーの友達に書いてもらって、僕は絵を描いた方がいいんじゃないかって思っちゃうタイプなんですよ。
僕はパソコンにも疎いんです。昨日も新しいパソコンを買うために友人に相談して「これを買いなさい」「分かりました」なんてやり取りをして、URLを送ってもらってポチるみたいな(笑)。
素人の僕が色々調べるよりもプロに聞こうって。そういう性格をしているので「餅は餅屋」みたいな感じです。逆に言うと「絵のことなら全部やるよ!」っていうところがあるので。今回の画集も個展もそうですが、「雷雷公社」の4人でずっと活動してきています。その中の"看板担当、イラスト担当"という自覚を持ってやっていますし、そういう関係性が好きですね。周りに助けてもらいながら生きてます。

――でもそのLAMさんのイラストに助けて貰っている人もたくさんいると思います。
LAM:そうだと良いんですけどね......。僕はもういつも感謝してばかりです。
――LAMさんにイラストをお願いしたいって人はたくさんいるでしょうし、我々も個人的にとても好きです。
LAM:ありがとうございます!僕はチームで何かをするのが好きっていうのが話の全体を通してもあったと思うんですが、やっぱりお仕事相手の方にも「得」をしてほしいんです。「頼んで良かった」でも良いですし、僕に頼んでくださった施策が成功して、その方が上司に褒められて出世したら僕も嬉しいです。
だからお仕事をいただけるのはとても嬉しいことですし、託された以上はその人とタッグじゃないですけど、その人にも会社さんにとってもメリットがあるビジネスじゃないとダメだなって。会社員をやっていたからでしょうか。なので、一個一個の仕事をするたびに、色んな新しいチームでやる感覚で仕事をしているかもしれないです。
画集も大場さんが“ベスト画集賞”みたいなもの?を取れて表彰されたら嬉しいです。......そういうのあるんですか?(笑)。
一同:(笑)。
LAM:そもそも個展をやらせていただいたり、画集を出させていただけるというのが僕にとってハッピーじゃないですか。相手にも僕と一緒くらいの嬉しさがあると、なおハッピーです。
――最後にLAMさんの作品から日々刺激を受けているファンの方々へメッセージをお願いします!
LAM:「締め切り」という名の砂時計が、常に5~10個くらい見えている状態で、この5年間を生きてきました。寝ても覚めても料理をしてても、トイレに行っててもその砂時計は消えることがなく、ずっと締め切りが迫っている。一生泳ぎ続けているなぁと。シャトルランをずっとやっているような感覚でここまでがむしゃらにやってきました。

幸いなことに絵を描くことが楽しすぎて、それは苦ではなかったです。気が付けば体力も付きましたし、たくさん泳げるようになった5年間だったんです。その過程で多くの人や作品との出会いにも恵まれました。その集大成となる個展が11月に池袋で始まりますし、その集大成を凝縮した初めての画集が、PIEさんから10月23日に発売されます。僕にとって2024年から2025年にかけては、セレモニーのような記念すべきタイミングになったなと思います。
僕自身、魂を込めて大事に作った個展ですので、足を運んでもらえたら嬉しいですし、どこに出しても恥ずかしくない自分の分身のような画集もできましたので、ぜひお手に取っていただきたいです。ネット越しに絵を見るのではなく、手にとってはじめて伝わる本の魅力、足を運んではじめて感じる空間としての個展の面白さなど、そういった点を大事に取り組んできました。僕のファンの方も含めて、来て・見て・買ってくれ!と思っています!
――本日はありがとうございました!