2025年2月28日(金)に発売を迎えたシリーズ最新作『モンスターハンターワイルズ』。その前日となる2月27日(木)に「発売前夜イベント」が実施されました。
登壇者は辻本良三氏、藤岡要氏、徳田優也氏ら制作陣に加え、自身もシリーズファンであることを公言している俳優・西野七瀬さん。
今回、西野さんは久々に登場するモンスター・イャンクックの狩猟に挑戦したほか、シリーズへの愛を報道陣の前で語り尽くす一幕も。本稿ではこのイベントをレポートします。
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◆拠点とフィールドをシームレスに行き来できる
まずは辻本氏、藤岡氏、徳田氏がステージに登壇してオープニングトークへ。徳田氏が本作の企画書を制作したのが『モンスターハンターワールド』のタイトルアップデートを作り終えたタイミングだった2019年の冬だったそうで、開発・企画の段階から6年くらいかかっているのだとか。
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開発で印象に残っていることが話題になると、藤岡氏は「全部」「全てが大変だった」とコメント。本作では作品世界に生きる人たちやモンスターの群れを描くといったコンセプトがあり、人の生活感やモンスターの生物感を描くことにこだわっていたそうです。
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また、発売が数時間後に迫っていることについては、徳田氏がやっと発売を迎えられるとここまでの感慨を語る場面も。
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新たなシステムや新モンスターについては、ストーリーとそれに関するゲーム体験、そしてハンターたちが生活する拠点とモンスターたちが生きるフィールドがシームレスに繋がっている点が今回こだわったポイントだという話がありました。
クエストを受注して拠点とフィールドを行き来するところ、シームレスに拠点とフィールドとを行き来可能になったことで、モンスターの討伐後もフィールドの環境が変化しその時その時にしか見られない瞬間が生まれているとのこと。
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その後は本作のメインモンスター・アルシュベルドが話題に。会場内にアルシュベルドの装備が展示されていたのですが、こちらは甲殻がファーに混ぜ合わせられているようなデザインが特徴になっているそうです。徳田さんはゲーム中でもマントがしっかり動くこと、性能面でも変わった装備が付いていることに期待してほしいと語っていました。
◆本作では群れで行動するモンスターも!?
オープニングトークがひと段落したところで西野さんが登場。まずはシリーズ経験を尋ねてみると、『モンスターハンター4』から継続してプレイされていることが明らかに。続いて、西野さんが出演されているTVCMについての話も伺うことになりました。
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このCMの出演オファーが来た時には嬉しかったそうで、自分の好きなことにお仕事で関われる幸せを感じられたのだとか。また、この映像の中で「大タル爆弾!」といってタル型の家具を西野さんが投げて転がす場面があるのですが、なんとそんな大タル爆弾を実寸大で再現したアイテムがステージに運び込まれる一幕も。
これを見た西野さんは「※(自分と)同じくらいですよ」と発言。そのサイズに大変驚いており、本作が発売されたら積極的にゲーム内で使っていくと語っていました。続いて発売日の予定を伺うと、当日はお仕事があるものの事前にインストールしてあるのでこの後帰宅したらすぐにプレイしたいとのことでした。
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続いて本作で再録した楽曲「英雄の証」を用いた映像を見ていき、いよいよ西野さんによるイャンクックの狩猟へ。今回は辻本氏がサポートに入ってくれました。西野さんは元々ハンマーをよく使っているそうですが、本作で狩猟笛にチャレンジしようと思って練習されていた模様。
イャンクックは初代の『モンスターハンター』から登場しており、本作で久しぶりに復活を果たしたモンスター。新米ハンターの最初の関門としても知られており、“先生”と呼ばれることも。しかし、徳田氏から本作では別の先生役がいるとの発言が。本作における最初の関門は一体どのモンスターが務めているのでしょうか。
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実際にフィールドへ移ると、セクレトに騎乗してモンスターの下へオートで移動する本作ならではの機能や、モンスターたちが生きる森の光景や生態などを紹介する場面が見られました。また、辻本氏が群れで行動するイャンクックを見せてくれる場面も。
途中、狩猟の最中にも料理ができると聴いた西野さんが実際に試してみるお茶目な場面などで会場が和やかな雰囲気に包まれる一幕がありましたが、最終的に4体ものイャンクックと大立ち回りを演じ無事に狩猟成功。
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その後、タマミツネの実装など今後の本作の展開を明らかにしていきました。タマミツネ以降は歴戦のさらに手ごわいモンスターや挑戦的なモンスターの実装を計画しているそうなので、続報のチェックをお忘れなく。そして、東京都庁とのコラボ「『モンスターハンターワイルズ』AR 都庁襲来」や「モンスターハンター20周年-大狩猟展-」の情報も見ていき、本イベントは幕を閉じました。
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イベント終了後に西野さんへの囲み取材があり、「自宅でゲームする時のお気に入りの場所」「CMのキャッチコピーになぞらえて今夢中になっているもの」などの質問が投げかけられました。「どんなモンスターを飼ってみたいか」の質問では、ジャグラスやトビカガチがピックアップ。他にはマガイマガドの名前が挙げられていました。
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思い入れの深いシリーズ作品は『モンスターハンター4』だそうで、ゲリョスには苦戦した記憶があり、当時グループ活動していたメンバーと走り方を真似していたと語っていました。
◆制作陣への囲み取材の模様をお届け!
以下より、イベント終了後に実施された制作陣への囲み取材の模様をお届けします。
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――いよいよ発売を迎えます。これから本作を遊ぶハンターのみなさんに、まずは本作のどこに注目をして欲しいかをお教えください。
辻本氏:本当に自由な形で遊んでいただければと思います。ゲームを始めるとストーリーの導入が入ってくるので、そのあたりで本作の雰囲気を味わってもらえるはずです。そこから冒険が始まるワクワク感を体感していただけたらと思います。
藤岡氏:素直にこの世界に入り込んでもらえると嬉しいです。物語を楽しみながらゲーム性に徐々に慣れていくような作りになっているので、まずはストーリーを楽しんでみてください!
徳田氏:ストーリーを遊んでいてゲーム的に取り返しの付かない要素はないのですが、キャラクター同士の会話などその時にしか聴けないものが一部あります。そういった会話や設定が好きな方は色々なNPCに話しかけるとより深く楽しめるかなと!
――遊ぶ時に注目してほしいシステム的な要素もお教えください。
辻本氏:セクレトはやっぱり移動から何から本当に便利なシステムになっています。今日のプレイでもお見せしましたが、ピンチになった時に飛び乗ったりだとか、ゲーム中でも多く出てくるシステムだったりしますので個人的には注目してもらいたいです。
――初心者の方もおられると思います。そういった方々へアピールするポイントは?
辻本氏:『モンスターハンター:ワールド』以降、僕たちも色々なデータを見られるようになりました。それをしっかり分析して、初心者の方がどこで迷うのか、なぜそこでやめてしまったのかを研究しました。その理由に仮説を立ててケアすることを今回はやっています。『モンスターハンター』の醍醐味は変えていませんし、そこに辿り着くまでのスムーズさに気を遣った感じです。プレイしつつゲーム内のレクチャーを見ていただければ、『モンスターハンター』の面白い取り組み、モンスターとの駆け引きの部分に必ず辿り着けるようになっています。初心者の方にもぜひプレイしていただきたいです。
――このモンスターには注目して欲しいというものはありますか?
辻本氏:僕はアルシュベルドです。ストーリーにもかなり関わってきますのでお楽しみに。
徳田氏:ヌ・エグドラという蛸のような特徴をもったモンスターですね。『モンスターハンター 3』の頃からこういったモンスターは作りたいと思っていたのですが、技術的に地面に脚をたくさん這わせるというのが難しくて、今回やっと実現できました。サウンドとかも含めてかなり迫力があるので注目してください。
藤岡氏:まだあまり言えないのですがラスボスですね。ぜひ見ていただきたいです。今まで経験したことのないタイプのモンスターに仕上がっていると思います。
――メインモンスターであるアルシュベルドについて、もう少し詳しくお願いします。
藤岡氏:メインに据えるモンスターはかなり時間をかけて考えるようにしていて、シリーズを通して特徴的じゃないとダメなんだけれど、ずっと長くシリーズと関わる以上は付き合ってほしいモンスターになるので、何回遊んでも楽しい空気感に馴染むことを大事にデザインしています。アルシュベルドは刃のようなものを持っていたりするのですが、この世界に馴染んだなと思っています。存在感のある良いモンスターに仕上がったなと。
――これまでのシリーズと本作とで盛り上がりに違いはありますか?
辻本氏:今回は凄く盛り上がってもらえている感覚があります。発売まで各国を回ってコミュニティの方やメディアの方にお会いしたのですが、本当にグローバルに盛り上がっている感覚があります。そういう盛り上がりはプライベートな時間でも感じることができるくらいです。
徳田氏:『モンスターハンター:ワールド』の頃はまだ海外での知名度は低かったのですが、今回はドイツに入国する時に『モンスターハンター』を作っていると話すと「あれは良いゲームだ」と言ってもらえたりして、知っていることを前提にして色々なことを聴いてもらえるようになったなと感じています。
――モンスターと人との共存描写へのこだわりについてもお願いします。
徳田氏:今回は人とモンスターの関係性、人も含めた『モンスターハンター』の世界を描いてみたいと考えていました。色々な形で生活している人たちにハンターとして関わっていくことで、結果的にハンターとはどういう存在なのかを体感できるストーリーだてのゲーム体験にしようと考えたのが出発点になっています。なので生活をしっかり描いて、より没入感を高める部分に時間とコストを割いて制作しています。
――食事シーンもこだわられていましたよね。
藤岡氏:美味しそうとか単純に感情が揺さぶられるような描写にはかなりこだわっています。キャベツひとつでも美味しそうに見えるように、素材をどう描くかを大事にして時間をかけました。『モンスターハンター』では人の生活感も大事に描いていますし、働いたら美味しいものが食べたいよねっていう単純な欲求をなるべくビジュアルにしたいと思ってやれるだけやってみました。
――イャンクックを再登場させようと考えた理由は?
徳田氏:今回はモンスターの群れや自然の豊かさや厳しさを描いていきたいと考えていて、イャンクックを登場させるとするならばそこと上手く合致するんじゃないかと考えました。これまでの先生というポジションではないのですが、そうではない形で出してユーザーとしても旨味があるポジションに再定義して出そうとなり、再登場が決まりました。
――今回の先生役はどのモンスターになるのでしょうか?
徳田氏:色々なアクションを学ぶ存在としてはチャタカブラが点の攻撃をしてきて、その後ケマトリスが範囲攻撃をしてくる。そしてカメラ操作はラバラ・バリナが旋回してくる。いわば先生役が分割されているので、より自然に狩りのノウハウを学んでもらえる設計にしています。
――ありがとうございました!
◆会場展示物のフォトレポートもお届け!
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