最初にブッシュネル氏の講演でも紹介された「Space War」の映像が上映されます。今から考えると非常にシンプルなゲームですが大墻氏はここから2つの重要な点を指摘します。まず1つはプログラムというコンピューターに精通した人にしか入り込めない世界に物語を持ち込むことによって、誰もが遊べるようにしたという点です。もう1つは余り技術に拘ることに熱中しなかったという点です。作者のSteve Russel氏に続いてこのゲームを改造した人は数多く、その中には例えば重力計算を入れたものもあったそうですが、それらは技術的には素晴らしいもののゲームとして楽しめるものではなかったそうです。
大墻氏の専門はテレビですから話はテレビの方面に行き、「テレビ番組でも同様で、NHKでも技術開発は行われているけれど最新のすごい技術を使ったとしても、必ずしもいいモノになるわけではない」と指摘しました。そして「エンターテイメントは先端技術を大衆に広めるパワーがある。ハイビジョンも凄いけど、オリンピックを見たいとか綺麗な映像が見たいとか、そういうエンターテイメント性の高いものが牽引していくのではないか」と述べました。
「新電子立国」に関しては今回の話で10年ぶりに映像や本を見たそうですが、「自分で言うのも何ですが結構面白かったんです。その理由を考えると、取材していただいた方たちが非常に意欲的、非常に強い好奇心を持った人達が、最新技術に凄い熱意を持って取り組んでいる。それが面白かったんじゃないかと思います」と述べていました。