■団体部門作品
No.1 虫 HOW?(たまごちゃん/電気通信大学)
リストバンドを通して、腕を蟻がはい回る、むず痒い感触を再現した奇天烈な作品。リストバンドには大人用が32個、子供用は20個の振動モーターがついており、最大20匹までの「蟻体験」ができる。本選では腕を振ったときに蟻が画面上に落ちるアニメーションが追加され、よりわかりやすくなった。蟻がはい回る感触に、若干痛みを感じる人もいたことから、ブラシの素材をステンレスワイヤーからテグス製に変えて、痛みをなくしている。プログラムの改良で蟻の動きもより多彩になり、腕の向きを上下に変えることで、たくさんの蟻を動き回らせられるようになった。さらに「台所などでよく見る、素早くガサゴソと動く黒いヤツ」が登場し、悪趣味度もパワーアップ。ブルートゥースなどを用いて、デバイスをワイヤレスにするなどの課題について話していた。
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No.2 HOP AMP(ライトフライヤー/筑波大学)
市販のトランポリンに映像効果を付け加え、数十倍の脚力でジャンプしているような感覚が得られる作品。映像には3Dで作られたビル群と、グーグルアース版の二種類がある。後者ではパリのエッフェル塔広場から連続ジャンプすることで、次第に高度が上がっていき、最後には衛星軌道上まで到達する仕組みが加えられた。スコアの要素が加わったことで、何度も遊ぶ動機付けになっているのがミソだ。ただしCGはリアルタイムレンダリングではなく、高度ごとに用意した画像をアニメーション再生させている。予選では200枚だった画像を、本選ではビル群版で600枚、グーグルアース版で2000枚に増やし、より滑らかで高い高度まで飛べるように工夫した。PCのスペックを上げれば、リアルタイムレンダリングで、ジャンプ中の着地点移動なども可能になるという。
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No.3 Heaven’s Mirror(神様用鏡で遊んでみませんか?)
(Stamwoo/東京工業大学大学院)
鏡の世界とインタラクションできる作品。予選大会時から1作品が加わり、全3作品での集合展示という珍しい形態となった。追加作品では合わせ鏡の原理を利用しており、ちょうつがいの部分に小鳥や蛙などの模型を載せてから、左右の鏡をV字型に閉じていく。鏡の角度が大きくなり、左右に写る模型の鏡像数が増えるにつれて、模型に合わせた鳴き声が鳴り、どんどんその数が増えていくという仕組みだ。角度の検出には可変抵抗を用いている。鏡を前後に回転させ、磁石を用いてモノを滑らす作品では、加速度センサーからロータリーエンコーダーに変えることで、より精密に移動させられるようになった。左右に回して物体が折れ曲がる感覚を表現した作品でも、ゴムのような材質が折れ曲がる感覚が加わった。アナログ感とデジタル感がうまく融合している。
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