『DS西村京太郎サスペンス』『DS山村美紗サスペンス』を手がけたテクモと、『ウィッシュルーム 天使の記憶』『アナザーコード 2つの記憶』を手がけたCINGがタッグを組んだ新作が『AGAIN FBI超心理捜査官』。12月10日の発売を前に体験する機会をいただきましたので簡単にレポートします。
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1ドル札の裏、プロヴィデンスの目 |
主人公はジョナサン・ウェーバー、通称ジェイ。描かれるのは19年前に発生したプロヴィデンス連続殺人事件。全く繋がりのない5人が殺され、手がかりはなく全て迷宮入りになった伝説の難事件。それが19年の時を経て、「再び人を殺すよ・・・」という挑戦状がジェイの元に届けられます。再び発生する連続殺人事件。19年前との関係は? 犯人は同一人物? 事件を繋ぐ真実とは? 本格ドラマ仕立ての壮大なサスペンスアドベンチャーです。
ゲームは捜査パートとパストヴィジョンパートからなります。捜査パートでは助手のケイト・ハサウェイと共に、関係者からの聞き込みなどを通じて手がかりを得ていきます。そしてゲームプレイの中核をなす「パストヴィジョン」というシステム。ジェイは事件現場に立つと、過去を見ることができます。左画面には過去(事件当時)、右画面には現在。現在に過去を再現することによって事件当時を映像として見ることができます。2つを通じて事件の真相に迫ります。
パストヴィジョンパートでは、過去と現在を見ながら、怪しい相違点を探していきます。見つけた後は相違点を解消することで過去を見ることができます。例えば、時計の針をパストヴィジョンで見えている時間に合わせる、摩り替えられている額縁をパストヴィジョンで見えているものに戻す、といったアクションです。ジェイの特殊能力は怪しい場所を見抜きますが、体力を消費するため、回数に限りがあります。細心の注意で捜査を進めなければなりません。
事件の情報を手に入れながら想像を膨らませる捜査パートと、頭を悩ませながらピースを繋いでいくパストヴィジョンパートの組み合わせが何とも心地よいテンポです。
そしてこの『AGAIN FBI超心理捜査官』、近年人気の海外の連続ドラマのように、とにかくカッコいい。場面転換、移動、会話、一日の終わり、随所に痺れる演出が散りばめられます。登場人物も素敵です。ジェイがクールにも、心は熱く真実に迫っていく様子もカッコいい。個性的な脇役陣も味があります。ちなみに全ての登場人物は俳優さんの実写をベースに独特の加工を施したデザインで、こちらも大変クール。
そしてアドベンチャーゲームをお得意とする両社だけあって、遊びやすさも一級品。インターフェイスに悩むことはありません。難易度設定も、序盤は迷わず楽しめ、中盤以降は悩んだ末にヴィジョンに映る真実にゾクゾクすることができます。ここまで言うと提灯持ちのようですが、会話を進めるために画面をタッチする動作も心地良くなってきます。
まさに続きが読みたくなるサスペンスアドベンチャー。じっくり作りこまれた骨太のアドベンチャーを楽しみたい方、海外ドラマが大好きだという方には特にオススメです。発売は12月10日です。
インサイドでは、本作の山口プロデューサーによる公式ブログも展開中です。ぜひこちらもチェックしてみてください。