Game Developers Conference 2010初日の火曜日、今年からラインナップされた「iPhone Games Summit」でUnity TechnologiesのTim Higgins氏が「Fastest Path from Concept to Top Paid」(コンセプトから最も稼ぐアプリまでの最短距離)と題したセッションを行いました。
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急成長を遂げるUnity Technology | Tim Higgins氏 | 現在では社員60名 |
Higgins氏は同社のプロダクトエヴァンジェリスト。製品を広く広めるのが仕事です。Unity入社前はマクロメディア(後にAdobo)に在籍しました。自身は大のゲームジャンキーであり、プログラマーとして経験を積んできたそうです。Unityは現在本社をサンフランシスコに置きますが、Higgins氏は5人目の従業員で、北米では最初の従業員だったそうです。
Unity Technologiesの創業は僅か4年前ですが、現在では60名余りのスタッフを抱えます。誰もがゲームを、あらゆるプラットフォームに向けて開発できる環境を構築する、というコンセプトを掲げ、ベンチャーキャピタルからの投資も受け、今後も積極的な展開をしていくとしました。
「Unity」はマルチプラットフォーム対応のインタラクティブコンテンツ開発ツールです。その使用は直感的に可能で、様々なアセットを組み合わせていくだけでもゲームが開発できるような仕組みになっています。特にライブプレビューの機能では、開発環境で変更を加えたものが、リアルタイムに実機で反映し、開発効率を大幅に向上させます。対応プラットフォームiPhone、Wii、Xbox360、PCに加えて、昨日の発表にもあるように、新たにPS3、iPad、Androidが追加されています。また、ブラウザにUnity Web Playerをインストールする必要がありますが、ブラウザ向けのコンテンツも開発可能です。これらは同じソースで、出力先を変えるだけでプラットフォームを超えた開発ができます。
特にiPhone向けの開発では多くの実績があり、これまでに500タイトル以上がApp Storeで公開されているそうです。Higgins氏は「Unity iPhoneはApp Stroreで稼ぐための最短距離である」と述べていました。会場ではデモが行われ、PC上で開発環境とプレビューが同期する様子や、「Unity Remote」を使って、iPhoneの実機にワイヤレスでデータを転送し、こちらもリアルタイムに同期する様子が披露されました。
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最後にHiggins氏はサクセスストーリーとして幾つかのゲームを挙げました。『Way of the Warrior』はプログラマ1人とアーティスト2人とオーディオ1人で開発されたゲームですが、2人はWindowsで、2人はMacで制作したそうです。通常iPhone向けゲーム開発はMacでしか行えませんが、「Unity」があればこのような手法も可能になります。また、『Zombieville USA』はなんと1人がたった5週間で開発したゲームですが、2009年の1年間、ずっとApp Storeの上位100位に入っていた唯一のゲームだったそうです。
iPadにも初日から対応するという「Unity」。夏にはバージョン3.0がリリースされる予定だということで、今年は更に注目を集めるゲームエンジンになりそうです。
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iPadのサポート | Unity 3.0 |