発表会にはDeNAのCEOである守安功氏(左)とBDNAのCEOに就任するバンダイナムコゲームス副社長の鵜之澤伸氏が登壇し、両社がこれまで取り組んできたソーシャルゲームの軌跡や今後の意気込みについて語りました。
両社の取り組みはまず2010年7月15日までさかのぼります。バンダイナムコゲームスは当時まだ「モバゲータウン」だったMobageのサイト内に年間タイアップコーナーを設け、『パックマン』や『ゼビウス』『ニューラリーX』『ギャラガ』といったファミコン時代の名作ゲームを携帯向けタイトルとして無料で提供しました。
その後両社は共同でソーシャルゲーム『ガンダムロワイヤル』を開発し昨年12月にリリース。するとサービス開始からわずか6日間で100万ユーザーを獲得し一気にMobageの人気タイトルに躍り出ました。現在のユーザー数は約300万人で、鵜之氏によれば仮想アイテムなどの売り上げ額がこれまでのバンダイナムコゲームスのソーシャルゲームと「ケタ違い」で、腰が抜けるほどビックリしたとのこと。特に正月・元旦の売り上げがすさまじく、「DeNAのノウハウを持つ開発スタッフと一緒にソーシャルゲームを開発するとこんなにできる」と感嘆を隠しませんでした。この『ガンダムロワイヤル』の開発・提供を通じて両社は「お互い持っていないものがある」と感じたとのこと。特に鵜之氏はバンダイナムコゲームスにはソーシャルゲームのマネタイズ力やデータ分析のノウハウが足りないと感じたそうで、それが新会社BDNAの設立につながったそうです。
尚、新会社BDNAでは今秋に再びガンダムを起用したカードゲーム形式のソーシャルゲーム『ガンダムカードコレクション』と、ヴァーチャルペット育成ソーシャルゲーム『モバゲーであそぼ!!たまごっち!』の提供を予定しています。鵜之氏曰く特に「たまごっち!」には期待しているそうで、「たまごっちの第一次ブームを経験した女子高生が現在はママさんになっている。子育てが一段落した今、またMobageで仕事や家事の息抜きに遊んでもらえれば」と抱負を語りました。また守安氏は「バンダイナムコのキャラクタービジネスはまず世界中でアニメを無料で見てもらい、その後で玩具を買ってもらうという”フリーミアム”な考え方。そうしたモデルがソーシャルゲームのアイテム課金の原点だと思うので、今後はそれも応用しながらやっていきたい」と語りました。
次に守安氏は国内外のソーシャルゲーム市場について説明。氏によれば、2009年10月にDeNAが内製ソーシャルゲームをリリースしたのを機にモバイル主導でソーシャルゲーム市場が急拡大したとのこと。
現在の国内のソーシャルゲーム市場は約2000億円規模ですが、守安氏はWebブラウザ向け及びネイティブアプリのソーシャルゲームに加え、今後はハイクオリティでコアゲーマー層を取り込めるタイトルも出現し、2012~2013年頃には約3000億円規模まで成長すると見込んでいるとのこと。
一方、世界のソーシャルゲーム市場は現在約4000億円規模で、その半分を日本が占めています。加えて海外ではFacebookなどPC向けのプラットフォームが中心となっているため、モバイル向けのソーシャルゲームに限れば日本が7、8割を占めています。しかし守安氏はこの現状を「おかしい」と思っているそうで、「世界にも日本人と同様の志向のユーザーが大量にいると思っている。将来的にはコンソールゲーム市場と同じように国内15%、海外85%というマーケットにできるのではないか」と語りました。
最後に両氏はBDNAの概要を説明。同社の出資比率はバンダイナムコゲームスが75%、DeNAが25%とあまり見たことのない比率になっていますが、これは「Mobageのプラットフォーム手数料を考慮するとこういう比率になった」とのこと。しかし鵜之氏は「出資比率は75:25ですが精神は50:50。どちらも同じ気持ちで取り組んでいきます」と意気込みを語りました。また守安氏も「DeNA自身はプラットフォーマーですが、ソーシャルゲーム市場は1社だけでは開拓できません。様々な企業にご協力頂いて一緒に攻めていきたいと思っています」と呼びかけました。
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