DeNAがブースを構えるのはSCEブースの斜向かい。規模としてはSCEのそれには及ばないものの、比較的大きなスペースに出展しています。31日は平日ということもあり、来場客の数はまだまだ少なめということで、それほど混雑はしていないものの、コンパニオンのステージイベントには多くの人がカメラを片手に押し寄せていました。
今回は、DeNA ChinaのVice PresidentであるLou Fei氏にお話を聞くことができたので、簡単に同社の戦略や展開状況を聞いてみました。
まず、台湾での状況ですが、2012年10月に台湾最大のポータルサイト「Yahoo!奇摩(ヤフー・キモ)」と提携し、順調に会員数を伸ばしているとのこと。現在は100万人を突破し、「かなり速いペース」だとLou氏は話していました。なお、既に中国本土でも既に展開中(簡体字版)で、今回出展されているのは繁体字版(台湾・香港・マカオ向け)です。
会員数の増加について、日本のようにTVCMなどで展開しているのかと尋ねたところ、「一切やっていません。主にバイラル(口コミ)の効果が大きい」と話していました。この勢いをさらに高めるべく、実際にゲームショウに出展し、直にゲームを遊んでもらおうと考えているということです。
ブースの設計にもその思想を反映しており、SCEが行うようなステージイベントはなく、特設のステージではコンパニオンとゲームを楽しむことができるようになっています。これについては「我々のゲームは、コンシューマ向けとは違い、買ってもらって終わりではありません。むしろいかに長く、引き込むかが重要です。だからステージもブースの内側に作り、お客さんを呼びこむだけでなく、コンパニオンとゲームを通じて遊べることで、より引き込もうと考えています」と語りました。
なお、人気のタイトルとしては、日本でもおなじみの『神撃のバハムート』『逆襲のファンタジカ』といったタイトルは現地でも同様の人気を博しており、今回のブースでも多くの人に楽しんでもらえるようにしているとのこと。また、同社の上海スタジオが制作した『忍者天下』も人気だということです。
現在台湾向けに展開中のタイトルは20数タイトルで、日本と中国のSAPが半々程度だといいます。OS別では、Android向けが20数タイトル、iOS向けが10数タイトルとなっています。台湾でのシェアは、日本とほとんど変わらずAndroidが6~70%を占め、残りがiOSとなっているそうです。
同社の方針として、それぞれの地域特性に合わせた展開をしており、収益性の違いなども鑑みて、UIのの変更やイベントの組み合わせを行っています。また、ロンチと同時にコアタイトルを全て提供するのではなく、トライ&エラーを繰り返しながら、そこで得たノウハウと、市場の様子を見ながら順次投入していくということです。
また、日本のSAPについても話を聞いたところ、Lou氏個人としては日本のSAPには中国市場で展開するにあたり「3つの懸念」があると話していました。まず1つ目にLou氏があげたのが「市場規模への懸念」です。果たして本当に規模が大きくなっていくのか、利益を上げられるのかというところがあると話していました。次に「著作権侵害への懸念」です。そして最後にあげたのが「本当にMobageを通じて配信するのが良いのかという懸念」だといいます。
まず1つ目の「市場規模」ですが、やはり日本の市場規模が大きいため、一朝一夕で追いつくことは難しいとしながらも、人口や端末の普及スピードなどを考慮すれば、「まだまだ開拓の余地はあり、成長市場であるからこそこうして力を入れている」と語りました。また、「著作権」の問題については同社も細心の注意を払って取り組んでいるといい、今回のイベントで使用される『神撃のバハムート』のノベルティグッズ製作時には、問題が起きないように密に連絡を取りながら、作業を進めていると話していました。最後の懸念については、Mobageを通じて配信することで、「リスクをより低減出来る」という認識を示しました。やはり、海外展開には多くのリスクがあるものの、既に1,000万人を超えるプラットフォームに提供することでそれを回避するだけでなく、ユーザーの傾向や、市場の特性など、蓄積したデータとノウハウを共有することで、より効率的な展開ができると話していました。
今後の繁体字版の展開について「現在100万人以上いる会員を500万人までに引き上げるたい」と語ったLou氏。本土の簡体字版で培ったノウハウを共有しながら、相互補完的に市場を拡大していきたいと意気込みを語ってくれました。
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