現在我が家にはPS2とPS3があります。コントローラーはDUALSHOCKシリーズで、方向キーと□△○×、L1L2L3R1R2R3、アナログスティック×2、スタート、セレクト。今でこそこいつらをガチャガチャと繰って某スタイリッシュヒーローアクションの足軽やら武将やらを蹴散らしたりしているわけですが、この据え置機たちは嫁入りしてからわずか2、3年ほどしか経っていません。前妻は、驚くなかれ!ファミコンなのだ。
私にとってファミコンでの戦いといえばゲームの中よりも、もっぱらセッティング時の方が苛烈だった気がします。『スーパーマリオブラザーズ』に至っては起動までに3回は「ふーふー&差し直し」を行い、無事に始まっても油断はなりませんでした。甘くなったBボタンのせいで何回マリオが転落死したことか・・・。画面砂嵐、フリーズは日常茶飯事で、そんな時はカセットをぱこーんと叩けば直ったものです。ブラウン管テレビを斜め45度からチョップするかのごとき荒療治の数々、私が生まれるはるか数年前から母が使い倒していた歴戦のファミコンは、しれっと耐えていました。
そんなアンティーク・ファミコンとともに過ごした、ゲームしたいさかりの小学生時代、友人の家に導入されたPlayStationやニンテンドーゲームキューブのコントローラーに、当時の私は慄いたものでした。コントローラーが平らではなくなり、右手側のボタンがABじゃない上に4つもあり、さらには、きのこが生えている(※アナログスティック)。ていうか人差し指って使うもんなんですか!? 新世代機とのコントローラー格差にカルチャーショック並みの衝撃を受け、逃げ着いた一言が「後ろで見てます・・・」。そしてゲイム弱者の道を進んでいきました。中学生くらいの時、いつの間にか我が家のファミコンは天寿を全うしていて、その後数年据え置き機とは無縁。携帯ゲーム機すらGBA止まりというゲーム過疎時代を経て、今に至ります。
いい年をしてにわかゲーマーに返り咲いた今、DUALSHOCK3を握ってふと、ファミコンのコントローラーに思いを馳せることがあります。この○ボタン、「決定」の操作じゃなかったとしても私はAボタンの感覚で親指を置いてしまうんだろうなぁと。
著者紹介
井口 宏菜
インサイド編集部アシスタント
《井口 宏菜》
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