フィデン氏は中小ディベロッパーを振り出しに、EA、プレイフィッシュ、シグニア・ベンチャーパートナーを渡り歩き、2010年に同社の立ち上げに参加。CSO(最高戦略責任者)として業務に当たっています。同社は世界中で600万人のDAU(デイリーアクティブユーザー)を持ち、北京・サンフランシスコ・バンクーバーで総勢200人以上の従業員を抱えるアプリ開発会社となっています。
そんなフィデン氏は中国市場の現状を「市場規模」「モバイルOSの市場シェア」「ブラックマーケット」「Androidストアの現状」「ストアとの契約状況」「ゲームジャンル」「2013年のトップ5アプリ」「KPIベンチマーク」という8つのキーワードで解説しました。
【市場規模】
ゲーマー数は4億5千万人で、2013年のゲームの市場規模は総額135億ドル(前年比38%増)。モバイルゲーム市場は18億ドルで、2012年の247%増(5億ドル)。2014年の市場規模はゲーム全体で200億ドル、モバイルゲーム市場で50億ドルの推計。
【モバイルOSの市場シェア】
ユーザーベースではAndroidが79%、iOSが2%、その他9%だが、収益ベースではAndroidが57%、iOSが26%、その他17%と、その差がぐんと縮まる。
【ブラックマーケット】
正確な統計はないものの、数年前で売上の20%、現在は40%が脱獄・チート・ハッキングなど、不正な手段で被害を受けているといわれる。
【Androidストアの現状】
他国と異なりGoogle Playが存在せず、数十~数百のAndroidストアが乱立中。「Qihoo360」「91/Baido」「Wandoujia」「Tensent」「Anzhi」が大手5社で、デイリーユーザーではそれぞれ30.4%、26.7%、14.8%、7.6%、5.6%だが、ゲームのダウンロード数では28.3%、24.0%、1.8%、6.8%、ほぼ0%と「Qihoo360」「91/Baido」の突出ぶりが目立つ。
【ストアとの契約状況】
通常デベロッパーとストアの取り分は50:50だが、チャンネル使用料、運営コスト、マーケティング費用などの名目でストア側が中抜きし、最終的にデベロッパーの取り分は20-40%となる。有力タイトルほど取り分が多くなる傾向にある。
【ゲームジャンル】
カードバトル(25%)、パズル(21%)、アクション(18%)、RPG(12%)、タワーディフェンス(9%)、ランナー【横スクロールアクション】(6%)、その他(10%)と、日本式のカードバトル(拡散性ミリオンアーサーなど)が人気。
【トップ5アプリ】
1位:I Am MT(Locojoy、カードバトル) 2位:Cool Runnning(テンセント、ランナー) 3位:Dazhangmen(Air&Mud、カードバトル) 4位:クラッシュオブクラン(スーパーセル、ストラテジー) 5位:ドラゴンフォース(デジタルクラウド、RPG)
【KPIベンチマーク】(中国市場全体)
継続率 DAU/WAU:10.9%、DAU/MAU:21.8%
再訪率 初日で28.4%、7日目で9%、30日目で3.9%
課金率:カードバトル(5.6%)、RPG(3.4%)、ストラテジー(3.0%)、全体(1.9%)
ARPPU:カードバトル(45$)、RPG(58$)、ストラテジー(52$)、全体(19$)【月額平均】
中でも驚かされるのはジャンル別の課金率とARPPUの違いです。またARPPU自体の単価の高さにも驚かされます。もっともフィデン氏は「中国全土で8万社が存在し、1日あたり約100本の新作が登場する苛酷な市場」だとも語りました。巨大市場を求めて今後も競争が続きそうです。
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