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画像は前作Wii向け『零 眞紅の蝶』 |
『零』シリーズは射影機と呼ばれる特殊なカメラで霊を撮影して除霊するシステムが特徴。できれば見たくもない幽霊を、敢えて直視しなければならないようにプレイヤーを誘導するシステムが怖くもあり、ユニークなところです。
近年は任天堂が発売元となってWiiでリリースされたり、3DSでは実験的な『心霊カメラ ~憑いてる手帳~』がリリースされたりしていましたので、ファンの方の中にはWii Uでのリリース決定を喜ぶ一方、予想通りという人もいたかもしれません。
Wii Uゲームパッドをカメラに見立て、ゲームパッド越しにTV(メインモニター)を覗き込むことで霊が見えるインターフェースになっていたりすると、これまでの作品以上の没入感が得られそうです。もちろん、ゲームパッド単体で遊べるOff-TVプレイへの対応にも期待したいところです。
最新作の発表と同時に、大型メディアミックスプロジェクトが始動したというのも気になるところです。発表によれば、ホラー映画化、同映画作品の原作小説の刊行、コミカライズが進行中とのこと。しかも、これらの作品とWii U版ソフトを合わせた一連のプロジェクト終了後には、ハリウッドによる映画化が始動するというから驚きです。
作品のヒットを受けてのものではなく、当初から計画されたマルチメディア展開をしている作品といえば、レベルファイブの『妖怪ウォッチ』を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。当初から玩具化やTVアニメ化、コミック化を見すえた作品で、同社の代表取締役社長/CEOの日野晃博氏がプロデューサー、時にはディレクターとして辣腕を振るうことで、発売から9ヶ月でついにパッケージ版の累計出荷本数が100万本を超えるというロングセラーとなっています。
セガの『ヒーローバンク』も同じように当初から多角的な展開をしている他、6月26日にPS Vita版が発売されるMAGES.の『ロボティクス・ノーツ』(PS Vita版は『ロボティクス・ノーツ エリート』)も、PS3/Xbox 360のゲーム版とTVアニメ版の同時制作がされた意欲的な作品でした。
ゲームと同時展開というわけではありませんが、実写化を果たして好評を博した作品としては、ミラ・ジョヴォヴィッチ主演による映画化を果たした『バイオハザード』、宝塚歌劇団によって舞台化された『逆転裁判』、不定期ながら長年にわたり再公演され続けている『ドラゴンクエスト』のバレエなどが有名でしょうか。
もちろん、当初から多角的な展開を見すえたからといって成功を収めるとは限りません。ですが、マルチメディア展開をすればそれだけ新規層を開拓しやすくなりますし、好きになったキャラクターの活躍、好きになった世界での物語などが他のメディアでも楽しめるのは既存のファンにとってもうれしいもの。Wii U版はもちろん、それを取り巻く様々なメディアでの展開の続報にも注目したいところですね。