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……しかしながら、私もいい歳です。小学生のころはスーパーファミコンのマリカーを遊ぶ友達もいましたが、一緒にバカ騒ぎできる相手も日に日に減りました。心はすっかりマリカーから離れ、シングル用のゲームを遊ぶ日々……。いや、こんな私にも一緒に遊んでくれる人がいるではないか。そう、甥っ子が!
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そんなわけで、ふたりの甥と一緒に遊ぶためにWii Uと『マリオカート8』を買い、家に来てもらいました。彼らは僕と一緒にゲームを遊んでくれたり、好きなゲームの話で盛り上がる仲です。もし弟がいたらこんな感じかなと思いつつ、かわいがっています。
まずは彼らについて簡単な紹介をさせていただきます。もちろん名前は仮のものですが、本記事ではこの記述で通させていただきます。
■登場人物の紹介
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立場:兄
年齢:小学6年生
好きなゲーム:Xbox360『マインクラフト』、『星のカービィ』シリーズなど
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立場:弟
年齢:小学3年生
好きなゲーム:『星のカービィ』シリーズ、『マリオ』シリーズなど
私(筆者:すしし)も彼らと一緒に『マリオカート8』を遊び、どんな部分が楽しかったなどを聞き出し、本作の魅力に迫っていきたいと思います。
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さて、さっそく操作を教えてゲームを遊んでみました。ふたりはマリカーの経験が一切ないわけではなく、友達の家で3DS『マリオカート7』を触ったことがあるとのこと。Wii U ゲームパッドやWii リモコンでの操作には最初こそ戸惑いを見せていましたが、やはりすぐに慣れていきました。
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ところで、『マリオカート8』はレース中にいろいろな妨害を仕掛けるゲームです。サンダーを落としてスピンさせたり、甲羅を投げてぶつけたり、どう考えても歳の近い兄弟にとって喧嘩の火蓋を切る原因になると思っていました。
しかしながら、思いのほか喧嘩は起こりませんでした。順位が下がるとより良いアイテムが出やすいというシステムのせいか、それとも彼らも少し成長したのか。一緒に『New スーパーマリオブラザーズ Wii』や『星のカービィ Wii』を遊んだ時は喧嘩でゲームが中断することもありましたので、その点は助かりました。(もっとも、弟のほうは負けるとスネたりしますが……。)
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そして、アイテムを使って逆転を繰り広げる状況になると、彼らは激しく声を荒げます。弟のほうはキラーというアイテムを使うとなぜか「アナと雪の女王」の主題歌をレリゴーと歌い出すし、兄のほうは甲羅をぶつけるたびに「よっしゃ!」と叫びます。
あまりにも激しい破壊表現はなく、しかしコミカルに妨害をすることが可能なため、見ているほうも楽しいというのが本作の美点のひとつでしょう。ふたりの甥にとってもかなり楽しかったらしく、最終的には1日で7時間も『マリオカート8』を遊んでいました。
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ゲームをしばらく遊んだあと、彼らに質問をしてみました。いわば、小学生の『マリオカート8』レビューといったところでしょうか。
──『マリオカート8』をやる前はどんな気持ちだった?
ひー(兄)「どんな感じかなーっていろいろ考えてた」
ふー(弟)「楽しみ! やりたい! って感じだった!」
──じゃあ、実際に遊んでみてどうでしたか?
ひー(兄)「今までにないドキドキ感が面白かったです!」
ふー(弟)「リアルでスッキリしました!」
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──どういうところがリアルだと思ったの?
ふー(弟)「ステージ! あの、クッパがパンチしてくるところとか」
ひー(兄)「うーん、なんていうの? 反重力でいろいろな場所を走れて楽しかった。レインボーロード(「マリオカート」シリーズ恒例の難関ステージ)とかもすごい綺麗だし。落ちそうなのが怖くてリアル!」
──『マリオカート8』をやるのは今日がはじめてだよね。操作にはすぐ慣れたかな?
ふたり「すぐ慣れた!」
ふー(弟)「でもレインボーロードは難しい! ちょーむずい!」
──出てくるアイテムでは何が好きかな?
ふー(弟)「ミラクル8(今回の新アイテム、さまざまなアイテムが8個登場する)! いっぱい甲羅とか投げられるし、ゲッソーも出せるから」
ひー(兄)「トゲゾー甲羅! 1位の人を懲らしめられるから(笑)」
──好きなキャラクターは?
ふたり「Miiが一番お気に入り!」
ひー(兄)「Mii以外ならピンクゴールドピーチかな?」
ふー(弟)「おれはメタルマリオを使いたい! まだ出てないけどね!」
──気に入ったところをまとめて教えてください。
ふー(弟)「ステージがリアルで、1位になると後ろからトゲゾー甲羅が来るのでドキドキ感があって面白い!」
ひー(兄)「アイテムがいろいろあったり、車のパーツを選べたので楽しかった。」
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──逆に、遊んでいて「嫌だな~」と思ったところはある?
ふー(弟)「相手が勝手にアカ甲羅使ってきたり、雷を落としてくるのが超ムカつく」
ひー(兄)「抜かされた時とか」
ふー(弟)「あと、新しいパーツが出るとみんなが同じの使っちゃう(笑)おれも使うけど」
ひー(兄)「じゃあ人のこと言えないじゃん!(笑)」
──全体的にはどうだった?
ふたり「ちょう面白かった!」
そんなわけで、好評だったことはよくわかってもらえると思います。嫌だったことも、結局はゲーム内における駆け引きの要素だったわけですから、彼らの目にはほとんど欠点が映らなかったのでしょう。とはいえ、小学生に詳しいレビューをさせるのはさすがに難しいので、私がいくらか補足をしておきます。
さて、『マリオカート8』は人気レースゲームであり、今回は反重力という新要素や新しいキャラクター・アイテムも揃えています。しかし、私のような大人からするといくらか刺激が足りない気もしました。それでも、ふたりにとってはさまざまな刺激に満ちていたようです。
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たとえば、「サンシャインくうこう」で飛行機の下を飛ぶ場面や、先ほどの質疑応答にもありましたがクッパ像が攻撃してくるという演出に喜んでいました。ステージはかなり丁寧に作られていることは違いないので、私のようなゲーム慣れしている人が物足りなく感じたとしても、これで十分なのでしょう。
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また、ハイライト映像がかなりの人気でした。「マリオカートTV」と呼ばれるこのハイライト映像は、レースが終わったあとにどんなことがあったかを簡単にまとめてくれます。彼らはこれを見て、誰が攻撃しただの、逆に誰にやられたと確認しては大笑いをします。
ほかには、自分のMiiを使いたがるのも意外でした。私にとって、自分の顔がゲームに出るというのはそこまで嬉しくなく、むしろロゼッタの美しいバイクスーツを見ていたいのですが、彼らはまったく臆せずMiiを使います。やはり自分がゲームに出てくると感情移入しやすく、それだからこそ叫んだり歌ったりして楽しめるのでしょう。
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そんなわけで、小学生の甥ふたりに遊ばせるために『マリオカート8』を買ってよかったです。もちろん『マリオカート8』はタイムアタックもできますし、インターネット対戦も用意されていますので、自分ひとりでもかなり遊べたと思います。
とはいえやはり、みんなで遊んだほうが輝くゲームでしょう。友達や親戚を呼んで一緒に遊んだり、実際に集まるのが難しければインターネットでフレンド戦もできます。そういう家族や友達で遊ぶゲームだからこそ見ているほうも安心できるような、安定に重きを置いた作品なのでしょう。よって、みんなで騒いで楽しむのなら文句なしの一作になると思われます。
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