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さっそく私も遊んでみたのですが、これには感心しました。何に感心したのかといえば、何がゲームにおいて面白い要素なのかを明確に捉えており、それをきちんと表現できているということです。当たり前の話ではあるのですが、ゲーム作りひいては、ものを作るうえでの重要なポイントは、やはりそこなのでしょう。
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さて、今回紹介するのは4つの作品となります。東京チームAの『ポッポハンター』、東京チームBの『必撮!センターヒーローズ』、大阪チームXの『しまながめ』、大阪チームYの『戦闘団地』となっており、ジャンルは多様です。すべて遊んでみたので、ひとつずつレビューしていきましょう。
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『ポッポハンター』は本セミナー作品において最もアイデアが尖っている作品です。まず、“Wiiリモコンとヌンチャク(もしくはWiiリモコンふたつ)とWii U ゲームパッドを使ってハトのお嫁さんを捕まえるゲーム”というのですから、聞いたことのないゲームにもほどがあります。
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Wii Uではやはりゲームパッドを活かしたゲームが求められるのですが、本作におけるゲームパッドは床に置くものになっています。どういうことかといえば、基本のゲームプレイはテレビ画面で行い、ハトが足元に来た時だけ見るサブ画面的な立ち位置になっているわけですね。
この環境を整えるのは手間に感じられるかもしれませんが、この形で遊ぶことをぜひオススメします。本作は座ってハトに餌をあげておびき寄せるという設定なので、その雰囲気がグンと出るのです。
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さて、ゲームの内容としては、モテないハト「ポポ田」にお嫁さんを探してあげるため、さまざまなハトを捕まえていくという内容になっています。具体的な方法としては、くまパンを投げてハトの警戒心を解き、自分の足元におびき寄せることが最初の一歩です。
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足元へやってきたハトは、ゲームパッドにやってきます。あとはハトがくまパンをつついて余所見している間に、Wiiリモコンとヌンチャクのボタンを押しつつガバッと捕まえるだけ。失敗すると逃げてしまううえ、捕まえ方で評価も変わるので少しコツが必要です。
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こうして捕まえたハトがポポ田のお嫁さん候補となるので、より美人ならぬ美鳩な相手を探していきます。なんとも笑えるゲームプレイですが、公園でハトに餌をあげて捕まえるという雰囲気はなかなか良く出ているものです。
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▲プレイヤーに負けないくらい大量におにぎりを投げるおじさんも登場
本作は3ステージ + フリー・ハト・ハント・ステージという構成になっており、3ステージをクリアすればエンディングを迎えられます。各ステージには条件があったり邪魔が入ったりするのですが、そこまで難易度は高くありません。
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▲より美鳩な相手と旅立っていくポポ田
というのも、とりあえずくまパンを投げまくっていれば捕まえることは簡単なのですから。一応、より良いお嫁ハトを捕まえるにはコツがいるようなのですが、別に高評価を目指す必要はまったくないですし、ポポ田は彼女ができるだけで感謝すべきではないでしょうか。
そのためネタに走った底が浅い作品とも言われる可能性があるのですが、奇抜さというのも重要な要素です。今やさまざまなプラットフォームで大量の作品が出る時代ですので、触ってもらうために目立たなければなりません。『ポッポハンター』はそのあたりを抑えている作品といえるでしょう。
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続いては『必撮!センターヒーローズ』になります。本作は1~5人で遊ぶパーティー向けの対戦ゲームで、写真の真ん中に写るためにお互いを邪魔しあいまくるという内容です。
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ルールとしては、制限時間内にどれだけスコアを稼げるか勝負する時間制限ルールと、スコア差をつけて相手を脱落させていくルールに分かれています。
アイデアとして面白いところは「こういった戦隊ものはみんなで規則正しくポーズをとるのがふつうなのに、奪い合いをしてしまう」という部分でしょう。残念ながら、僕は戦隊ものを見たことがほとんどないのでピンと来ませんでしたが。
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こういう作品はひとりで遊んでも仕方がないので、以前に『マリオカート8』を一緒に遊んでもらった甥たちとも遊んでみました。結果はなかなか好評で(ヒーローが邪魔しあうという背景は理解していませんでしたが)、互いに押し合うだけで笑っていました。
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いい歳をした僕からすると特に何も感じない『必撮!センターヒーローズ』なのですが、わかりやすいルールで子供受けも良い作品でした。“写真の真ん中を奪うために邪魔しあう”というおかしさをそつなく構成できているのではないでしょうか。
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3作品目となるのは『しまながめ』です。こちらは“くらうど君”とのんびり星を集めるという内容で、あまり操作が忙しくないゲームになっています。
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プレイヤーがすべきことは、この浮島にある10個の星を手に入れること。といっても、われわれができることはくらうど君を誘導することくらいです。木の棒やリンゴを置いてあげて、彼がうまく星へたどり着けるよう状況を整えてあげましょう。
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10個ある星を見つけるためには、どんなアイテムを使えばくらうど君が星にたどり着くかを考える必要があります。といっても、道具は3つしかないですし、そこまで複雑な内容ではないです。ただし、離れ小島にある星に関しては、正解を思いつくのがやや困難かもしれません(仕掛け自体は単純なのですが)。
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あくまで本作はゆるいゲームなわけで、星探しに熱中するアドベンチャーというわけではないです。では何が楽しいのかというと、くらうど君がさまざまな要素に対して反応してくれるのが楽しいのでしょう。彼はリンゴを食べるにしても、喉に詰まらせたり一口で食べてしまったりさまざまですし、転んだり川で流されたりと、幼い子供を見ているかのような微笑ましさがあります。
個人的にもなかなか楽しめた作品だったのですが、くらうど君のキャラクターがもう少し印象に残ればなお良かったと思われます。とはいえ、まさしく島を眺める楽しさを表現したのは理解できました。
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最後に紹介するのは『戦闘団地』です。本作はビルド&ディフェンスというジャンルで、要はタワー・ディフェンスの亜種と言えるでしょう。ブロックを配置して基地を作りつつ、兵士を配置して敵からロケットを守ることが目的です。
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まず、Wii U ゲームパッドを使ってブロックを配置していきます。続いて、中に兵士の元となるカプセルを置けば準備は完了で、夜になるまでに防衛基地を作っていくわけです。
通常のタワー・ディフェンスとの違いは、ブロックを自由に配置できるため選択肢が多いことでしょう。ふつうは規定の位置に対していかに効率良く置くかが重要なのですが、このゲームの場合は組み合わせによって取れる戦術が多様になっています。
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オーソドックスな方法としては横にブロックを置くことですが、これでは奥の兵士たちが射程外になって役立たずとなってしまいます。しかし、地上から来る敵に対しては確実に防衛ができるわけです。
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とはいえ、敵は上空から攻めてくることも。その場合はスナイパーを高所に配置して、すぐに狙い撃ちができるようにしたいですね。また、兵士はその個室が破壊されると消えてしまうので、その部屋を守るためのブロック配置も重要になります。
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あるいは、敵の攻撃範囲外から一方的に攻撃できるよう、あえて地上を開ける戦法も取れます。とはいえこれではロケットががら空きなので、かなりの火力を保持したり、爆弾・ブロックで地上の時間稼ぎをすることが必要になります。
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このように、配置場所を自分で作れる選択肢の多さが本作の魅力です。ただし、それはどうやって作れば良いのかわからないプレイヤーも生み出すことになりかねないためか、本作のノーマル難易度は割とカジュアルな調整になっており、大雑把に遊んでもクリアできると思います。
それでも満足できないプレイヤーのためにハードモードやチャレンジが用意されており、どちらかといえばそちらが本題のゲームに見えます。よって、タワー・ディフェンスというジャンルに防衛基地を作るという要素を付け足し、一歩先に進めようとしたのでしょう。
長くなりましたが、4作品のレビューは以上になります。どの作品にも共通して言えることは、作品で何を表現しようとしたのかが明確だということです。
世の中には面白いゲームやつまらないゲームがたくさんありますが、つまらないゲームにおいてはある共通事項が存在している場合が多いです。それは何かというと、ゲームがプレイヤーに何をさせたいのかわからないということ。要は、表現がつたなかったり要素が複雑になりすぎて、楽しさがうまく伝わってこないわけですね。
一方、「任天堂ゲームセミナー2013」では“日常の生活で面白いと思ったもの”を「ゲームの種」として、そこからゲームの企画を考えていったとのことです。そのアイデアの生み出し方から伝え方という、重要な基本部分を教えていったのでしょう。
もちろん今回の4作品は規模が小さめなので、ゲーム慣れしている人からすれば物足りなく感じることが多いと思われます。しかしながら、「楽しさをゲームに込めて人に伝える」という部分がしっかりと出来上がっていることは、これらの4作品から伝わりました。
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