そんな最新作の登場を記念し、シリーズへの理解を更に深めるため『スマブラ』過去作を振り返るこの企画。今回は、当時待望された続編となった『大乱闘スマッシュブラザーズDX』です。
シリーズ一作目に当たる『ニンテンドウオールスター!大乱闘スマッシュブラザーズ』は、『どうぶつの森』と同じくNINTENDO64から始まった人気シリーズ。どちらも一作目から大きな反響を呼び、続編への期待が高まっていました。そして両タイトルとも、続編はゲームキューブにリリースされます。
任天堂初の光ディスク搭載ハードとなったゲームキューブは、N64での苦戦を覆すべく期待されたハードでしたが、PS2が先にリリースされており普及には再び手こずりました。当時PS2は、ゲーム機の性能やリリースされるソフトの魅力のみならず、初代PSとの互換性やDVD再生機能にも注目が集まり、ゲームファンやカジュアルなユーザーを引きつけることに成功。結果としてゲームキューブソフトのリリースは全般的に手こずることとなり、思うように本数が伸びませんでした。
そんな苦境の中、ゲームキューブソフトの中で唯一ミリオンを達成したのが『DX』でした。しかも本作は2001年11月に発売されており、前作リリース日の1999年1月から数え3年に満たない期間で登場しました。前作リリース直後はまだ続編の製作が決定していなかったので、開発は更に短い期間となります。
本作のプレイアブルキャラクターは前作の2倍以上に及んでおり、様々なモードも新たに登場。ボリューム面では増加し、開発期間は厳しいというタイトな状況での制作となりましたが、その完成度はみなさんご承知の通りで、ファンの要望に大きく応える形となりました。
大きく変わったしたポイントのひとつとしては、参戦キャラクターの増加のみならず、その傾向の変化が挙げられます。一作目では、主役、もしくは主役級の活躍や注目を浴びるキャラクターによる大乱戦でしたが、本作では「ピーチ姫」「ゼルダ姫」などのヒロイン勢や、「クッパ」「ガノンドロフ」といった存在感溢れるボスなども参戦。主役級だけでなく、任天堂ハードで活躍した仲間やヒロイン、悪役も入り乱れる、広い意味でのオールスター大乱闘となり、この傾向が今後のシリーズの方向性を決定しました。
またこちらも、以後のシリーズに継承された『スマブラ』らしさのひとつであるフィギュア集め。この多彩なキャラクターを収集して楽しめる要素も、導入されたのは本作からです。なお、この要素を取り入れた理由として、「スマブラに参戦してほしいキャラの要望が寄せられる中、マイキャラで作るのがムリであっても、すこしは要望が満たせるのでは」との想いがあったことも語られています。
もちろん進化したのは、キャラクター関係だけではありません。「吹っ飛ばす」というシリーズ特有の独自性を更に楽しめるよう、ステージを次々とクリアしていく「アドベンチャー」や、与えたダメージによる飛距離を競う「ホームランコンテスト」、全員総出演する「オールスター」など、一人で遊べる要素も多数盛り込まれます。また対戦モードも、最大エントリーが64人にも及ぶ「トーナメント乱戦」をはじめとする多彩な遊び方が提案されており、ひとりでもみんなでも楽しい『スマブラ』が更なる躍進を遂げました。
また戦闘システムでも、横必殺ワザの搭載により必殺ワザが4種類になったなど、シリーズの礎となる変化や追加などが行われたのも見逃せません。鮮烈なデビューを果たした一作目、そしてシリーズの地盤が固めた2作目と言えるでしょう。
そんな本作の魅力を語るにはやはり公式サイトだけでは物足りず、前作にも用意された「スマブラ拳!!」が「速報スマブラ拳!!」と名前を少し変えて登場。キャラクターや各種要素を事細かに解説してくれます。また、「ネスは当初、『MOTHER3』の主人公に変更する予定でした」などの開発秘話なども散りばめられているので、今見てもなかなか興味深いサイトとなっています。
ゲームキューブソフトなので、現行のWii Uでは残念ながら遊べません。しかしWiiならばゲームキューブソフトとの互換性があるので、今でも本作を存分に楽しめます。Wiiと本作をお持ちの方は、最新作が出る前のひとときに『DX』を味わい直してみるのも一興かもしれませんね。
最新作をより楽しむために、古きを温ねて新しきを知る過去作の振り返り。次回は、Wiiに登場した3作目『大乱闘スマッシュブラザーズX』を紹介する予定です。どうぞお楽しみに。
(C)2001 Nintendo/HAL Laboratory, Inc.
Characters(C) Nintendo/HAL Laboratory, Inc./Creatures Inc./GAME FREAK inc./APE inc./INTELLIGENT SYSTEMS
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