東京ゲームショウに合わせて来日した創設者にしてプロデューサーでもある、Dajana Dimovska氏にお話を伺いました。
■PS Moveでとても製品にはできないゲームを製作!?
Dajana Dimovska:私たちは、体を実際に動かしながら楽しめるようなゲームを作っています。最初は会社ではなく、同好者のグループのような感じでした。海外ではINDIECADEというインディーズゲームの祭典のようなイベントが毎年開催されているのですが、私たちは2008年に出展して「Most Fus Games」という賞をいただきました。
それは『Dark Room Sex Game』という、Wiiリモコンを使って画面を一切見ずに向かい合って遊ぶゲームなのですが、アレをゲームにしたものです。・・・とても製品にはできませんね(笑)。後年、PS Moveバージョンも作りました(笑)。どんなゲームであるかは、YouTubeに動画がアップロードされていますよ。
(編注:WiiリモコンなりPS Moveなりをリズムゲームのように動かすとあえぎ声が出るパーティーゲーム……という趣向のゲームのようです。エッチというよりはシュールに感じるかもしれません。)
でもこうしたゲームの製作・発表や「Global Game Jam」などで縁に恵まれ、人が集まってきましたので「それではきちんと販売できるゲームを作りましょうか」と設立されたのが今の会社です。WiiリモコンやPS Move、Wii Uゲームパッドはとてもクリエイティブなデバイスだと思いますが、同時に、それを活かせているタイトルは少ないのではとも感じています。なので、自分たちでもっとこれらのデバイスを活かしたゲームは作れないだろうか? というのがそもそもの始まりなんです。テレビの画面よりも、お互いの顔を見ながら楽しめるゲームを作ることを目指しています。
■パーティーゲームに特化した理由とは
―――そうして、パーティーゲームに的をしぼった理由はなんだったのでしょうか?
私たちはまだ若い会社ですから、大手のメーカーとは競争できません。だからこそ、今までにないゲームを出して勝負したいなと。そうやってチャレンジを続ける集団でありたいと考えています。形にならなかったアイディアもたくさんありますが、Xbox 360の『B.U.T.T.O.N』というゲームを初めて製品としてリリースできました。真剣に遊ぶとケンカになってしまうかもしれません。仲間内で、お酒でも飲んだりしながら楽しんでもらえればと思っています。
子供のときは、学校でみんなとする遊びはなんでも驚きがあり、刺激的でした。1人でテレビと向き合って楽しむビデオゲームもよいものですが、私たちはあのときの感動や楽しさを味わう方向にコントローラーを使いたいと思っています。そうした思いで作られたのがWii Uの『わいわい!みんなでチャレンジ』なんです。
―――このミニゲームにある「スピン・ザ・ボトル」というのはどういう遊びですか?
海外のティーンエイジャーには有名なのですが、横にして置いたボトルをくるくると回して、指し示された人が何らかの告白や、罰ゲーム、無茶ブリをさせたられたり……という遊びです。
(編注:筆者は寡聞にして知りませんでしたが、日本でいう「王様ゲーム」に近い遊びのようでした)
パーティーなどで会ったばかりの人とでも、こういうコミュニケーションを通して仲良くなれるのっていいですよね。現在このソフトには17のミニゲームが収録されていますが、今後アップデートでWii Uゲームパッドのカメラ機能を活用したミニゲームを6つ追加する予定です。日本での対応は検討中です。そのままの(翻訳しただけの)内容で、日本のみなさんにも楽しんでいただけるものになるかを考える必要もありますしね。
■次なる新作はお手ごろな宇宙冒険ゲーム
―――開発中であるWii U用の新作『Affordable Space Adventures』についてもお聞かせください。
弊社のすばらしいゲームクリエイター、Nifflasが中心になって製作している探索モノのゲームです。かねてから1人でコツコツと製作していたゲームで、弊社に入社してからは社の新作として製作しています。プレイヤーは未知の惑星を探検するために宇宙船をレンタルするのですが、安物なのでいろいろ機能に制限があるんです。そんな船で、なんとかSOSの信号を発信できる位置までたどりつく……というのが目的の探索ゲームになっています。タイトルの「Affordable」はそういう意味なんです(笑)。
―――その船には、具体的にどういう機能があるのでしょうか?
ライトで暗闇を照らしたり、気になる物体をスキャンしたり、アームリフトで物を運んだりできますが、それらを同時に行うことができないので、行動の優先順位をその都度判断しながら探索していきます。探索が進んでいけば、『メトロイド』のようにできることが少しずつ増えていきます。ただ、この船には戦闘能力がないので、敵には見つからないようにしなければなりません。
―――ボリュームはどのくらいになるのでしょうか。
個性豊かな惑星を7つ用意するつもりです。今は難度が難しくなる一方にならないよう、レベルデザインに気を遣っているところです。時間制限はありませんので、どうやって解くか(脱出するか)、ゆっくり楽しめるようになっていますよ。また、このゲームは『わいわい!みんなでチャレンジ』とは異なり1人で遊べますが、最大3人までの協力プレイにも対応しています。
1人で遊ぶときは、操作はゲームパッドのみで、2人で遊ぶときはゲームパッドとWii U PRO コントローラーで、3人で遊ぶときはさらにWiiリモコンを加え、移動を含む船の各機能の操作を分担して行います。画面を見るだけでなく、お互いに声をかけあって連携を取るのが大事になってきます。まずは海外でのリリースとなりますが、できれば、ゆくゆくは日本でもリリースしたいと思っています。
―――日本でのリリースを楽しみにしています。本日はありがとうございました。
ビデオゲーム単体の楽しさよりも、人同士顔を突き合わせて遊ぶことの楽しさを追求するKnapNok Games。住宅事情などの違いから日本ではそうしたゲームは苦戦しがちな印象がありますが、『Affordable Space Adventures』は1人でも遜色なく楽しめる作品になっていそうです。興味がわいた人は、筆者と一緒に日本でのリリースを心待ちにしてみてはどうでしょうか。
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