―――ゲーマー向けセキュリティソフトのコンセプトを教えてください
吉田: 先日当社で実施した調査の結果では、ゲーマーの1/3がセキュリティ上のトラブルを経験していました。また、調査対象の9割がセキュリティソフトを導入していましたが、その1/3はセキュリティソフトに不満を持ちつつ使っている、あるいはオフにしているといったことが判明しました。そこで、ゲームを安全に快適に楽しむために、パフォーマンスとセキュリティの両立をコンセプトにソフトを開発しました。
―――PCをフルスキャンしているときでも負荷が低いことが特徴のようですが、技術的にはどのようにして負荷を抑えているのでしょうか
まず、製品設計が従来のものとまったく違います。一般的なセキュリティソフトは、PCにインストールする定義ファイルと呼ばれる500MB程度のデータベースとPC内のファイルをそのPC上で照合・判定します。一方、ウェブルートはファイルの情報をハッシュ値にして持っているので、使用するディスクスペースも10MB程度と最小限です。そして新しいファイルがダウンロードされたり、ファイルに変更があるとそのハッシュ値をクラウドに送信してクラウド上で判定をします。つまり負荷がかかる作業をPCではなくクラウドで行っているのです。これにより、フルスキャン時の高速化と低負荷を実現しています。
―――特に効果が出やすいゲームの種類は
CPU負荷の高いゲームや、3Dグラフィックスなどヘビーな処理が多く高負荷が続くゲームには、特に効果が高いですね。従来のようなセキュリティソフトによる重さを感じることなく、快適にゲームを楽しんでいただけると思います。
―――1年1台のライセンスで1,980円と、チャレンジングな価格設定の理由は
セキュリティソフトは、3ライセンスで年間5000円というものが多くなっています。しかし実際のユーザは、よく使うPCは一台ということが多いですし、そもそもゲーマーの場合はゲーム専用機を用意している方も多いです。それならシンプルでお求めやすい値段にしようという考えです。
―――販売は基本的に店頭のみで、オンライン販売はe-sports SQUARE AKIHABARAだけという現状ですが、今後の展開は
9月26日からアマゾンで販売を開始します。またPCショップなどでも順次店頭発売していきます。さらにゲームソフトやパソコン、周辺機器へのバンドルのお話もいただいております。
―――e-sports SQUARE AKIHABARAのオンラインショップ先行販売の反応は
かなり盛況でして、驚いています。私自身も信じられないくらいの反応です。
購入していただいたお客さまからは、速いし軽いので、レガシーPCでも使えるといった声をいただいています。
―――実際にe-sportsを狙うサイバー攻撃は存在するのでしょうか
今のところ明確にe-sportsを狙った攻撃の話は聞きません。ただし、多くのゲーマーがセキュリティ被害にあっています。また、日本においてもプロスポーツという位置付けでゲームが認識されスポンサーが付くイベントも多く、人々の注目を集め始めています。ゲーム内通貨などの犯罪者にとって金銭的なメリットとなる要素もあります。このため、今後はサイバー攻撃者の標的になる可能性が非常に高いと考えています。ますます強固なセキュリティが求められていくでしょう。
―――ウェブルートの開発者の皆さんもゲーム好きと聞きました
「ゲーマーのためにゲーマーが作ったセキュリティ」がキャッチフレーズです。さすがにプレイヤーとして大会に参戦する時間的な余裕はないようですが、トーナメントのスポンサーをしたり、定期的に社内でゲームナイトを開催したりしています。
―――東京ゲームショウでの反応は
すでに多くの方にデモ機を触っていただいています。「本当にセキュリティソフトが動いているのですか?」という反応が多いですね。
―――ちなみに、吉田さんもゲームはなさるのですか
昔、ゲームセンターが盛況だった頃はしていましたが、PCゲームはやっていませんでしたが、最近「リーグオブレジェンド」を始めました。ハマりやすい性格なので、仕事に影響が出ないよう気をつけたいと思います。
―――最後にメッセージをお願いします
これからe-sportsはますます広がっていきます。そして、大勢のユーザが集まるところには、サイバー犯罪者も集まってきます。オンラインゲームが標的になりやすいということを覚えていて欲しいですね。
ウェブルートはまだまだ知名度が低いのですが、みなさんが安心してゲームを楽しめるように安全なe-sportsの環境をご提供することで名前を知っていただければと思います。
―――ありがとうございました