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▲『ポケモン X・Y』より、通信対戦の様子
通信対戦ではなるべく能力の高いポケモンが求められるため、たくさんの要素を知ったうえで育成することが理想となります。もちろん、これらすべてを知らなくてもバトルはできるので、はじめのほうは理解できなくても良いでしょう。
ただ、『ポケモン』における対戦は、知識があればあるほど有利で勝利に近づいていきます。ですので、はじめは軽く知識をつけておく程度に留め、必要に応じてより知識を深めましょう。まずは、基本的なポケモンの能力値について説明します。
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▲『ポケモン X・Y』より、「タブンネ」のステータス
■HP
RPGではおなじみ「ヒットポイント(HP)」です。これが0になるとポケモンが倒れてしまうのは言うまでもないでしょう。
■こうげき
「こうげき」の数値が高いほどぶつり技(物理技)でのダメージが上昇します。具体的な物理技の攻撃としては、「げきりん」や「たきのぼり」など。物理技の威力は高めですが、こうげきの数値は対戦相手に下げられやすい側面も。
■ぼうぎょ
物理技を受ける際は「ぼうぎょ」が高いほどダメージが減少します。
■とくこう
そして、「とくこう」がとくしゅ技(特殊技)のダメージを決めます。具体例は「サイコキネシス」や「なみのり」など。特殊技の威力は物理技に比べると低めですが、とくこう自体は下げられづらいです。
■とくぼう
もちろん、「とくぼう」が高いほど特殊技のダメージが減ります。
■すばやさ
最重要と言えるステータスがこの「すばやさ」。相手よりすばやさが高ければ先に攻撃できるため、すばやさの数値が勝敗を分けることも珍しくありません。
■技の種類
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▲『ポケモン X・Y』より、物理技(左)と特殊技(右)の例
そして、技の種類についても説明しておきます。前述のように技は「こうげき」によってダメージが決まる「物理技」と、「とくこう」によってダメージが決まる「特殊技」が存在しています。ポケモンの能力に合わせ、適したほうを選びましょう。もちろん、両方の能力が高ければ2種類あってもかまいません。
なお、かつては技のタイプごとに物理か特殊かが決まっていたようですが、現在は技ごとにそれぞれが設定されています。
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▲『ポケモン X・Y』より、変化技
そして、どちらにも関係しない補助的な「へんか技(変化技)」の3種類が存在します。それぞれアイコンによって見分けることが可能です。
さて、これらの能力がより高いポケモンが通信対戦では重要なわけですが、実際により強いポケモンを手に入れるには自分で育成する必要があります。そして育成をするためには、具体的な育成方針を考える必要があるわけです。
ポケモンの最も基礎的な育成方針としては、ふたつの能力を伸ばす形で考えると良いでしょう。まず、物理技を使うか特殊技を使うか(こうげき or とくしゅのどちらを伸ばすか)、そして防御力を高めるか素早くするか(HP or ぼうぎょ or とくぼう or すばやさのどれかひとつを選ぶ)ということを考えればOKです。難しいならば、そのポケモンの最も高い能力ふたつをさらに伸ばしましょう。
なぜふたつを選ぶのかということですが、これはポケモンの能力に関する隠れた情報が絡んでいます。そのことを説明するため、まずはポケモンの能力がどう決まるのかをお教えします。
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▲『ポケモン X・Y』より、「ライボルト」2匹の能力値
例として、私が『ポケモン X・Y』で育てた「ライボルト」2匹をお見せします。まったく同じ種類・レベルのポケモン(持ち物は能力に関係なし)ですが、「こうげき」と「ぼうぎょ」の能力値が違うことはお分かりでしょうか? これはつまり、同じ種類のポケモンでも場合によっては能力値が違ってくるということです。逆に同じ数値があることからもわかるように、育て方によってはまったく同じ能力値になることも。
1.ポケモンの種類による能力
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▲『ポケモン X・Y』より、「ピカチュウ」(左)と進化させた「ライチュウ」(右)
「ピカチュウ」が「ライチュウ」に進化すると能力値が変化します。ポケモンの能力はレベルが上がることでも上昇しますが、このケースではそのままのレベルなのに強くなっています。
なぜそうなるのかといえば、これは進化でポケモンの種類が変わったからです。ポケモンは種類ごとに基本的な能力値が設定されており、それにいくつかの要素をプラスして最終的な能力値が決定されます。ピカチュウがライチュウになると、その種類ごとの基礎能力が反映されるわけです。
なお、この基本的な能力値はゲーム中で見ることはできません。またこれは、ユーザーから非公式に「種族値」と呼ばれることもあります。
2.個体差による能力
そして、同じ種類のポケモンでも個体ごとに強さの差があります。「こうげき」や「すばやさ」などの6能力値はポケモンの全個体にそれぞれ良し悪しが決まっており、それも能力値に大きな影響を与えます。
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▲『ポケモン X・Y』より、ジャッジをしてくれる人
これも明確な数字として見ることはできませんが、ゲーム中には「ジャッジ」をしてくれる人物がおり、おおまかにその良し悪しがわかります。基本的には、ジャッジしてもらって「最高の力を持っている」と言われれば、かなり良い個体ということになります。
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▲『ポケモン X・Y』より、育て屋
より能力の高いポケモンをゲットするには、近い種類のポケモンを2匹預ける(もしくは何かとメタモンを預ける)と♀側のポケモンのタマゴが産まれる「育て屋」を利用しましょう。
その際に「あかいいと」という道具を持たせれば、両親からランダムで5箇所の能力を受け継ぐようになりますので、親の能力が高いほど子も強くなりやすいです。また、『ポケモン X・Y』では、伝説のポケモンなど一部のポケモンは野生で出現しても高い能力を持っています。
こちらもユーザーから非公式の通称で「個体値」と呼ばれています。また、各個体能力が最高値であることを「V」と表現し、「5V」(5つの能力における個体の能力が最高)などと表記されることも。
3.性格
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▲『ポケモン X・Y』より、「ディアンシー」の性格
人間に性格があるように、ポケモンたちにも性格があります。「まじめ」などの性格は能力に影響を及ぼさないのですが、「いじっぱり」や「ようき」などは特定の能力を1.1倍にすると同時に、別の能力を0.9倍に下げます。(ただし、HPは性格による変化がありません。)
■代表的な性格
・「いじっぱり」は、“こうげき”がUPし“とくこう”がDOWNする。
・「ひかえめ」は、“とくこう”がUPし“こうげき”がDOWNする。
・「ようき」は、“すばやさ”がUPし“とくこう”がDOWNする。
・「おくびょう」は、“すばやさ”がUPし“こうげき”がDOWNする。
性格による能力UPは重要で、特にすばやさが高いポケモンは「おくびょう」か「ようき」にしたいところ。すばやさは1でも高いほうが先制できるため、より速いほうが有利になりやすいのです。ただし遅いポケモンについては逆のケースもあり、あえて後攻を取る(もしくは速さがいらない)ために性格ですばやさを落とすことも。
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▲『ポケモン X・Y』より、道具「かわらずのいし」
ポケモンの性格はランダムで決まるのですが、固定させるふたつの方法もあります。「育て屋」でタマゴからポケモンを作る場合、親に「かわらずのいし」を持たせれば、その親から性格がそのまま遺伝します。また、野生のポケモンならば特性「シンクロ」のポケモンを先頭に配置すると、同じ性格になる可能性が高まります。
なお、性格についてはゲーム中の詳細ステータス画面で表示されるうえ、上昇している能力値は赤色になり、下降している能力値は青色で表示されます。
4.きそポイント
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▲『ポケモン X・Y』より、「きそポイント」確認画面
これまでの要素は、ポケモンが生まれた(もしくは出現した)時から決まっているものでした。しかし「きそポイント」によって後天的に能力を変えることができます。
この「きそポイント」は「タウリン」といったアイテムでも上昇させられるほか、戦闘で相手のポケモンを倒すことによっても数値が上がっていきます。また、『ポケモン X・Y』からあるシステム「スーパートレーニング」ではどの能力をあげるか任意で決められるうえ、きそポイントの可視化もされています。
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▲『ポケモン X・Y』より、「スーパートレーニング」
そして、きそポイントはひとつの能力値に252まで振り分けることができ、全体で510まで伸ばすことができます。(ただし、能力の実数値にそのまま入るわけではなく、レベル50時には約1/8の数が能力値にプラスされる。)
先ほどふたつの能力を伸ばすと良いと書いたのはこの仕様のためで、能力を絞るとわかりやすくきそポイントを効率的に振り分けることができる(ふたつの値を最大値にすれば良いだけという)わけです。もちろん、上級プレイヤーは細かく配分を決めるわけですが、それは慣れてからで良いでしょう。
このきそポイントも、ユーザーからは非公式に「努力値」と呼ばれています。
■能力が違う・同じなのは4つの要素があったから
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▲『ポケモン X・Y』より、「ライボルト」2匹の能力値
さて、これで「ライボルト」の能力について説明することができます。なぜ「こうげき」と「ぼうぎょ」が違うのかといえば、これは個体差によるものです。しかし、このライボルトたちは性格やきそポイントがまったく同じで、さらに「とくこう」や「すばやさ」の個体能力は共に最高。しかも同じポケモンなため、それら能力に関しては同じ数値になります。
逆に、性格やきそポイントさえ変われば違った能力になりますし、個体差があればなおさら大きく変わります。ただし、同じ種類のポケモンでさえあれば、一定以上の差が開くことはないということです。
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▲『ポケモン X・Y』より、タマゴわざ「アクアジェット」を覚えたマリルリ
このほかにも、技「めざめるパワー」などのタイプ調整に、「タマゴわざ」など細かい要素もあるのですが、ひとまずはこのあたりで十分でしょう。要は、ポケモンの能力には「種類による能力差」「能力の個体差」「性格の差」「きそポイントによる差」があるということを知っていただければ、問題ありません。
パーティー構成編でもさまざまな組み合わせが考えられましたが、その個々のポケモンたちの能力においても差があります。たとえば「バンギラス」というポケモンは、物理技の得意なアタッカーにすることもできれば、特殊技を使いこなすアタッカーにすることもでき、さらに変化技を使いこなすサポート役にもできるのです。
もちろん、対戦相手のポケモンも一辺倒ではなく、不意を突いてくるような構成になっていることも。「どうせこのポケモンはこうしてくるだろう」と思い込んでいる相手に一撃を食らわせるような方法もあるため、バトルは奥深いわけです。このように、ポケモンには可能性がたくさんあり、そこから自分なりの戦い方を見つけるのが通信対戦の面白さとなっています。
さて、今回の発売記念の特集記事は以上になります。もし、この記事に書いてあることがよくわからなかったとしても、それは問題ありません。とにかくまずは通信対戦を楽しんで、そのうえで「うまくなって勝ちたい!」と思ったらさらに情報を探して、奥深いポケモンバトルの魅力に触れてみてください。
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なお、本記事における『ポケモン X・Y』のスクリーンショットは、筆者がニンテンドー3DSでプレイしたゲーム本編のキャプチャー画像となります。
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