すっかり寒くなりました、皆さん如何お過ごしでしょうか。筆者的には窓を開けてのプラモ塗装がつらい時期。ここはいっちょ本格的に塗装ブースの導入も検討してみるべきかとお財布と相談してみるも、こっちはこっちで寒い時期。……もうすぐ年末なんですね。はやいなぁ……。
さて、先週から引続まして今週は「HGBF ライトニングガンダム」レビューの後編と、「HGBC ライトニングバックウェポンシステム」の同時レビューをお届けします。
まずはこの「HGBC ライトニングバックウェポンシステム」。こちら、ガンプラの遊びを広げるカスタマイズパーツ「ビルドカスタム」シリーズのキット。カスタマイズパーツといっても、今回のライトニングバックウェポンシステムは単体でサポート支援飛行メカとして組み上げることができるのが大きな特徴となっています。機体は非常にシャープなフォルムで、ベースジャバーといったSFSというよりは純粋な航空機型MSに近いシルエットを持っています。
付属パーツとしてミサイルパーツとビームキャノンのパーツが付属。それぞれ胴体上面に選択式で装着が可能になっています。ミサイルハッチは開閉可能。主翼ユニットは根本から角度を付けることが出来ます。また翼面も主翼、カナード共に可動。垂直尾翼も畳むことが可能です。
ランナーでの色分けは非常にシンプルなブルーとライトブルーの2色。ですが基本的に設定上のカラーリングはほぼこれで完璧に再現されており、主翼イエローと機首センサー部分のメタリックグリーンもホイルシールで補われています。ビームキャノンや細かい部分のグレーなどをワンポイントで塗装してやると更に見栄えが引き締まるかと思います。
尾翼の両サイドには未使用の3mmジョイントが設けられており、別売りのビルドカスタムパーツを用いて武装することが可能。また、機体底面部にも3mm軸穴が存在。ディスプレイスタンドなどを駆使すれば、飛行状態で飾るといった楽しみ方も出来ますね。
「ビルドファイターズ」シリーズではもはやおなじみとなったバックパックに装着する支援メカ。中には犬型のものがあったりと非常にユニークなこのシステムですが基本的にはシューティングゲームの自機のような航空機型のものが主流となっています。ライトニングバックウェポンシステムもご多分に漏れず航空機型で、ライトニングガンダムのバックパックに装着することが可能です。
MS本体との合体手順はシンプルで、まず機体を本体、機首、ジョイントパーツの三つに分割します。続いてジョイントパーツの角度を変えて本体に装着、機首をライトニングガンダムのシールドと合体させます。あとは両方をMS本体に装着するだけ。
ライトニングバックウェポンシステム自体が薄い分、MS本体に装着しても必要以上にボリュームが出ることなく、非常にスマートなシルエットを与えてくれます。かつ、前方投影面積の大きさ故に見た目のインパクトも絶大で、機体の印象をガラリと変えてくれます。
また付属のビームキャノンはライトニングガンダムの肩に非常にマッチする設計。お好みで各ハードポイントに装着してやると余剰パーツも出ずプレイバリューも広がり一石二鳥です。
成型色が本体と共通なので違和感も全くなく、背中が寂しい印象だったライトニングガンダムのカスタマイズパーツとしては正にうってつけのキットとなっています。
設定上の元キットとなったリ・ガズィのバックウェポンシステムは、Z系のような複雑な変形機構を用いずにシンプルなパーツ着脱によって飛行形態になれることが最大の売りでした。ということで、ライトニングガンダム側も肩周りと脚の変形のみという最小限の変形でライトニングバックウェポンシステムに合体することが可能です。
また、肩アーマーと手甲が一つのラインとして繋がるようにデザインされているので、変形MSのキットにありがちな「手首を外す」必要がなく、余剰パーツがでないという点でも非常に優れた変形方法だと言えます。
さて、こんなに親和性の高いライトニングバックウェポンシステム。しかしその一方で「MS状態に装着できること」に違和感を持たれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。何せライトニングガンダムの元となった「リ・ガズィ」。そのバックウェポンシステム(BWS)は、あくまでMSを航空機形態に変形させるプロセスを簡便にするための外付け装置であり、MS形態に戻すためにはBWSを分離させる必要がありました。
しかしライトニングガンダムはこれをMS形態でも武装として組み込むことに成功しているのです。さらには単独での運用も可能という、マルチロール機としてはこれ以上ない他覚的な運用を視野に入れた汎用性を獲得するにまで至りました。流石はチナくんの弟だ、と言ったところでしょうか。
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その設計とデザインから、ほぼライトニングガンダム専用のカスタムキットのような印象を受けるライトニングバックウェポンシステム。しかし、付属されているビームキャノンがそうであるように本来はどういう使い方をしてもいいのがこのビルドカスタムシリーズです。
最近のHGシリーズのガンプラは、オールガンダムプロジェクトフォーマットのバックパックとなっているのでこのライトニングバックウェポンシステムも様々なキットに簡単に接続することが出来ます。また、規格が合わないニ穴形式のバックパックにも対応できるようにアダプターもセットされているので、僚機であるビルドバーニングガンダムにも装着可能。使い方はあくまで、ビルダー次第。ガンプラはどんな自由な発想で作ってもいいということを、改めて認識させてくれたキットでした。
「HGBC 1/144 ライトニングバックウェポンシステム」は好評発売中。価格は864円(税込)です。
(C)創通・サンライズ・テレビ東京 (C)創通・サンライズ
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■筆者紹介:ひびき
ゲームやアニメが大好きな駆け出しライター。
何事にも形から入る主義で困った性格。
環境や道具を整えるだけ整えて
いざチャレンジ、そして失敗。
そうして人は成長していく。
Twitter:@hibiki_magurepo