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『サマーレッスン』は、SCEのバーチャルリアリティシステム「Project Morpheus(プロジェクト モーフィアス)」(以下Morpheus)のVR技術デモで、キャラクターとコミュニケーションを図るというもの。今回は、そのゼネラルマネージャー/チーフプロデューサーの原田勝弘氏と同事業部の玉置絢氏に、それぞれの想いとビジョンを、プレイを通じてうかがいました。
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普及が望まれつつも、技術的・機能的な課題のあった「バーチャルリアリティ(以下VR)システム」。過去、多くの映画や漫画、アニメに登場してきた「未来を形にしたような」装置です。その普及の兆しがいよいよ見えてきました。私も子供の頃から随分と夢想してきたものですが、VRと聞いて真っ先に思い浮かべたのは、「serial experiments lain」の中に出てきたねずみというキャラクターと、映画「JM」で電脳空間にダイブするキアヌ・リーブス、そして映画「アヴァロン」の世界でした。ビジュアル的に似たものは他にも多くありますが、彼らは「この世ではないどこか」を見ているため、脳裏に焼き付いていたのです。
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その未来的な装置がいま目の前にあってこれから装着となると、否が応でも興奮するというもの。頭に装着されていくヘッドマウントユニットにモヒカンが潰されましたが、今はそんな事気になりません。視界を覆うユニット、耳にはヘッドフォン、室内の照明は落とされ、位置取りと測定を経て、さらにデモに没入できるような調整がなされます。装着時には全体的に密着感がありつつも通気性も考えられたものになっていたため、今後の改良によって快適さは増すのではないでしょうか。そして、いよいよ「サマーレッスン」の世界に突入です。
プレイを開始すると、視界全てが爽やかな室内に包まれました。清潔感があり、自分の汚部屋と比較して軽くめまいが。そうこうする内に背後から「先生」と呼びかけられたので後ろを振り向くと、これから教えることになる生徒が真横を横切ります。うわあ、こりゃ……いや、視線も合ってるし、やべえよこれは。どうしよう。いま俺ってば不審な動きしてないよね? と不安になってしまいそうな臨場感。青春の甘酸っぱい思い出と絶無だった筆者には、この環境そのものが仮想現実の中の仮想現実ですよ。真面目に彼女の表情をじっと見つめる俺。そんな筆者に笑顔を向けつつも、コミュニケーションを図ってくるんです。そう、なんと言うか、「自分から」ではなく、「向こうから」近づいてくる感覚。これは他では味わえません。プレイ中には思わず手が出てしまうほどの臨場感です。私の他にも編集部から計4名が参加したんですが、みな口数も少なくなりますし、完全に没入していました。
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『サマーレッスン』をプレイした方の反応はいくつかあるそうですが、中でもこの場にいた人間の反応は2種類。「ヨガ型」と「ニワトリ型」だそうで、目の前にいるキャラクターに対して緊張してしまって動かなくなる「ヨガ型」と、その逆にキョロキョロ回りを見回してしまう「ニワトリ型」に分かれるのではないか、とのこと。実際に筆者はヨガ型で、もう目の前にいるキャラクターに対してどうしていいものやら分かりませんでした。
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前述したようにとにかく臨場感が凄く、「キャラクターの存在や室内の空気感」すら、感じてしまうほど。もちろんそんなものはないのですが、つくづく、人は視覚情報から多くのものを得ているのだと感じたのです。Morpheusは、頭部の向きをジャイロで、早さを加速度センサーで感知し、PlayStation Camera(プレイステーション カメラ)で頭部の動きや位置を正確に検知しているとの事。なお、メガネをかけていてもフィットします。