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illustrated by tac_tis
国内のインディーゲーム開発者にインタビューを行う本企画。今回は『魔王物語物語』や『いりす症候群!』などのフリーゲームで知られるカタテマのてつ氏にお話をうかがった。カタテマは2003年の『勇者御一行様殺人事件』の発表以降、頻繁にフリーゲームを公開。独創的なゲームデザインと個性的なストーリーテリングを持つ作品には国内外を問わず多くのファンが存在する。
特に2007年に公開された『魔王物語物語』はRPGツクールを使用したシンプルなグラフィックスのRPGながらも傑作として名高い。歯ごたえのある戦闘と自由度が高いマップ、断片的なテキストから読み解くストーリーといった個性により幅広い人気を獲得した。2013年にはPlayismによる公式英語ローカライズがなされ、2014年にはPHP研究所から小説版が出版されている。2014年10月には久しぶりの新作『ムラサキ』が公開された。ブロックにショットを撃ちこみ、爆風で敵の弾幕を消し去るという斬新なシューティングゲームだ。和風の世界観とジャズやフュージョンのBGMという組み合わせも独特で、昨年のフリーゲームの中では個人的なGOTYだ。
今回は新作『ムラサキ』にこだわらず、カタテマのゲームデザインの美学にまで広く話題が広がった。てつ氏のゲーム制作のきっかけからカタテマの経歴、アーケードゲームで培われたレスポンスへのこだわり、『ロマサガ』から着想を得たゲームにおける物語のあり方まで、じっくりと読んでいただきたい。