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【Indie Japan Rising】傑作フリーゲーム『魔王物語物語』『ムラサキ』のカタテマが語るゲームデザインと物語

国内のインディーゲーム開発者にインタビューを行う本企画。今回は『魔王物語物語』や『いりす症候群!』といったフリーゲームで知られるカタテマのてつ氏にお話をうかがった。

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◆フリーゲームならではのマイペースな活動


遅い時間までインタビューに付き合ってくれたてつ氏。

――これまではフリーゲームの世界で活躍されてきたと思いますが、今はインディーゲームという大きな流れがあります。そういった中でご自身を振り返るとどうですか?

てつ:
フリーゲームの世界ではマイペースでやっているので居心地は良いです。コミックマーケットに出たり、有料ダウンロードゲームも出したりしていますが、やはりフリーゲームがホームです。コミケは半年に2回という締め切りがキッカリとありますが、フリーゲームはその点、自由でマイペース。

――ただ締め切りがないとモチベーションを保つのが大変ではないですか?

てつ:
確かに締め切りがないと制作はどんどん長引いてしまうものなのですが、どこかで諦めて終わりしないといけません。諦めるのは難しいことなのですが、協力してもらった方の手前もあるので。

――その点、コンテストなどがあればリリースしやすいですね。

てつ:
そうですね。その点、『ムラサキ』に関してはリリースのタイミングがなかなか決まらなかった。通しでプレイが可能になったのが2014年の半ばでした。そこでテストプレイをお願いして、ガンガン改良していった。そしたら2014年の終わりくらいになっていました。僕もゲーム制作をはじめたきっかけはコンテストパークだったので、コンテストは盛り上がってくれた方が良いですね。

――いくつかの作品は海外でローカライズされていますが、どういった経緯でなされたのでしょうか?

てつ:
基本的には野良パッチのようなものは勝手に出てきます。『魔王物語物語』に関してはPlayismさんが声をかけていただいたので、英訳してもらいました。

――海外の評判は知っていますか?

てつ:
わからないです(笑)。

――私が知っているのは英語圏では『いりす症候群!』が非常に人気なんですよ。

てつ:
そうらしいですね。確かにYouTubeでも動画があったりして不思議です。『愛と勇気とかしわもち』の方がテキストが少ないのでいいのかなって思っていました。

――『ムラサキ』のローカライズはどうですか?

てつ:
オーストラリアの方からメールもらってリソースファイルを欲しいということを頼まれました。何ヶ月か前くらいに渡しましたが、その後はどうなっているのかわからない(笑)。

――『ムラサキ』は英語のサイトも作っていますよね。

てつ:
『いりす症候群!』などは、ローカライズする人がデータを解析して言語パッチを勝手につくっているケースがありました。それだと無駄な労力がかかるので、ローカライズしたい人にはデータを提供しようと思ったのです。そういうことで英語のサイトも作っています。

――『魔王物語物語のつくりかた』でも書いていましたが、これからもゲームを作るときのターゲットは自分自身のままでしょうか?制作を通して変化などはありますか?

てつ:
変わりませんね。自分が嫌な要素は絶対に入れたくない。ターゲット層は毎回なんとなくは想定します。『ムラサキ』ではSTGが苦手な人や好きだけど苦手な人。僕自身もそこに含まれています。なので自分自身がターゲットだというのは一貫している。周りの環境に合わせて作ろうとすると、自分のやりたくないことをやらなきゃいけなくなる。もちろん、周りに合わせることが楽しいならばいいのですが。

――その点もマイペースですね。今後作っていきたいものは何かありますか?

てつ:
またRPGの要素があるゲームは作ってみたい。あとホラーゲームなんかは作ってみたいですね。

――ホラーゲームは面白そうですね。カタテマのストーリーテリングの手法に合いそうです。ぜひ楽しみにしております。

『ムラサキ』は近日中に新たなハードモード等を追加したアップデートが予定。またカタテマは4月26日に開催される同人音楽イベントM3に参加。そこでは『ムラサキ』のサウンドトラックが頒布される。ゲーム内ではループしていた楽曲の先の展開が聞けるというものになっており、気になった方はぜひチェックしてみてもらいたい。
《Game*Spark》
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