4月も中旬。軒並み春新番の第1話も放映・配信が出揃った頃合いでしょうか。待望のアニメ化となった「血界戦線」や、待ちに待ったゆるふわ日常系2期「ハロー!!きんいろモザイク」などなど、今期も様々な作品が賑わいを見せています。その中でも筆者が注目したいのは「放課後のプレアデス」。あの「ガイナックス」と自動車メーカー「スバル」のコラボ企画としてスタートした所謂「PRアニメ」ながら、4年の歳月を経てテレビアニメ化。その題材だけあってか、空の背景、特に夜空が非常に美しくに描かれており一目見て惚れ込んでしまいました。スバルの自動車をモチーフにした細部の設定や演出など、自動車好きもニヤリと出来るユニークな作品となっているので是非視聴してみてください。
さて、今週は先月末にグッドスマイルカンパニーより発売されました「figma シノン」をご紹介。こちらは、テレビアニメ「ソードアート・オンラインII」のファントム・バレット編に登場したキャラクター「シノン」のアクションフィギュアとなっています。
「シノン」は、劇中でのバーチャルMMOFPSゲーム「ガンゲイル・オンライン」、通称GGOにて活躍する朝田 詩乃(CV:沢城みゆきさん)のアバターです。凄腕のスナイパーとしてその名が知られており、愛銃のアンチマテリアルライフルであるヘカートIIにちなんだ「冥界の女神」の二つ名を持ちます。所謂ヒロインポジションのキャラクターであり、ファントム・バレット編では彼女を中心とした物語が展開。彼女の壮絶な過去とそれを乗り越えんとする姿に心を打たれた人も多いのではないでしょうか。筆者もそのクチで、SAOシリーズでもトップクラスにお気に入りのキャラクターです。単純に銃を持った女の娘はカッコ可愛い、というのもありますがね。
さて、ゲーム内アバターということで結構手の込んだ衣装を身に纏うシノンなのですが、これを立体化するとなるとさあ大変。細かな衣装の塗り分けはもちろんのこと、アクションフィギュアともなるとこの特殊な衣装をどう分割していくか頭の痛い題材でもあるのです。ですがそこはさすがのfigmaクオリティ。何処をとっても見栄え良くかつ遊びやすく設計されているのは見事です。
可動は標準的なfigmaレベルにまとまっていますが、手首付近の二重関節など銃火器を扱うキャラクターとしての配慮が行き届いています。他にも、肩部関節と上半身ジャケット部の軟質パーツや、腰パンツ部分と腹部分の分割可動など、動かした際に見栄えが悪くならない様に考えつくされた各部のギミックは見逃せません。また、マフラー部根本にfigma関節が二箇所内蔵されており、全体の表情付けに一役買っています。下半身の腰と腿をつなぐ部分には軟質パーツが採用されているなど、並みのアクションフィギュアでは別パーツ分割化してしいまいそうな箇所も、見た目が破綻しないよう最大限工夫されているのは正に職人芸。
もちろんのこと、造形の緻密さにおいても一切の抜かりはありません。皮膚に刺さるほどシャープでなめらかな頭髪、アニメから飛び出してきたかのような表情の再現度、腰の衣装の食い込み具合、腿のセクシーな肉感などなど、スケールフィギュアにも引けをとらない情報量と造形美を堪能することが出来ます。
付属品では大物として愛用のアンチマテリアルライフル「ヘカートII」が付属。こちらの造形も見事で銃口やマズルブレーキもきちんと開口されています。ゴム製のベルトが付属しており、愛銃を背負うポーズも再現可能です。ヘカートII自体に特に可動などはなく、スコープのカバーも開いたままではありますが、ギミックとしてストックの延長、およびバイポッドの差し替え展開を行うことが出来ます。もちろん、バイポッドが展開できるということは狙撃体制を再現可能ということ。figma標準の可動では寝そべった際の頭部可動のクリアランスに問題がありましたが、今回は狙撃ポーズ再現用に襟足が浅く削られた交換用頭部が付属しているのが嬉しいポイントです。後ろ側、マフラーをつけていれば目立ちにくい箇所で、本当にちょっとした違いなので、交換用頭部を普段使いするのもアリじゃないでしょうか。
可動するマフラーは首にはめられているだけなので取り外しが可能。口元を隠して表情を演出できるナイスなアイテムであるマフラーですが、顔がやや見えづらくなるのも確かです。せっかくの可愛い表情を隠してしまいたくない!という人はお好みで取り外してみてください。
その他、サブウェポンとして拳銃が付属。特に表記がありませんがロングマガジンを装備しているのでアニメ版のグロッグ18でしょうか。こちらは臀部のホルスターに収納することも可能です。また、拳銃用のクリア造形のエフェクトパーツも付属しています。銃口にはめるだけでお手軽に銃撃シーンを演出できるのでこれは嬉しいパーツですね。
交換用表情パーツは贅沢に3つ付属。「通常顔」のほか、「食いしばり顔」や劇中でも印象的なシーンの再現である「笑顔」がセットになっています。
単なる「SAOII」のファンアイテムという側面のみならず、「銃を持った女の娘」というだけでもかなりのプレイバリューを誇るアクションフィギュアとなっていました。付属武器で劇中再現はもちろんのこと、「リトルアーモリー」シリーズや、「リアリスティックウェポン」シリーズをお持ちの方は是非組み合わせて遊んでみてはいかがでしょうか。
「figma シノン」は好評発売中。価格は5,370円(税別)です。
(C)2014 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊/SAOII Project

■筆者紹介:ひびき
関西在住のゲームやアニメが大好きな駆け出しひきこもり系ライター。そのシーズンに放送されているアニメはすべて視聴する暇人。ゲームのプレイは基本的にまったりじっくり足が遅い方。2012年からINSIDEにてライター活動を開始。お仕事はTwitterにて随時受付中。
Twitter:@hibiki_magurepo