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昨年シアトルで開催されたPAX Primeにも登場していたこの移動車両。今回は、特設会場として6つのテントが車両のまわりに設営されていました。車両のVR体験コンテナでプレイできるゲームはPAX Primeと同じものでしたが、特設テントでは別の2種類のゲームがプレイ可能となっていました。
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その内の1本は、Viveを装着しフィットネスバイク乗ってプレイするゲームで、ペダルをこぐことで、馬やペガサス、F1カーを操作できるというもの。もう1本は飛行機シムということでしたが、調整中で残念ながらプレイできませんでした。
筆者は、新型のViveがどのように変わったのかを判断するためにPAX Primeと同じゲームを選択。以前レポートを書いた海の中を体験できる『theBlu』、空間に自由に絵が描けるゲーム、オフィスやキッチンの事務用品や家電を操作する『Job Simulator』、Valveが手掛けた『Portal』のAperture Science社の中で次々に出されるお題をクリアしていくパズルゲーム『Aperture Science』の4本をプレイしました。
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新型Viveの最大の特徴は、フロントカメラの追加により現実世界の視認が可能になったことですが、今回のデモでは残念ながらその機能は使うことができなかったため試せませんでした。
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前回はすべてスタッフが装着してくれましたが、今回はスタッフからHMDを渡され、自分で頭にセット。PS VRと異なり、伸縮するゴムバンドにより固定されるので、細かい調整がいらずにすんなり頭にフィットします。また、個人差はあると思いますが、PS VRで感じたような頭の締め付け感もほとんどありません。また、もともと軽かった以前のものよりもさらに軽くなった感じもします。
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新しくなったコントローラーは、かなり握りやすくなっており、手にぴったりフィットします。また、トラックパットのフィーリングはSteamコントローラと非常に似ています。今回プレイしたゲームは、トリガーで何かものを掴む、トラックパッド押し込みでゲーム上のプレイヤーの手を伸ばす、トラックパッドでツールの選択やさまざまなオプションを選択という操作が基本になります。
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最初にプレイした『theBlu』は、海底をただ見て歩き回るだけのゲームながら、以前体験したものと比べて解像度が上がったように感じました。自分の周りを泳ぐ小魚や迫ってくるクジラは、息を飲むほどの臨場感を感じられます。
今回は特設テントの中でのプレイで、途中で強風が吹いてテントに据え付けられたルームセンサーが動いてしまい、Vive上の映像がガクガク揺れ動くというアクシデントが発生。視野全体を覆っているViveの画面が揺れると、本当に地震であるような錯覚を受けるのでなかなか恐ろしい体験に。
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『Aperture Science』も前回のプレイ内容と同じものではあったものの、やはりグラフィック向上によりゲーム中のATLASが本当にこちらに向かって歩いてくるようで感動します。『Portal』の世界の中に自分が存在しているという感覚は、同シリーズのファンには是非とも体験してほしいところです。
他のVR機器にはない「歩き回ることができる」という要素に、「現実世界を視認できる」という要素が新たに追加されたVive。CESの体験会場でも発売は2016年4月であると告知されていることから、3月下旬に発売が決まったOculus Riftの手ごわいライバルとなりそうです。
記事提供元: Game*Spark