
本当は一緒に連れて行った「キューポッシュ 秋山優花里」と一緒に写真を撮りたかったのですが、周辺にはたくさんの巡礼者たちが集まっていたので、今回はパネルの写真を撮るだけにしておきました。また来るからね。そのときにね。
その隣のスペースでは「型抜き」をやっている人たちがいました。店主らしき人物が「やってくかい?」と声をかけてくれましたが、初対面でそんなコミュニケーションは筆者にとってレベルが高すぎるので「また今度に……」と逃げました。
この和気あいあいとした雰囲気。ここはリア充がたくさんの思い出を作っていくというダンジョン、駄菓子屋さんだったのか!秋山殿をずっと眺めていたいけど、ダンジョンに近づくのはつらい。筆者も昔は駄菓子屋をよく使っていましたが、心に600mm砲を受けてしまってな。
そんなこんなで大洗を散策して楽しんでいたのですが、そろそろ撤収しなくてはいけない時間になってきました。名残惜しさを感じますが、こればかりは仕方ないですね……。また、そう遠くないうちに「大洗に帰ってこよう」と固く誓って、重たい足を引きずって大洗駅に戻ってきました。

駅には最初に触れたとおり、ガルパンに染まりすぎている観光案内所があります。水戸行きの発車までに30分ほど時間があったので、そのなかを見物したり、劇中にも登場していた駅の売店を利用してみたりして、最後の悪あがきだとでもいわんばかりに聖地巡礼を楽しみました。
今回、初めて大洗にやってきましたが、ガルパンファンのみなさんが口を揃えて「何度も行きたくなる」と言う気持ちが少しだけわかった気がします。それは現地のみなさんの温かさだったり、美味しい海産物だったり、アニメの世界に入り込んだような感覚が味わえることだったり、理由はそれぞれで違うと思いますが、筆者の場合は「ゆっくりと流れる時間」という大洗の全域で感じられる不思議な感覚がとても心地よかったことが大きいですね。
大洗磯前神社についた時、体感時間では「そろそろ14時くらいかな?」と思っていたのですが、実際は12時になる少し前でした。多少のズレなら気にならないでしょうが、2時間もの誤差があったことには少しばかり恐怖を感じましたね。普段の私がどれだけ時間に追われる生活をしているのかがよくわかります。
途切れることのない車の流れ、溢れんばかりの人、昼夜を問わない喧騒。そういったものから離れられる機会は物心がついたころから都会暮らしをしている筆者にはとても貴重なもので、旅先に人気のない山奥を選んだり、田舎町に出掛けていったりするのもそれが理由。しかし、今回の大洗旅行ほど心が安らいだ旅は初めてでした。
そんな安らげる場所で、好きなアニメの縁の地を巡り、好きなキャラに想いを巡らせ、美味しい料理を食べて……見渡せばいつでもどこでも、同志と呼べる仲間がいると。そりゃ何度も訪れたくなりますわ。
あー……帰りたい。大洗に。

■著者紹介・haruYasy.(はるやん)
「ねとらぼ」「カルラボ」など複数のメディアでフィギュアやアニメ、ゲームなどのネタを扱うフリーライター。趣味はフィギュアの屋外撮影。マイ・ベスト・ゲームは「サガフロンティア2」。将来の夢は住所不定の旅人。
Twitter: @haruYasy