今週はバンダイより発売中のガンプラ「MG ZGMF-X10A フリーダムガンダム Ver.2.0」をご紹介します。こちらは、TVアニメ「機動戦士ガンダムSEED」の後期主人公機「フリーダムガンダム」を1/100スケールという大きさと、それに見合う緻密さを兼ね備えるMG(マスターグレード)で立体化した、シリーズ最新作となるガンプラです。

旧版から約12年の時を経て「Ver.2.0」として再登場したこのフリーダムですが、もちろんパーツ流用などは一切なく、フルモデルチェンジバージョンとして再設計されています。全体のフォルムとしては、ややスマートに。全高としては大差がないものの、バランスの調整により、旧版よりも頭身がわずかに伸びた印象となっています。
大まかなデザインとしてはフリーダムの基本を踏襲しながらも、クスィフィアス(腰部レール砲)やバラエーナ(肩部プラズマ収束ビーム砲)といった武装周りは形状に新解釈を導入。特にバラエーナはバレルの延長や上下カバーの展開など、新しいギミックが仕込まれています。


そしてやはり目を引くのは、これでもかと全身に追加されたディテールの数々。昨今の改造ガンプラで施されるような、緻密なパネルラインをパチ組状態でも楽しむことが出来ます。フェイスマスクのへの字や、肩・フロントスカートのモールドはきちんと穿孔されており、一部には裏打ちパーツもあるため非常に見栄えがよく、基本改造の余地が無いほど。当然ながら合わせ目なども全てパネルラインとして処理されており、組み立てただけで写真の通りのクオリティを堪能できちゃいます。
可動性も拘り抜かれており、肩基部からの跳ね上げや前後スイング、左右独立引き出し式の股関節など見所満載。一方で装甲のスライドギミックは太腿にあるのみで、連動した可動ギミック的には、やや落ちついた印象を受けます。MGシリーズとしては恒例のコックピットハッチの開放のほか、脚部スラスターカバーの開閉なども可能です。
手持ち武装は基本的なものが揃っておりルプス・ビームライフルとラケルタ・ビームサーベルが付属。ルプスは専用の握り手によってしっかりと保持することができます。接続ピンがグリップの前面に配置されており、やや持たせづらいながら見栄えと保持力を両立しています。ギミックとしてはフォアグリップの展開のほか、腰部裏側へのマウントなどが可能となっています。
ラケルタは腰部クスィフィアスの基部にマウント可能、ビームサーベルは2本付属しており、アンビデクストラス・ハルバード形態も連結パーツ無しで再現することが出来ます。この辺りの仕組みは「HG REVIVE」版を彷彿とさせますね。
このほか、ラミネートアンチビームシールドも付属。展開式のグリップで保持できるほか、HG REVIVE版ではオミットされていた肘関節へマウント可能な接続ポイントも復活しています。
また、簡易スタンドも付属しており手軽にディスプレイを楽しむこともできます。こちらはバックパックで支える専用の形状となっており、2段階の角度調整付き。重たいウィングを持つフリーダムはディスプレイが難しいだけに、このオプションはありがたいですね。


完全リニューアル版として、ストライクガンダムなどで見られた「Ver.RM」ではなく、あくまで「Ver.2.0」として登場した今回のフリーダム。その名に見合うだけのクオリティとなっていたのではないでしょうか。それを体現するのは、前述のとおり本キット最大の特徴ともいえるディテールの細かさ。全身にびっしりと、かつ煩くない程度に考えつくされたモールドは、もはや後から追加するのが困難なほど。ある意味でモデラー泣かせなこの仕様ですが、軽く墨入れしてやるだけでも情報密度が増して全体の印象がグッと引き締まります。パチ組派の方も是非一度試してみてください。
もちろんのこと、最新作だけあって組みやすさにも磨きがかかっており「ややパーツ数の多いHG」といった印象に。HGシリーズは組めるけどそれ以上はちょっと……と足踏みしていた方にも是非組み立ててみて欲しいキットとなっていました。オススメです!
「MG ZGMF-X10A フリーダムガンダム Ver.2.0」は発売中。価格は4,500円(税抜)です。
(C)創通エージェンシー・サンライズ

■筆者紹介:ひびき
関西在住のゲームやアニメ、おもちゃが大好きな駆け出しひきこもり系ライター。そのシーズンに放送されているアニメはすべて視聴する暇人。ゲームのプレイは基本的にまったりじっくり遅い方。2012年からINSIDEにてライター活動を開始。お仕事はTwitterと個人サイトにて随時受付中。
Twitter:@hibiki_magurepo
個人サイト:日々気まぐれ屋(http://ogsaga2.rosx.net/)