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台湾台北市に行われている「台北ゲームショウ2018」にて、PS4ソフト『北斗が如く』のステージイベントが実施され、総合監督の名越稔洋氏とゼネラルプロデューサーの佐藤大輔氏が登壇。本作に関する最新情報や開発に関する話などを語りました。
『北斗が如く』は、原作となった漫画はもちろん、TVアニメも大ヒットとなった「北斗の拳」の世界と魅力を、「龍が如くスタジオ」が独自の切り口で描き出すアクションアドベンチャーゲームです。荒廃した世界を舞台とする完全オリジナルストーリーが展開し、原作キャラクターはもちろん新規キャラクターもゲーム内に登場。ファンお馴染みの秘孔アクションを取り入れた爽快なバトルや、世紀末の歓楽街を遊び尽くすことのできる一作です。
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『龍が如く』シリーズのファンのみならず、「北斗の拳」好きからも高い注目を集めている本作ですが、その最新情報が海を越えた台湾から発信されたので、そのステージイベントのレポートをお届けします。
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多くのファンが集った会場を舞台に、名越氏は歓声に出迎えられながら登壇。「(この時を)楽しみにしていました。今日はよろしくお願いします」と挨拶。
また佐藤氏は、第一声で「ダー ジャー ハオ」と中国語で挨拶。来場者との距離を近づけつつ、「実機プレイも交えながら、『北斗が如く』の魅力をお伝えしていきたいと思います」と語り、会場を沸かせました。
MCの質問に答える形で、「(台北ゲームショウには)何回も来ています。前回よりも来場者が圧倒的に増えているので、今後も台北ゲームショウが大きくっていくのだろうと予感しています」と名越氏がコメント。台湾におけるゲーム市場の盛り上がりを伺わせました。
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東京ゲームショウと台北ゲームショウの違いや類似点について聞かれた佐藤氏は、「(台北ゲームショウには)2年ぶりに来ました。日本も熱いんですが、台湾の人の熱気みたいなものも強く感じます」と返答。ゲームに対する熱意は、万国共通なのかもしれません。
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続いて『北斗が如く』の映像を披露した後に、本作に関する様々な質問が飛び出し、本作のポイントや開発における裏話などが語られました。
「これまで「北斗の拳」を題材とした色々なゲームが登場しましたが、本作はまったく異なっており、セガだからできるゲームのように感じました」とMCが感想を告げると、「(『龍が如く』と「北斗の拳」が)コラボレーションできたことで、今までにない新しさが出ていると思います」と名越氏が応じます。
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『北斗が如く』では『龍が如く』で活躍した声優が起用されており、桐生一馬役の黒田崇矢さんがケンシロウの声を担当するなど、大きな話題となりました。この点について質問を投げかけられた名越氏は、「(どの声優が起用されるかは)最初から決まっていたわけではありません。ケンシロウと桐生一馬が似ているのでどうだろう、というところからスタートしました」と返答。
さらに、黒田さんの起用について「原作者の原先生の承認も得た。『龍が如く』と完全にコラボレーションするならば、声優も一緒にした方がファンの方にも喜んでもらえるんじゃないかということで決定しました」と、その背景を明かします。
また、「制作時の印象に残ったエピソードは?」との質問に対し、原哲夫先生が収録を見に来た時の出来事を佐藤氏が詳しく紹介。「『北斗が如く』で主役を務める黒田さんは、もともと「北斗の拳」が大好きで、原先生を見たらガチガチに緊張してしまい「上手く「アタタッ!」が言えない、といったことがありました」と、意外な裏話を披露しました。
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ここからは、「台北ゲームショウ2018」に出展しているバージョンを用いた実機プレイを交えての解説がスタート。ゲームの冒頭は「原作と同じ」との説明どおり、サザンクロスにケンシロウが乗り込んでくる場面から始まります。
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プレイを披露しながらバトルにおけるベーシックな部分に触れ、□ボタンの連打が基本とのこと。また、□ボタンから△ボタンに繋げると別のコンボに派生します。また、敵を倒すと「宿命玉」が手に入り、このアイテムを使うことでケンシロウが強くなります。この強化が重要で、「宿命玉」が手に入ったら出来るだけ早く使うのがお勧めとのこと。
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更に、『龍が如く』と大きく異なる点として、「コンボを決めていくと頭の上のドクロが○に変わり、秘孔を突くことができるようになります」と、「北斗の拳」とのコラボならではの要素にも言及。ちなみに、アクションが苦手な人向けの要素もあるため、より幅広いユーザーが楽しめる一作となりそうです。また、「奥義」はボタン入力が求められ、成功すると追加ダメージが発生。ゲームに慣れたユーザーならば狙いたいところでしょう。
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このほかにも、ゲージが溜まり「バーストモード」が発動するとジャンプ攻撃が出来るようになり、攻撃力も上昇するといった情報も。様々な要素が明かされると共に、実機プレイでは多彩なアクションを展開させ、「北斗百烈拳」を繰り出した際には会場から大きな歓声と拍手が巻き起こります。
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その後も興奮を呼ぶ実機プレイは進み、ケンシロウがシンと対峙。原作の再現ぶりをたっぷりと披露したところで、「ここから先は、試遊台で遊んでいただければと思います」と締めくくりました。また、実機プレイが終了した後に、なんと「桐生一馬」が映像で登場。このサプライズに、来場者の歓声がひときわ広がります。
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『北斗が如く』について佐藤氏は、繁体語版と日本語版を3月8日に同時発売と報告。初回特典としてラオウの愛馬である「黒王号」の宿星護符が入手でき、このゲーム内アイテムには攻撃力が一定時間アップする効果が得られます。
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さらに、プレミアムDLCセットが同梱となるプレミアム・エディションなども紹介されました。プレミアムDLCセットの内容は、「ケンシロウの見た目を、『龍が如く』の桐生一馬に変更」、「追加BGM(“愛をとりもどせ!!”、“TOUGH BOY”)、「装備アイテム・宿星護符“南斗五車星”セット」、「原哲夫先生描き下ろしのPS4用テーマ」です。
裏話や実機プレイ、桐生一馬の登場などで湧いたステージイベントも、残念ながら終わりの時間が近づきました。このステージイベントを、両名からの挨拶で締めくくります。
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佐藤氏は、「今回の『北斗が如く』は、「北斗の拳」を知らなくてもしっかり楽しめるゲームになっており、龍が如くスタジオとして新しい挑戦を詰め込んだゲームです。『龍が如く』のガワを変えただけのゲームではないと思っています。開発チームが自信を持って、皆さんに楽しんでいただけるものを作り上げました。ぜひ、発売日を楽しみに待っていてください」との言葉を残しまた。
名越氏は、『北斗が如く』のステージイベントに足を運んだ方々に向けて感謝を述べた後、「たくさんのファンのためにも、日本と同時に発売したかった。無事発売できそうで、ホッとしています。「北斗の拳」を知っているから、『龍が如く』が好きだから、どんな理由でもいいので触ってもらえると、新しいコンテンツの魅力に気づくことができると思います。ぜひ体験し、良かったら予約して買ってもらえたらと嬉しいです」とコメント。
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そして最後に、また何らかの形で台湾に来たい、その時にはまたよろしくお願いしますと名越氏が語ると、来場者からは日本語の「ありがとうー!」という声が上がります。日本発のゲームと台湾のゲームファンの交わりは、喝采と熱意に綴られながらこうして閉幕。きっと『北斗が如く』の発売日には、また新たな交差が生まれるに違いありません。その嬉しい瞬間は、日本と台湾、両方のゲームファンが同じ日に味わうことができます。どうぞお楽しみに。
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