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立体的に積み重なる「石」を動かして足場を作り、最上階を目指してひたすら上り続けるアクションパズルと、主人公・ヴィンセント(CV:山寺宏一)を取り巻く過酷な三角関係を描く物語を融合させた『キャサリン』。
5年の付き合いになる恋人のキャサリン(Katherine/当記事ではKキャサリンと表記)と、自由奔放な美女・キャサリン(Catherine/当記事ではCキャサリンと表記)の間に挟まされ、踏ん切りのつかない甘さと犯した行為のツケを突きつけられるヴィンセントの日々が、文字通りの「悪夢」と共に描かれました。
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この『キャサリン』は2011年2月にリリースされましたが、この“問題作”が、新要素やボリューム増などを加え、2019年2月14日に装いも新たに『キャサリン・フルボディ』として復活。3人目となる「リン」を交える四角関係へと発展し、ヴィンセントの混乱と困惑の日々がよりパワーアップして戻ってきます。
『キャサリン・フルボディ』で追加される要素は多数ありますが、3人目となるリンも登場する体験版が1月11日より配信開始しました。本体験版は、序盤の二日間をダイジェストで味わえる特別編集バージョンで、新要素となる“フルボディ”の一端も垣間見せてくれます。
そこで今回は、この体験版のプレイを通じて味わった“フルボディ”なポイントなども踏まえたプレイレポをお届けします。まだ体験版をプレイしていない方や、プレイする時間がまだ作れていない人は、こちらを参考のひとつにして『キャサリン・フルボディ』を購入するか一考してみてはいかがでしょうか。
◆Kキャサリンの可愛さに気づかされ、Cキャサリンの声に魅了され、3人目の登場で新たな可能性が開く・・・
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体験版を起動すると、まずは“ぺたん”と座ったリンがお出迎え。もちろん『キャサリン』にはなかった画像です。スカート丈が短いため、いきなりドキリとさせられます。煮え切らないヴィンセントに苛立つこともあるKキャサリンと、好意と激情が同居しているCキャサリンに挟まれる日々を『キャサリン』で味わったユーザーにとっては、リンの存在はまさに癒やし(※今のところ)。リンの姿に和みつつ、新たな世界の扉を開けると・・・。
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下着姿で縛られ、身動きの取れないヴィンセント! そんな彼を一瞥もせず、ワインを飲んだりピアノを弾き続けるキャサリンたち。そんなタイトルシーンの登場に、早速肝を冷やされます。もちろん、こちらも新規です。ああ、この先どうなってしまうことやら。
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製品版では様々なモードが用意されていますが、体験版で選べるのはストーリーに当たる「ゴールデンシアター」と「コンフィグ」のみ。また、4段階ある難易度も、体験版では「Safety」しか選べません。ちなみにこのSafetyも、『フルボディ』からの新要素です。
前作は、歯応えのあるパズル部分も高評価を得た一方で、難しくて挫折してしまったユーザーもいました。しかし、今回用意されたSafetyは、「罠が発動しない」「時間制限なし」「ゲームオーバーにならない」といった特徴があり、パズルアクションが苦手な方でも気軽に楽しむことができます。
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さらにSafetyには、また、最短ルートを自動で登ってくれるオートプレイもある上に、パズルそのもののスキップすら可能。文字通りストーリーだけ楽しむこともできるため、誰でもクリアまでたどり着くことができます。
また『フルボディ』では、ステージタイプを「スタンダード」と「アレンジ」から選択可能。前作をプレイ済みの方は、「アレンジ」をチョイスすると新しいパズルステージを楽しめます。また、「スタンダート」は前作版と同じステージ構成となりますが、全体的に遊びやすく調整されているとのこと。前作でクリアを諦めた方も、この「スタンダード」で再挑戦してみてはいかがですか。どうしても行き詰まった時は、Safetyを活用しましょう!
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「ミッドナイト・ヴィーナス」こと石田☆ルウの導きを経て始まる、異色の恋愛ホラー作品『キャサリン・フルボディ』(の体験版)。ヴィンセントが歩む複雑な人生のマリアージュの幕開けは、3人目となるリンとの出会いからでした。
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何者かに追われるリンが、たまたま通りがかったヴィンセントとぶつかってしまい、リンが彼の頭の上に乗ってしまうハプニングが発生。何度見ても、なかなかに衝撃的なシーンです。倒れてるヴィンセントが醸し出す無力感も味わい深いところ。
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しかしその場面は一度区切られ、最初のパズルステージに突入。基本的な操作方法などをレクチャーされつつ、最上段に向かって突き進みます。このステージで、Safetyの詳しい内容なども教えてくれるので、パズルアクションが苦手な方はしっかりチェックを。
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パズルステージをクリアすると、Kキャサリンとのデートシーンを経て、行きつけのバーでクダを巻くヴィンセント。前作でもお馴染みの流れです。Kキャサリンの言動などを漏らすと、友人に「それって、結婚しろって意味じゃないの?」と釘を刺されてしまいます。
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すると、場面はリンとの出会いの続きに切り替わります。リンの手を取って走り出したヴィンセントは、工事中の穴に落ちてしまいました・・・が、そのおかげで追っ手を振り切ることができた模様。そこでようやく、リンと落ち着いて話ができる状況になりました。
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が、落ちた時の衝撃のせいか、リンの記憶喪失が発覚。何も思い出せないリンから事情を聞き出せるわけもなく、それどころか行き場もありません。その結果、行きつけのバーで働きつつ、たまたま空き室だったヴィンセントの隣りの部屋に当面落ち着くことが決まりました。
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ちなみに、リンのピアノの腕前はあまり芳しくない模様。ですが、前向きに頑張る意欲に溢れており、その心意気に癒やされます。その無垢な笑顔といい、まるで天使のようです。
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そしてひとりになったヴィンセントの元に、Kキャサリンからメールが。このメールのやりとり自体は前作もありましたが、本作では添付写真が一新されており、この体験版でも早速お披露目!
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チアリーダーなKキャサリンの姿は、普段とのギャップも相まってかなり新鮮で、メールの返信でつい「正直グッときた」と返してしまいました。ちなみに返信メールの文面は、文章ごとに変更できるので、ツレない返事を送ることも可能です。
Kキャサリンとのやりとりが一段落すると、いよいよCキャサリンの登場・・・の前に、まずはCキャサリンの声を選択。『キャサリン』におけるCキャサリンのCVは沢城みゆきさんでしたが、本作ではDLCを適用することで11人の声優陣から、プレイヤー好みのCキャサリンの声を設定できます。
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今回遊んでいるのは体験版なので、選択可能なのは「キュートな小悪魔」(CV:沢城みゆき)と「ヤンデレ淑女」(CV:能登麻美子)のみ。ですが、サンプルボイスはなんと全員分あり、11人のCキャサリンの声を、この体験版で聞くことができます! あくまでサンプルのみとはいえ、なかなか嬉しい計らいです。
ちなみにこのサンプルボイス、「私を選んでくれたら・・・」から始まる共通の台詞があり、沢城さんだと「あーんなことやこーんなこと、させてあげてもいいよ」ですが、能登さんの場合は「たっぷりお礼するから・・・いかないで」となります。そんな風に言われたら選べるわけがないよ! ヴィンセントの気持ちを疑似体験したような気分です。
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もちろん、残り9人分のサンプルボイスにも上記の台詞があり、釘宮理恵さんでは「一緒に二度寝しちゃおっか?」、堀江由衣さんだと「あなたのこと、ずーっと見つけてあげるから」など、いずれも美女に言われたい台詞ばかり。このサンプルボイスを聞くだけでも、体験版を遊ぶ価値アリです。
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サンプルボイスへの未練を断ち切りつつ先に進むと、Cキャサリンがヴィンセントの元へ。沢城さんもしくは能登さん(選択した方)の声を持つCキャサリンとバーで飲んでいる・・・と、そのまま2つ目のパズルステージに。
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羊人間と会話を交わし、告解室での質問に答え、パズルステージに挑戦。ここでは新たに、アイテムの使用方法などもレクチャーしてくれますが、恐るべき追っ手から逃れたい一心でひたすら進みます。
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こうして死地を潜り抜けた先に待っていたのは、Kキャサリンとのベッドシーン。どうやら5年前、つまり付き合い始めたばかりの二人のようです。Kキャサリンの身体を気遣うヴィンセントと、彼の腕にしがみついて幸せそうなKキャサリン。今の二人からは想像しにくい雰囲気ですが、歩んできた道のりの中には当然あった時間でしょう。つい忘れがちなひとときに、プレイしているこちらの心もほだされてしまいます。
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そこで目を覚ますヴィンセント。どうやら、当時の出来事を夢で思い出していた様子。そして、彼の隣には・・・。
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はい、Cキャサリンです! 裸の男女がベッドにいる状況は、もう言い訳不可能です。前作経験済みなので、この展開については心の準備が出来ていたものの、決定的な1歩を踏み出してしまった事実はやはり重い! しかも、Kキャサリンの思い出を振り返った直後なのがまた苦しい。つい忘れがちなひとときから、忘れてしまいたいひとときにその身を置くこととなりました。さあ、ここからが受難の始まりです。
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そして、ゲーム内ではある程度時間が経ったのか、「6TH-DAY」の表記が。ヴィンセントが自室の前にいたその時、隣室からおかしな気配が漂ってきます。慌てて部屋に駆け込むと、タオル姿のリンが倒れていました。
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慌てて揺するとリンが目覚め、身体に巻いたタオルがはらりとめくれます。が、気にせずに立ち上がるリン。ちなみに位置関係的に、ヴィンセントの目前にはリンの下腹部が。なんというか、色々モロです。
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そこで釘付けになるヴィンセント。しかしそこに興奮などはなく、驚愕と困惑が広がります。果たしてそこに何があるのかはまだ分かりませんが、天使のようなリンの秘密が、ヴィンセントの目の前に“ぶら下がっている”のかもしれません。
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ここで体験版のプレイは終了。気になる場面も数多く、もっと遊びたいのが正直な気持ちですが、この欲求は2月14日までお預けです。ですが、この体験版だけでも、“フルボディ”な部分の触りを味わうことができました。
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前作ではキツさが目立ったKキャサリンの印象が変わりそうなシーンの数々、Cキャサリンの魅力的過ぎるサンプルボイスの数々、リンとの出会いから始まる新たな可能性の扉、Safety実装による間口の広さ・・・修羅場極まる“四角関係”を味わえる『キャサリン・フルボディ』の刺激に酔いしれる日が、今から待ち遠しいばかり。あなたも、“フルボディ”なテイストを堪能してみませんか?