最新映像と共に発売日が11月8日と発表されたコジマプロダクション開発のアクションゲーム『DEATH STRANDING (デス・ストランディング)』。同作の最新トレイラーでは、“対消滅”や“時雨(タイムフォール)”、“BB(ブリッジベイビー)”など様々な言葉がまとめて登場したことで、ある程度内容が推測できるほどになりました。本稿では未だ謎多き本作の内容について解説していきます。
どこまでも行けるマップ―僅かに映されるゲームプレイシーン
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5月末に公開された「発売日告知2019トレイラー」では、日本語音声付きのゲームプレイシーンが映されています。青空が見えない曇が広がる山の斜面や、崩壊した建物、岩山、雪山、森、草原がロケーションとして登場。ここでは、梯子を伸ばし高所に登るシーンや(伸ばした梯子を持ち運べる)クライミングアンカーなど登山に関係する装備が登場しています。
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草原のシーンでは何者かに探知され、背負ったコンテナがハイライトされると共にミュールとの追撃戦が展開。トラックが迫ってくる場面とバイクで逃走するシーンでは、何らかの装置が取り付けられた柱が映されています。
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ゲームプレイシーンで気になるのは、検出装置を起動させた時に現れる、宙に浮かぶあやふやな人型の存在でしょう。よく観察してみると、彼らは何らかの存在と紐で繋がっており、サムが呼吸するとその存在を感知したのか一気に襲いかかってきます。他にも、サムや彼らの足跡がハイライトとして表示されているため、アニマル・トラッキングに似た要素が入っているのかもしれません。
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第一次世界大戦の戦場が登場―過去の時代の繋がりが垣間見える
ゲームプレイシーンの中に、第一次世界大戦の戦場が現れていることはひとつの特徴でしょう。マッツ・ミケルセンと繋がりを持っている兵士に目を向けると、特徴的な皿ヘルメットとショットガンを装備しています。他にも、兵士や菱形戦車が現れるシーンでは、存在が曖昧なのか粒子感が強く表現されています。
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特に菱形戦車の表面に目を向けてみると、PSX 2016ティザートレイラーで登場した戦車のように生き物の臓器のようなものが表面に付着しています。また、本作の銃撃戦要素は極力抑えられていると説明されていますが、ここでサムがアサルトライフルを持って攻撃していることから、多少なりとも戦闘要素は備えられていることが分かります。
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また、映像の途中には、蜘蛛の巣状に広がった有刺鉄線に赤ちゃんの人形と謎の人物が繋がっているシーンがあります。PSX 2016トレイラーのように、赤ちゃん人形の先にはいつもクリフがいるため、人形は何らかの依代のような効果を持つものなのかもしれません(赤ちゃん人形の右目が痙攣しているのも含め)。
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時雨、対消滅、金仮面の人物―謎多き要素
今回のトレイラーでは、 “エッジ・ノットシティ”の独立自治を要求する分離過激派のテロリスト集団について触れられています。このシーンでは、高架線下で雨を避けるように拘束されたフラジャイルと、レインコートを纏った謎の人物、そして人為的に雨を降らせる何らかの力を持つ金の仮面を付けた人物が登場。TGA 2017トレイラーで出た謎の人物と似た雰囲気を持っています。
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両者にどういった繋がりがあるのかは現時点では不明ですが、ダイハードマンの言葉通り“分離主義者”なのかもしれません(TGA 2017トレイラーでも登場し、“対消滅”を起こしたため)。また、“対消滅”のルビに、物理学で示すところの「Annihilation」「Pair annihilation」ではなく「Void out」を用いていることにも何らかの意味があるのかもしれません。
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“対消滅”で大きな爆発が起こることは、反物質が正物質と衝突したことによる莫大なエネルギーの放出への連想もできます(TGA 2017トレイラー冒頭の「昔、爆発があった」という言葉も含め)。過去と現在、都市同盟と分離主義者、あの世とこの世など単語を並べてみると、物語的にも対照的な構造が持ち込まれているようにも見えてきます。
クリフは一体何者か?映像内に現れる「あの世」と「この世」の繋がり
過去のトレイラーでも度々登場する謎の人物「クリフ」。「発売日告知2019トレイラー」では、容器内にいるブリッジベイビーに歌いかける様子や、第一次世界大戦風な戦場で骸骨兵士を紐で操る様子、そして現用装備を着込んでタバコを吸う姿が映されています。
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ここで注目したいのが、クリフの「世界はどこまでも繋がっている」と、それに続く「ここを出たら月にだって行けるんだ」という台詞です。
これより前のフィールド紹介部分では「地獄に繋がれたものたち」と文字が挿入されていました。さらに、フラジャイルから伸びる紐の先に繋がられた赤ちゃんのような粒子状のシルエットや、クリフが漆黒の沼の中から骸骨兵士と共に登場するシーンが何回か繰り返されていることから、繋がりが物理的な距離や存在だけでないことを暗に示しているかのようです。
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しかしながら、クリフについては依然として目的は明確にされておらず、ブリッジベイビーとの関連性も今回で明らかになる要素であるため、まだまだ謎が深いキャラクターです。
過去のトレイラーで説明される“対消滅”や“タイムフォール”
ここからは、これまでに披露されてきた『DEATH STRANDING』トレイラー映像との違いについて探ってみましょう。
過去の映像を遡っていくと、E3 2018トレイラーでは“時雨”に耐性が付くというクリプトビオシス(乾燥や凍結などの極限状態で無代謝状態になること)を説明し、虫のようなものを食べるフラジャイルの姿が終盤に現れました。また、TGA 2017トレイラーでは“時雨”に触れ老けていく人間と“対消滅”のクレーターと虫を吐き出すサムの様子が映されています。
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さらに、PSX 2016トレイラーではBBを抱えるデッドマンと第二次世界大戦風な戦場、そして赤ちゃん人形とクリフが、そして発表時のE3 2016トレイラーではサムと海を描いていました。
各映像の初公開時は、伝えられている情報の少なさから、細かな描写や文字、物体に注目する必要がありました。しかしながら、今回の「発売日告知 2019トレイラー」で登場人物や主人公の目的、ゲームプレイが言葉として伝えられたことにより、過去映像で描かれたモノにある程度の説明が付いたことになります。
発売日が近づくにつれ、これからも設定やゲームシステムが公開されていくと思われますが、これを機に過去のトレイラーを観直しておくと、さらに理解を深められるかもしれません。
今回の「発売日告知2019トレイラー」で、発売日だけでなくキャラクター一覧やゲームプレイ時のUIも明らかにされ、おぼろげながらゲームの全貌が理解できるようにもなりつつあります。
また、小島監督は本作が主観視点でのゲームプレイが可能なアクションゲームと前置きしつつ、「繋がり」の概念を取り入れた「ストランドゲーム」と呼称していました。この呼び名が具体的にどのような要素を指すのかも、今から予想しつつ期待したいところです。
質問が沢山来るので再度ツィート。DSはステルス・ゲームとは違います。主観で進む事も出来ますが、FPSシューターでもありません。全く新しい繋がり(ストランド)の概念を取り入れた、これまでにないジャンルのアクション・ゲーム、ストランド・ゲーム(ソーシャル・ストランド・システム)と呼んでます。 pic.twitter.com/lUIMBfjpsL
— 小島秀夫 (@Kojima_Hideo) June 4, 2019
現時点では情報が少ないため、具体的にどの部分で「繋がる」のかは未知数。ゲーム内、またはFacebookやInstagram、TwitterといったSNSだけでなく、YouTubeやTwitchを筆頭とした動画サイト、そしてプレイヤー間の間接的な交流なのか、それとも主にゲームとの繋がりなのか……などなど、想像が膨らみます。11月8日の発売日はもちろん、新映像や小島監督の動向にも要注目です。
※ UPDATE(2019/6/9 14:02): ※本文の内容を一部修正/追記しました。コメント欄でのご指摘、ありがとうございます。