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1990年代。この数字に、皆さんはどんな印象を抱くでしょうか。
筆者のような30歳を幾年か過ぎた人間からすると、90年代というのは近いような、遠いような年代です。筆者はこの時代に幼稚園児から小学生という日々を過ごしたのですが、鮮明に思い出されることもあれば、忘却の彼方に消えたこともあります。今、20代である方からすると、ほとんど記憶がない時代かもしれませんね。
セガが誇る3Dアクション・シューティングゲーム『電脳戦機バーチャロン』は、この90年代――1995年に誕生しました。95年というと、阪神淡路大震災や地下鉄サリン事件というショッキングな出来事もあれば、Amazon.comのサービスが開始したり、Windows 95が発売されたりと、現代につながるサービスが生まれた年でもあります。今でも子どもたちに大人気の「ドラゴンボール」の連載が終了した年と聞くと、ちょっと不思議な感じがしますね。
アーケードという舞台で本格的な……つまり、1対1の対戦ゲームとして成立しながら、2本の操縦桿を握って本当にロボットを操っているような感覚と、当時は珍しかった3D空間を動き回るゲーム体験が味わえる作品として、『電脳戦機バーチャロン』はこの90年代という時代に大ヒット。その後もアーケードにてシリーズ作品を重ね、21世紀となった今でも、ロボットアクションゲームの金字塔となっています。
前置きが長くなってしまいましたが、この初代作『電脳戦機バーチャロン』を始め,
1998年に稼働開始した『電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム ver.5.66』、2001年に稼働開始した『電脳戦機バーチャロン フォース』を含む3作品を収録したのが、このたび配信された『電脳戦機バーチャロン マスターピース 1995~2001』です。
まずは“ゲームの進化”を味わって
3作品の特徴を簡単に説明しておきましょう。『電脳戦機バーチャロン』は、1vs1のバトルが楽しめるシリーズ作品の原点。『オラトリオ・タングラム』は、動作パターンや機体の種類が増えた発展型。『フォース』は、2対2の最大4人対戦やリーダー制といった新要素が導入されたタイトルです。ちなみに『フォース』はアーケードで稼働当初、磁気カードに自分の機体や戦績、オプションなどが記録できた点も特徴的でした。
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ひとたび『マスターピース』をプレイすれば、当時を知る人は懐かしさを、知らない人は20年以上前のゲームとは思えない新しさを感じられるのではないでしょうか。本作の中心となるロボット=バーチャロイドのデザインは、「機動戦士ガンダム」シリーズでも知られるカトキハジメ氏。現在でも色褪せないバーチャロイドたちが、PS4でよみがえります。
どのタイトルからプレイするかは当然自由なのですが、初代作から順番に触れてみることをおすすめします。というのも、グラフィックを始めとしたゲームの進化が、手にとるようにわかるのです。特に『電脳戦機バーチャロン』から『オラトリオ・タングラム』までのわずか3年でここまで進化するのかと驚かされるくらい、ディティールが洗練されています。
ゲームと、それにまつわる技術の進化を目の当たりにできるのは、こうした過去作を集めたタイトルの醍醐味と言えるでしょう。
DUAL SHOCK 4での操作性
『バーチャロン』といえばあの2本のスティック。ガッチャガッチャと動かしながらトリガーを引いたり、ボタンを押したりして戦う様には、“男のロマン”が詰まっています。
『電脳戦機バーチャロン マスターピース 1995~2001』では、株式会社タニタによるクラウドファンディングで商品化した「VCD-18-c 18式コントロールデバイス『ツインスティック』」でのプレイも可能です。
この「ツインスティック」は、ゲームセンターに置かれた筐体で味わった“ガチャガチャ感”を見事に再現。今、改めてプレイすると、バーチャロイドというロボットを動かしている実感があり、このゲームに非常にマッチしたインターフェイスだと感じられます。当時を知る人が握れば、あの感覚がよみがえってくるはずです。
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では、DUAL SHOCK 4ではプレイしにくいかというと、決してそうではありません。ゲーム内にはスタンダードな操作方法が3種類用意されているほか、DUAL SHOCK 4で「ツインスティック」のような操作をすることも可能。
また、オプションでジャンプキャンセルなどの動作もボタンに配置することができます。各ボタンに動作を細かく割り当てられるので、人によってはDUAL SHOCK 4の方がプレイしやすいかもしれません。「ツインスティック」を所持していない人も、自分が操作しやすいコントローラーにどんどんカスタマイズしていきましょう。
オンライン対戦であの頃と変わらぬ興奮を
『マスターピース』の大きな特徴は、すべての収録タイトルでオンライン対戦が可能となっている点にあります。通常の「ランクマッチ」のほか、ランキングに対応させず自由に戦える「プレイヤーマッチ」、さまざまなルール形式での対戦を楽しめる「スペシャルマッチ」の3種類が選択可能です。
プレイヤーマッチではパスワードを設定できるので、仲間同士でインターネットを介してバトルすることができます。スペシャルマッチでは10勝先取で勝ちとなる「チームバトル」や、「リーグバトル」、「ミニトーナメント」といった形式で遊べます。
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ゲームセンターに通っていると、自然とコミュニティが生まれ、顔見知りと対戦したり、ゲームを通じて友人ができたりした人もいることでしょう。時代が移り変わり、今ではSNSやYouTubeなど、インターネットを通じて繋がり合う時代。そんな時代にみんなで『バーチャロン』を楽しむのにぴったりなのが、このオンライン対戦機能と言えます。
で、対戦するからには、やっぱり勝ちたいですよね。そのために重要なのが「練習」なのです。
正しい練習は嘘をつかない
どんな対戦ゲームでもそうですが、最初から自由自在にキャラクターを操作できるタイトルはそうそうありません。『バーチャロン』も然り、バーチャロイドを意のままに動かすには、ある程度の練度が必要です。『マスターピース』からプレイする人、しばらくご無沙汰だった人は、最初は相手を視界に捉えるだけでも手一杯になるかもしれません。
少しずつ機体を動かせるようになってきたら、バーチャロイドごとの特徴や攻撃方法を把握していくようになります。自機として使う際にも必要な知識ではありますが、相手取ったときの方が重要です。どんな攻撃をしてくるのか、それをどのように避けるのかを覚えていきましょう。
加えて『フォース』では2対2の戦闘になるため、それを踏まえた立ち回りも重要です。CPUと戦うアーケードモードでは僚機となるAIの性能を自在にカスタマイズできるので、自分好みにしたり、敢えて弱くしてみたり、色々と試すことができます。
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こう書くと「対戦格闘ゲームか?」と思われるかもしれませんが、そのイメージは的を射ています。ゆえに、各タイトルに用意されているプラクティス(トレーニング)モードが大事になってくるのです。
こちらのモードでは、敵の動作や自機・敵機のダメージ、ゲームスピードや難易度といった項目が調節可能。つい見過ごしがちなモードではありますが、練習を重ね、勝利するための近道といえます。アーケードモードを繰り返しプレイするのも良いのですが、よりディティールを詰める際にはこちらを利用してみましょう。
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こうして実戦や訓練を重ねていくと、自分が少しずつ上達しているのがわかります。『バーチャロン』はそういうゲームなのです。そして、あの頃はコンティニューするために100円玉が必要でしたが、『マスターピース』ならOPTIONボタンひとつで済みます。なんと良い時代になったのでしょう……!
敵が強かったり、難しく感じられることがあっても、実際のパイロットよろしく、根気よく鍛錬を積み重ねていきましょう。その努力に、バーチャロイドは必ず応えてくれます。そんな「上達する喜び」を、本作で感じてみませんか?
商品名:『電脳戦機バーチャロン マスターピース 1995~2001』
対応機種:PlayStation 4 ※PlayStation Storeからのダウンロード販売
配信日:2019年11月27日(水)
価格:4,500円(税別)
ジャンル: 3Dロボットアクション・シューティング
プレイ人数:1~4人(オンライン対応)
発売・販売:株式会社セガゲームス
CERO表記:A(全年齢対象)
著作権表記:(C)SEGA CHARACTERS (C)SEGA/AUTOMUSS
CHARACTER DESIGN:KATOKI HAJIME
公式サイト: http://virtual-on.sega.