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2020年6月5日、任天堂よりニンテンドースイッチ向けに発売された『世界のアソビ大全51』には、古今東西の定番ゲームが51個も収録されています。今回はその中から“一度は遊んでみたい世界のゲーム”というテーマで、3種類のゲームをピックアップしてご紹介します。
バックギャモン―運と戦略がモノを言う西洋すごろく
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バックギャモンは2人で遊ぶボードゲームです。交互にサイコロを2個ずつ振り、出た目に従って駒を動かし、相手より先にすべての駒をゴールさせた方が勝利します。一見すると運任せのようですが、実はサイコロの目の確率を考えて駒を動かさないと勝てない高度な戦略ゲームです。
バックギャモンは海外で人気が高く、チェス、トランプ、ドミノと並んで“世界四大ゲーム”に数えられることもあります。バックギャモンのように交互にサイコロを振って盤上の駒を進めるゲームの歴史は古く、約5000年前の古代メソポタミアの遺跡からも同様のゲームが出土しています。
バックギャモンの名前の由来には二つの説があります。一つはウェールズ語の“小さい”と“戦い”に由来するという説。もう一つは、サクソン語の“後ろ”と“ゲーム”に由来するという説です。
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現代日本でこそ馴染みの薄いバックギャモンですが、日本に伝来したのは飛鳥時代で、“盤双六”(ばんすごろく)と呼ばれて流行しました。実は、現在正月に遊ばれているすごろくは、盤双六の影響を受けて発展した“絵双六”(えすごろく)なのです。
盤双六はサイコロによる偶然が勝ち負けに影響することから賭けごとにも使われました。日本最古の盤双六の記録は「日本書紀」とされますが、それは双六の禁止令が出されたというものです。盤双六は戦国時代が舞台の大河ドラマ「麒麟がくる」にも登場しています。
ゲーマーに馴染み深いところでは、『ドラゴンクエスト』シリーズの音楽を手がけたすぎやまこういち氏が日本バックギャモン協会の名誉会長を務めています。
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ここからはバックギャモンのルールを簡単にご紹介します。まず覚えておきたいのは、
- 相手の駒が2個以上ある場所には駒を動かせない。
というルールです。また、現代のすごろくと似たルールもあります。
- 相手の駒が1個しかない場所に自分の駒が止まると、相手の駒をふりだしに戻せる。
- 動かせる駒がないときは1回休みになる。
一方、現代のすごろくと大きく異なるのは、
- 自分の駒と相手の駒は互いに反対の方向に動き、途中ですれ違う。
というルールでしょう。ルールはこの他にも存在しますが、それほど難しくはありません。
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ゲームに勝つためには、いかに相手を邪魔しながら早くゴールするかが重要になります。
コツその1。2個以上の駒を置いた場所を作りましょう。自分の駒がふりだしに戻されなくなる上、相手の進路を塞げます。そのような場所をできるだけ並べて作ると効果的です。相手がふりだしから盤に戻る場所を塞ぐと、相手を続けて1回休みにできます。
コツその2。相手の駒をふりだしに戻しましょう。ゴールに近い駒をふりだしに戻すほど、相手に与えるダメージが大きくなります。相手の進む先にあらかじめ自分の駒を置いて待ち構えるのも効果的です。
逃げ切りを目指したり、持久戦を目指したりと、ゲームの途中経過によって戦略を変えるのも大切です。ちなみに、最初に出たサイコロの目に対して駒をどのように動かすかは定石が存在します。
バックギャモンは運と戦略の両方がモノを言うゲームです。運に恵まれれば初心者でも勝てますが、奥は深く、上達する楽しみもあります。ぜひ一度遊んでみてください。
テキサスポーカー―勝負するか降りるかの駆け引き
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テキサスポーカーは通常2人~10人で遊ぶトランプゲームです(本作の最大プレイヤー数は4人です)。その名の通りポーカーの一種で、各プレイヤーに配られるカード2枚と、全プレイヤー共通のカード5枚を組み合わせて役を作り、その強さで勝負します。
海外ではポーカーの中で最も人気のあるゲームの一つに数えられ、カジノでも遊ばれています。今回の記事でご紹介するゲームの中では比較的新しいゲームで、その歴史は100年ほど。テキサスポーカーがいつ誕生したのかはよくわかっていませんが、アメリカ合衆国テキサス州立法府は、1900年代初頭のテキサス州ロブスタウンが発祥地であると公式に認めているそうです。
テキサスポーカーは“テキサスホールデム”の名前でも知られています。一方、日本で一般的な、隠した手札5枚で役を作るポーカーは、海外では“ファイブカードドロー”と呼ばれます。
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ポーカーは5枚のカードで役を作り、他のプレイヤーと勝負するゲームです。テキサスポーカーで使用される役は日本で馴染みのあるポーカーと同じなので、役についての説明は省きます。
テキサスポーカーではプレイヤー全員の賭け金が蓄積され、勝負に勝ったプレイヤーは全員の賭け金を総取りできます。勝負に勝つためには最も強い手を作るか、他のプレイヤー全員を勝負から降ろさなければなりません。
まず、各プレイヤーに2枚ずつカードが配られます。1回のゲームを通じてプレイヤーに配られるカードはこの2枚のみで、交換はできません。次に、賭けが行われます。各プレイヤーは順番に賭け金を増やすか、同額を賭けるか、勝負を降りるかを選んでいきます。
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続いて、次のような順番でテーブルにカードが公開され、そのたびに賭けが行われます。賭けるチャンスは全部で4回です。
- 各プレイヤーに2枚ずつカードが配られる。
- 1回目の賭け。
- テーブルに3枚のカードが公開される。
- 2回目の賭け。
- テーブルに4枚目のカードが公開される。
- 3回目の賭け。
- テーブルに5枚目のカードが公開される。
- 4回目の賭け。
4回目の賭けが行われた時点で勝負を降りていないプレイヤーが2人以上いる場合は、手元のカードを公開して勝者を決めます。各プレイヤーの手元のカード2枚とテーブルのカード5枚を組み合わせ、最も強い手を作ったプレイヤーが勝者です。
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テキサスポーカーにはカードの交換がないので、プレイヤーの技術で手の強さを変えることはできません。プレイヤーが変えられるのは賭け金の額だけです。つまり、強い手を作ることではなく、純粋に相手との駆け引きで勝利をつかむゲームなのです。
他のポーカーにも言えることですが、自分のカードが悪くても相手の手を読み、ブラフ(自分を強く見せかける嘘)を使うことで、他のプレーヤーを勝負から降ろして勝つことができます。逆に、勝負しても勝てないときは、賭け金が少ないうちに勝負を降りることが大切です。
テキサスポーカーは駆け引きが醍醐味のゲームです。CPUとの対戦でコツをつかんだら、ぜひ人間とも対戦してみてはいかがでしょうか。
マンカラ―先の読み合いが熱い種まきゲーム
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マンカラはアフリカ、中近東、東南アジアで古くから遊ばれている2人用ボードゲームの総称です。小さな石と穴の列があれば簡単に遊べるのが特徴で、穴から石を取り、種まきのように順番に隣の穴に入れていくことでゲームが進行します。
マンカラは現在広く遊ばれているゲームの中では最も古いものの一つとされ、古代エジプトで遊ばれていたとも言われます。マンカラという名前の由来は、アラビア語で“動く”を意味する言葉です。
マンカラはあくまで共通の特徴を持つゲームの総称で、実際にはルールの異なる非常に多くのバリエーションが存在します。特定のルールがマンカラとして紹介されることもあり、本作のルールは“カラハ”として知られるものに該当するようです。
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マンカラではすべての情報がプレイヤーに公開され、運の要素はまったくありません。これがこれまで紹介してきた2つのゲームとの一番大きな違いです。
プレイヤーは交代で手番を行い、手番が回ってくるごとに自分の穴から一つを選んで“種まき”をします。種まきは、穴にある石をすべて取り、一つずつ順番に隣の穴に入れていくことで行います。石には敵味方の区別がありません。動かせるのは自分の穴にある石だけですが、相手の穴に入った石は次の手番に相手が動かせます。
ここまでのルールはマンカラに共通ですが、本作で採用されているカラハにはさらに次のようなルールがあります。
- 盤の左右には各プレイヤーのゴールになる大きな穴がある。
- 種まきが自分のゴールで終わったら、続けてもう一度種まきができる。
- 種まきが自分の空の穴で終わったら、対面にある相手の穴の石を横取りできる。
一方のプレイヤーの穴がすべて空になったらゲーム終了で、終了時に残った石は相手プレイヤーのものになります。ゴールにまかれた石と横取りで手に入れた石を足して、合計の多いプレイヤーが勝者です。
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マンカラには運の要素がまったくないため、勝ち負けは純粋に先の読み合いだけで決まります。本作のルールは最後まで逆転の可能性があり、なかなか気が抜けません。どのタイミングで空の穴を作り、どのタイミングで相手の穴に石を送り込むか。熱い駆け引きが楽しめます。
最近は子供向けの知育玩具としても遊ばれているマンカラ。ぜひ一度ファミリーでプレイしてみてはいかがでしょうか。