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歌衣メイカさんは、2018年2月25日に活動を開始しました。現在では生配信と自主制作動画の2タイプを操り、多くの視聴者を魅了する「二刀流プレイヤー」として活動し続けています。
活動初期にはFaceRigを使って2D配信となっていましたが、独学で3DCGモデルを作成して動画内で使用するなど、動画制作・3DCG作成に長けたクリエイター気質なメイカさん。ここまでの活動中にも歌衣イツミさん、歌衣アズミさんと2人の子供を産み出し、歌衣家としても知られています。
実はメイカさんは以前にイラストレーターとして活動しており、そのクリエイターらしさは動画一つ一つに表れています。マンガやアニメをオマージュしたイラストや、赤・白・金を使った主張の強い文字列など、アクの強いサムネイルは目を惹きます。またアイディアを凝らした企画動画だけでなく、生配信をした内容を短くカットして動画化した動画もあり、まさに「切り抜き師泣かせ」なオリジナリティある動画を多数投稿しています。
何よりも強い個性といえるのは、メイカさん本人のトーク力でしょう。コッテコテの関西弁を操りながら間を読んで小気味よく会話していくメイカさんは、笑いと気遣いを忘れないトーク術で場を和ませつづけ、メイカさんもゲラゲラと豪快に笑っていくので、生配信中にドツボにハマるとずっと笑い続けながら配信が続いていくことになります。語彙のストック・選び方も絶妙なボケ・ツッコミは生配信・動画に関わらずキレキレで、常にリスナーやコラボ相手を笑わせていきます。
そんなメイカさんを大きく躍進させたといえるのが、『雀魂』と『Apex Legends』のプレイ配信・企画動画でしょう。
メイカさんはゲーム『雀魂』をつかい、最低でも跳満以上で自分が上がる&相手を上がらせることを目指す「漢気麻雀」企画や、専門用語をなるべく使わない初心者でもわかる麻雀講座動画など、多くの麻雀動画・配信を届けてきました。
2020年11月23日には雀魂による公式大会「雀魂バーチャルインターハイ」に以前紹介した天開司とコーサカ(MonsterZ MATE)らとともに出場。しかもチーム名は「漢気塾高校麻雀部」と自身の企画が銘打たれたものです。日本最強の呼び声高いプロ雀士の多井隆晴や、漢気麻雀企画で同卓したことのあるバーチャルタレント界随一の実力派雀士の千羽黒乃らの特訓をうけ、見事優勝を果たしました。
メイカさんは先鋒として初陣を飾りました。相手になったのはにじさんじ所属の郡道美怜さんとグウェル・オス・ガールさん、漫画家/VTuberの伊東ライフさんの3人。公式大会という緊張高まる状況下では日頃のバラエティ向きな会話は無いだろう、誰もがそう思っていたなかで、爆笑空間が生まれることになりました。激戦を潜り抜けた4人は、その後は折を見てコラボ配信や歌動画を発表するほどに仲良くなっていくことになりました。
『Apex Legends』のカジュアル大会にも積極的に出場。マスターランクの実力を持つジブラルタル使いとして「VTuber最協決定戦」の Season1とSeason3に出場し、特にVTuber黎明期から活動しているバーチャルゴリラさん、乾伸一郎さんとのトリオ「漢度3000倍」として出場したSeason1では2位という好成績を残しました。
カジュアル大会の出場だけではなく、普段の配信でも多彩な面々とコラボ配信をこなしており、96猫さん、赤髪のともさん、ドンピシャさん、NIRUさん、トナカイトさん、ぶいすぽっ!の胡桃のあさんや一ノ瀬うるはさんなど、配信者・ストリーマーからネットカルチャー内の大御所にいたるまで、交友関係の広さとコミュニケーション力の高さが窺い知れます。
そんなメイカさんの交友関係・コミュニケーション力が発揮されるのは、年末に主催開催する「V紅白」でした。歌をメインに活動するバーチャルシンガーやアイドル、個人勢として粘り強く活動されている面々、そしてにじさんじ・ホロライブという二大事務所からの出演もあったこれまでのV紅白。以前には当時個人勢として活動していた星街すいせいさんをフックアップ、出場した際には大きな反響を呼ぶなど、注目を集め続けている企画です。
2018年に第1回が開催され、順当にいけば今年4回目の開催を迎えるタイミングなのですが、昨年12月28日に第3回を開催した直後に、「今後数年はV紅白をやらない」と発表しております。
これまで1人で多くの準備・確認を行なっていたことを打ち明けつつ、自身の配信ペースを大きく崩さざるを得なかったこと、「来年は今年を超えないのではないか」という不安、企業に任せるにしても制作費が自分だけでは到底支払うことができないなど、多くの問題が複雑に絡んだなかでの判断だったことを動画内でハッキリと話されています。
2020年末にしたこの決断が、2021年でのメイカさんの大きな躍進へと変化したことを考えれば、未来につながるより良い結果となったとみていいのではないでしょうか。
そんな歌衣メイカさんは歌ってみた動画などのカバーソングを制作するだけでなく、ストレートに感謝を歌ったオリジナルソング「アリガトウ」を制作しています。
いま男性の姿で配信されているよな…?と思われるファンもいるかと思います。配信初期からある時期までは女性の姿の歌衣メイカさんが活動していました。
ひょんなきっかけから「男性メイカ」が誕生、2020年1月2日から女性版歌衣メイカさんがプロデューサーとなり、男性版歌衣メイカさんがメインチャンネルを運用していくことになります。男性のメイカさんが配信していた動画などを再アップロード、一つのチャンネルに統合し、心機一転して配信に臨むことになります。
かなり大胆な判断かと思われますが、2020年以降のコロナ禍を通じてのインドア志向によるネット視聴者の増大によりバーチャルタレントシーンが激変していくなか、見事にメイカさんのキャラクターや配信がハマり、現在に至るまでの強い支持を得ることになりました。
活動初期には一緒に配信してくれる友人がいないあまり、自身の家族を出演させたり、友人に身バレ寸前になったタイミングでその友人をVTuberとしてデビューさせるなど、コロンブスの卵のような逆転の一手を動画・配信として届けることもありました。特に母・弟に関してはメイカさん本人がボディを制作、仲睦まじい家族の風景を見ることができます。
何度となく訪れてきたピンチをバッチリと打ち返していくエンタメ精神、それをアウトプットできるマルチな才能、「いまなにをすれば面白く見てもらえるか?」という嗅覚など、歌衣メイカさんの活動の節々には「エンタメを届けよう」とする漢気がプンプンと漂い続けています。
来年以降、メイカさんがどのような活動・配信・動画を届けていくのか、注目すべきでしょう。
※UPDATE 2021年12月11日14時5分:歌衣アズミさんのお名前を誤って記載していたのを修正いたしました。お詫び申し上げます。