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『パワプロクンポケットR』の発売により、大いに盛り上がっている『パワポケ』界隈。歴代作品はいずれも名作揃いですが、今回はその中でも後世に語り継ぐべき“裏サクセス”を3つ振り返ってみましょう。
『鬼滅の刃』のような大正ロマンを感じて…「大正冒険奇譚編」
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明治と昭和に挟まれた大正時代は、世の中が大きく様変わりした激動の時代。「大正ロマン」という言葉もある通り、独特の文化が発展したことでも知られています。大ヒットマンガ『鬼滅の刃』のように、大正を舞台としたフィクションも数えきれません。
2004年に発売された『パワプロクンポケット7』には、同じく大正の雰囲気を感じられる裏サクセス「大正冒険奇譚編」が収録されていました。そこでプレイヤーは探偵となり、事件を解決することでお金を稼ぎ、「野球人形」のパーツを購入していくことになります。
作中には吸血鬼や狼男など、さまざまな妖怪が登場。さらに驚くべきことに、「鬼狩り」「鬼」といった「鬼滅の刃」のような設定も出ていました。また軍人やスパイ、サムライの生き残りが入り乱れ、陰謀と策略を巡らせるストーリーとなっているため、『ゴールデンカムイ』を連想する人もいるかもしれません。
『ファイアーエムブレム』並みのハードな世界観!「怪奇ハタ人間編」
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『パワプロクンポケット11』に収録されている「怪奇ハタ人間編」は、忍者や勇者が当たり前の裏サクセスでは珍しく、現代日本が舞台。しかし、その内容はやはり野球ゲームとは思えないほどぶっ飛んでいました。
ストーリーとしては、人工島に暮らす普通の中学生が、突如侵略してきた宇宙人と戦う…というもの。敵となるのは宇宙人・ギャスビゴー星人と、彼らに“ハタ”を刺され洗脳されてしまった人々です。
人工島という閉鎖空間に閉じ込められ、街をうろつくハタ人間から隠れつつ、生活物資を集める様子は、ゾンビ映画さながらの緊張感。さらにプレイヤーの緊張を高めるのが、同作における「仲間」のシステムでした。
主人公のクラスメイトたちは共に宇宙人と戦ってくれるのですが、まずは自分で見つけ出さなければ仲間になってくれません。そして救出が遅れると、ハタ人間の仲間入り。さらに食料が不足したり、戦闘不能になったりすると、離脱・ハタ人間化してしまいます。
こうしたキャラロストシステムは、ハードな世界観がウリの『ファイアーエムブレム』シリーズに近しい印象。裏サクセスだからといっておまけ感覚で挑み、大やけどしたプレイヤーも多かったとか…。