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◆死と隣り合わせの迷宮でほっとひと息…(つけてない)
2007年に1月18日にアトラスからニンテンドーDSで発売された『世界樹の迷宮』は、古式ゆかしい3DダンジョンRPG。歯ごたえのある難度にゲームブック調のテキスト、そしてタッチパネルで自らマッピングする楽しさなどが高いレベルで融合した人気シリーズです。
今回紹介する毒吹きアゲハはボスモンスターでこそありませんが、そこらのRPGのボス敵が真っ青になるくらい、冒険者たちの死体の山を築いた難敵でした。
事件は迷宮探索の第一歩であるB1Fで起きました。同フロアの南西には、色とりどりの花が咲き、甘い蜜の香りすらただよう平穏(そうな)エリアが存在します。しかし、そこで休息する選択肢を選んだらそれが運のツキ。甘い匂いにつられてやってきた「毒吹きアゲハ」3体と戦闘になってしまいます。
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◆「シンリンチョウ」は弱いというワナ
B1Fには「シンリンチョウ(森林蝶)」という蝶型のモンスターも生息していますが、この敵は強くありません。レベル1のパーティーでも問題なく勝てます。
だからこそ毒吹きアゲハと戦闘になった際も「まぁ勝てるだろう」と考えてしまい、1ターン目は様子見もかねて通常攻撃をしてみるわけです。これがワナでした。本来B2Fに生息する毒吹きアゲハは、ほかのB1Fの敵よりもずっと高いHPを持っているのです。
さらに毒を受けてしまったら、あとはもう全滅まで一直線。本作の前衛職はレベル3まで上げてもHP35~40程度ですが、毒吹きアゲハの毒は毎ターンの終わり際に25のダメージを与えてきます。そしてこの時点では、戦闘中に毒を解除する手段がまだありません。
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1ターン目から全力で戦うべきだった…と気付いても後の祭り。死と隣り合わせの冒険は、B1Fであっけなく幕を閉じるのでした。
パーティーにアルケミスト(いわゆる魔法使い職)がいるなら、大ダメージを与える術式を連発して勝利できるかもしれませんが、初プレイ時の筆者はアルケミストをあえて起用しない天邪鬼なパーティー構成で遊んでいたため、ここで初めての全滅をキメました。
ちなみに続編となる『世界樹の迷宮II 諸王の聖杯』でも同様のミニイベントがありましたが、こちらの作品では反対に、すぐ立ち去ろうとすると毒吹きアゲハに襲われました。毒はもうコリゴリだよ!
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◆「胎動」はいつ終わる!? 毒吹きアゲハ、カモン!
数多の冒険者を阿鼻叫喚させながらも楽しませた『世界樹』シリーズは、2018年8月2日に「ニンテンドー3DSでの」最終作となる『世界樹の迷宮X(クロス)』をリリース。その数日前となる7月28日には新作(新シリーズ?)の「胎動」を告げる映像が公開されましたが、2023年1月現在、続報はないままです。
冒険者たちを毒で"分からせて"くれる毒吹きアゲハとはいつ再会できるでしょうか?筆者はまだまだ諦めずに待ち続けたいと思います。