■お祝い気分のハーフアニバーサリーでも、『勝利の女神:NIKKE』は容赦しない
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『勝利の女神:NIKKE』はメインストーリーでも要所要所で唸らされますが、クリスマスという祭りでも容赦しないことが分かったので、ユーザーの側も「油断ならねぇ……!」と心構えができます。
ですが、クリスマスは元々リアル世界のイベント。『勝利の女神:NIKKE』独自の催しではありません。また、おめでたい雰囲気こそありますが、別離を紡ぐ切ないクリスマスソングも数多くありますし、「クリスマス=幸せ」と決めつけるのも少々乱暴でしょう。「MIRACLE SNOW」の切り口も、本作の世界観を踏まえれば至極納得です。
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他の期間限定イベントでもシリアスなものはありましたが、一方で肩の力を抜いて楽しめるものもあり、常にシビアな話ばかりとは限りません。ニケたちの何気ない日常を垣間見るイベントも増えてきた頃、『勝利の女神:NIKKE』がハーフアニバアーサリーを迎えました。
季節に合わせたイベントと違い、ハーフアニバアーサリーは『勝利の女神:NIKKE』の歩みを祝うもの。リアル世界の展開に合わせるものではなく、作品自体を祝福する記念日にほかなりません。この嘉すべきひとときを、『勝利の女神:NIKKE』は「OVER ZONE」というシナリオで彩りました。
■「OVER ZONE」が織り成したのは、絶望と希望の螺旋
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現在展開中の「OVER ZONE」は、現在ではなく過去に焦点を当てた物語。今の人類は、地下に建設した基地「アーク」からニケを送り出し、地上の奪還を狙っています。しかし「OVER ZONE」は、反撃する以前の絶滅する危機にあった人類が、その「アーク」に逃げ込み、封鎖するまでの出来事を綴る過去の物語を描くものでした。
完全封鎖するまで、ラプチャーの侵攻を食い止めるべく地上に残ったニケは、人類の希望の象徴である「ゴッデス部隊」と、30人を超える量産型のニケたち。しかし、敵の攻撃は苛烈で、ゴッデス部隊であっても疲弊の色が隠せません。
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厳しい戦いの中で食糧倉庫が襲われ、明日の食事にも事欠く有様。しかも、量産型ニケは「ピナ」と呼ばれる少女を残して全滅。4人のゴッデス部隊と合わせ、たった5人のニケだけで、支援も補給もないまま人類を守護する殿を務め続けます。
過酷な状況による歪みは、ゴッデス部隊の関係性を狂わせ始めました。この状況でも支援どころか通信すら寄こさないアークに苛立ちを見せ始める者もおり、リーダーとして皆を率いる「ドロシー」は彼女と口論になることも。その様子を見て、諍う生者よりも無言の死者に心を傾ける者もおり、噛み合わない歯車は空回りを強めていきます。
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ニケたちの憧れであり、人類の希望であるゴッデス部隊が、生者から目を背け、酒に溺れる日々を送るばかり。その間違いを正せないドロシーは、己の無力さを噛みしめます。そんなドロシーを救ったのは、特別でもなんでもない、戦力としては最も低い、量産型のピナでした。
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厳しい指摘と優しい言葉で、ドロシーの背中を押すピナ。彼女が寄せる憧れを支えとして、ドロシーはゴッデス部隊を立て直します。自分たちが生き残ることが、「楽園」であるアークの守護に繋がると信じて。
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悪化し続けた環境から脱したドロシーたちは、ニケとしての役目と責任を果たしながら、人間らしさも手放さず、絶望の中に希望を見出しました。無数のラプチャーを相手にひとりで殲滅できるほど、迷いを振り切ったドロシーの強さは際立っており、圧倒的な勝利を掴みます。
――その背中を守ったピナが、ラプチャーに侵食されるという代償と共に。
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