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JRPG好き編集部&ライターによる『Edge Of Eternity』座談会!本作で感じる“JRPGらしさ”について徹底議論!

発売に先駆け、JRPGを愛するライターと編集者4名による先行プレイと座談会を実施。各メンバーのJRPG観を語りつつ、「『Edge Of Eternity』ってどんなゲームなのか?」に花を咲かせました。

ゲーム PS5
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JRPG好き編集部&ライターによる『Edge Of Eternity』座談会!本作で感じる“JRPGらしさ”について徹底議論!
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8月31日にオーイズミ・アミュージオよりPS5/PS4で発売するゲーム『Edge Of Eternity』。本作はフランスのゲームスタジオ「Midgar Studio」が作ったRPGゲームとなっています。

その最大の特徴といえるのが、日本産のいわゆる“JRPG”を意識したゲーム性です。日本のRPGをこよなく愛する開発者が手掛けただけあり、JRPGに慣れ親しんだ日本人であれば、随所にそのエッセンスを感じられるでしょう。

インサイドでは、その発売に先駆けて、JRPGを愛するライターと編集者4名による先行プレイと座談会を実施。各メンバーのJRPG観を語りつつ、「『Edge Of Eternity』ってどんなゲームなのか?」に花を咲かせました。ぜひ『Edge Of Eternity』のJRPG“らしさ”を感じ取ってください。

『Edge Of Eternity』公式サイト

座談会メンバー

蟹江 西武(以下は蟹江)――インサイド編集部所属。JRPGはファミコンの時代からプレイしていたが、Xbox360などの時代からは洋RPGにもがっつり触れるようになった。特に、JRPGの全盛期とも言えるスーパーファミコン(SFC)時代のRPGが専門。

臥待 弦(以下は臥待)――ライター。JRPGはもちろん、海外産のRPGや、ゲームブックやTRPGなどが専門。それもあってか、さまざまなRPGのシステムに精通している。ゲームライターとしての目標は「隠れた名作を、隠れていない名作に」。

高村 響(以下は高村)――ストーリーなどの文学研究を専門とするライター。SFCのRPGからマイナーゲーム、洋ゲーまで幅広くプレイしており、キャラクターやストーリーといった要素に明るい。また「JRPG」というゲームジャンルがなぜ産まれたのか?についても興味津々。

鈴木 伊玖馬(以下は鈴木)――海外のRPGと比較したJRPGについて語ることができる、本記事を書いているライター。PS3で『CoD:MW』でFPSに触れて以来、もっぱら洋ゲーを中心にプレイして来た。JRPGが好きになったのはここ最近。お盆はWii Uの『バーチャルコンソール』終了直前に買いあさったゲームを遊びたいと思っている。

「JRPGらしさ」ってなんだろう?世界観を強調する洋ゲーと、キャラクターを重視するJRPG

蟹江まずは私から。『Edge Of Eternity』をプレイしてみて感じたのは、海外の開発会社が手がけたゲームなのに王道のJRPGっぽいなということでした。グラフィックやシステムだけでなく、操作した手触りみたいなところですね。みなさんはJRPGっぽいと感じた部分はありますか?

鈴木:個人的にはガッツリ存在感のあるキャラクターがいるのはJRPGっぽいと思いました。例えば、海外で有名な膝に矢を受けてしまうような洋RPGでは、キャラクターの掘り下げなどないまま、すぐ処刑場に連れて来られてドラゴンが降りてくるようなシチュエーションになりますよね。こういう風に、洋ゲーではまず世界観を強調する作品が多いと思います。

蟹江なるほど。

鈴木:一方でJRPGはキャラクターを強調していると思います。『Edge Of Eternity』でもキャラクターの設定や背景などはよく練り込まれていますし、ビジュアルなんかも美しく作り込まれています。

蟹江:そういう意味では、海外のRPGだと虫とかかなりグロテスクで気持ち悪いものがよく出てきます。しかし、日本のRPGはポストアポカリプス系でも“儚い美しさ”みたいなのがある気がしますね。

高村:美味しいところだけ取ってるみたいなところがあるのかもしれません。

臥待:最近のJRPGはグラフィックの進化に合わせて、リアリティーのあるファンタジーを目指していっている気がしますが、古いJRPGだと不思議な植物や動物などの存在する“ファンタジックな世界観”が多くありました。本作はそのような系譜を受け継ぐ、“幻想的な”RPGという気がしますね。

高村:個人的に海外のRPGは気持ちよいものだけでなく、不気味で嫌悪感のある要素も恐れず追加して行きます。対してJRPGは、気持ち悪いもの、嫌なものを減らし、好感の持てるものを追加していくような作り方をしているのでは?と思います。

蟹江:そうですね。カワイイ存在とかだと、このライドできる猫みたいなネカルーは日本人受けしそうですよね。

鈴木:スゴくわかります。この子、カワイイですよね。

臥待:それと海外のRPGはストーリーを中心に引っ張っているのに対し、JRPGではキャラクターそれぞれのドラマで引っ張っている印象があります。本作の『Edge Of Eternity』では、母親の病気にかかったことを中心に話を展開していきますが、その辺りはJRPGの感覚を感じますね。

JRPGらしい戦闘システムって?

臥待:システムについてはみなさんどう思いましたか?個人的には”ターン制バトル”という戦闘システムを維持している点がJRPGっぽいと思いましたね。海外だと、かなり早いタイミングでアクション要素などが入り始めており、ターン制RPGはかなり古いゲームにしか残っていない気がします。

鈴木:個人的には「ネクサス」を使った戦闘が印象的でした。それと、フィールドにいるとき、シンボルエンカウントの敵を攻撃するとバトル序盤が有利になる、というのは日本的な要素だと思います。

高村:考えてみると、シンボルエンカウントの敵が出てくる海外のRPGってぱっと思い付かないですね。

臥待:海外のRPGでシンボルエンカウントの敵が出てくるのは、大体アクション要素が強いタイトルの印象が強いですね。

鈴木:そうですね。自分もそう思います。

臥待:正直、10数年前の「JRPG」という言葉はアクション要素なんかを増やした海外のRPGに比べて、旧態依然とした様子を揶揄した、否定的な意味合いがかなり入っていたと思うんです。

鈴木:確かに、昔はあまり良い意味で使われていませんでしたね。

臥待:ですが、その後JRPGもターン制システムを進化させる方向に進んで行きました。先ほどの先制攻撃で有利になる要素や、敵の弱点を突いてスタンさせるシステムなどはその一例だと思います。今回の『Edge Of Eternity』で盛り込まれている戦闘システムは、そのような「ターン制RPGを面白くする」という挑戦に通じるものだと思います。

高村:本作では戦闘で魔法を使った際、洞窟内でも火が地面から吹き上がるみたいな描写がありました。この辺りの、リアリティーにこだわらず演出は演出として割り切った格好良さを出す所は、JRPGっぽいですね。

臥待:他にも戦闘ごとに、「相手を状態異常にしろ!」みたいなミニミッションが出てくるじゃないですか?そういったささやかな楽しみを体験させるのはJRPGっぽいと感じました。プレイヤーとしてはこういうささやかな楽しみがあると、嬉しいんですよね。

JRPGの個性的なキャラクターはどこから?

高村:RPGでストーリーを語る上で重要なのがキャラクターですが、みなさんはどのキャラに興味を持ちましたか?個人的に好きなキャラクターは主人公の母親ですね。「私を気にして家に帰ってきたら、崖から突き落としてやるからね!」みたいな所はかなり印象に残りました。こういう風に、際立った個性をキャラクターに盛り込んでいるところはJRPGらしさを感じます。というのもこの個性を打ち出した部分って、日本のサブカルチャーが育んできた「特徴のあるキャラクター」に通ずるものだと思うんですね。悪く言うと「テンプレ」なのですが、「特徴を出す」という意味ではわかりやすいです。

高村:この違いが出たのは、洋ゲーとJRPGではキャラクターを作る際のアプローチの差だと思うんですよね。洋ゲーでは”人間”という存在を重視しているためか、良い面だけでなく悪い部分も盛り込んで作っています。それに対し、JRPGではよりキャラクターの個性を強めて際立たせる、という方向で作品が作られているように思います。

蟹江:そういった作り方の違いって、どのような点から来ているんでしょうかね?

臥待:海外ではTRPGという下地があるだけに、“キャラクターを演じさせる”という意識が強いのかもしれません。一方で、日本ではRPGという文化にゲームから触れた人が多いと思います。それだけに、個性で色づけする部分が大きかったのではないでしょうか?

鈴木:TRPGの普及具合というのはありそうですね……。

臥待:私が気に入っているのは、主人公の妹の「セレネ」ですね。このキャラクターは司祭という立場の人間なんですけど、病気の母親に会いに行くため、わざわざ自分を厄介払いさせるよう立ち回るなど、聖職者と思えないような性格をしています。

臥待:なんですけど、あるクエストで伝説的なモンスターから角を奪う際、倒した後もモンスターを気遣って角を奪わないように立ち振る舞います。こういう作品を進めるごとに、新たな個性を見せていくのはJRPGらしい表現のように感じます。

高村:洋ゲーというのは、かなり純文学チックな点があると思います。そのため「人間なのだから良い部分も悪い部分もある」という意識でキャラクターを描いていると思うんですね。でも、そのおかげで、逆に創作された“キャラクター”という部分は弱くなってしまうのかな、と。

高村:ちなみに『Edge Of Eternity』に出てくるキャラクターの個性の強さを感じられるのが、公式サイトの人物一覧です。こちらを見ていると、何となく一人一人がどんな性格かピンときませんか?

鈴木:あ、確かに!

高村:こういう風に外観だけでも性格が理解できそうなほど、それぞれのキャラクターがわかりやすくなっています。

蟹江:言われてみると、洋ゲーでは人間らしさを追求しているためか、キャラクター一人一人を一言で表すのが難しそうです……!

JRPGのストーリーは、プレイヤーを"葛藤”でなく"応援"させる

高村:ストーリーについてもちょっと話させてください。本作でも、まず母親を救うために旅が始まりますが、それが段々と「世界を救う」と言う部分にシフトしていくようです。実際JRPGでは「何も救えない」という終わり方は少なく、何かしらの希望を残していると感じませんか?

蟹江:言われてみると、JRPGはハッピーエンドが多い気がしますね。

臥待:確かに「友を救うか?世界を救うか?」みたいな選ばせ方はJRPGではあまり多くない気がしますね。また仮に悲劇が起こっても、それを挽回する方法などはストーリー中で示される気がします。

鈴木:そうですね。仮にJRPGでプレイヤーに葛藤を迫る場合、その時には同じくらいキャラクターも苦しんでいる気がします。プレイヤーが一人で悩んでいる印象はないですね。

高村:この辺りのプレイヤーに葛藤を迫るというのは、TRPGの要素も大きい気もしますね。

蟹江:そういう側面はあるかも知れません。逆にJRPGは葛藤するキャラクター同士のやりとりも含め「ドラマ」として表現していると思います。

高村:それもあってかJRPGでは、“応援”したくなるキャラクターが多いと思います。そして、まさしく『Edge Of Eternity』もそのような作品だと思うんですね。キャラクターの動機も受け入れやすいですし、それぞれの背景もしっかり描かれています。それがゲームを遊ぶモチベーションになるのかもしれません。

JRPGから引き継がれた『Edge Of Eternity』の魅力とは?

蟹江:ではそろそろまとめたいと思います。まず、個人的に『Edge Of Eternity』はSFC時代からのJRPGと同じように、日本が大事にしてきたRPGの面白さを追求した作品だと思いました。特にSFC時代からプレイしていた人などは、特に懐かしさ、JRPGらしさを感じられるのではないでしょうか?

鈴木:私は海外のRPGでは、兵士や商人といった役割を演じる“ロール”の部分を重要視していると思います。それに対してJRPGは、キャラクター一人一人に味つけを持たせており、『Edge Of Eternity』は明らかに後者の流れを組んでいたなと感じます。

高村:文学というのは「日本」「英国」などと、よく国ごとにまとめられます。同じように、JRPGというのも「日本で作られたRPG」と定義されています。一方で日本人が作るだけでJRPGに分類されてしまう側面もあり、その理解を難しくしたと思います。

高村:しかし、近年ではインディーゲームも多く登場し「海外のJRPGファンが作ったRPG」というのが産まれました。そういった作品は国外から作品を分析しているだけに、より客観的にJRPGの本質を突いている気がします。今回の『Edge Of Eternity』はその典型と言えるのではないでしょうか?

臥待:もともとTRPGから進化したRPGは、海外だと3D要素やアクション要素などが加えられ発展して行きました。一方でJRPGはターン制システムを突き詰める方向に進化しました。『Edge Of Eternity』は、そういったJRPGで出てきた戦闘位置のシステムや、クリアミッションの要素を多く感じられるタイトルだと思います。


戦闘システムにストーリー、それにキャラクターなど、随所にJRPGらしさを強く感じられた『Edge Of Eternity』。この空気感はSFCなどのRPGを楽しんだ人にも、なじみのあるものでしょう。

本作をプレイすることで、そもそものJRPGの「面白さ」と言う部分を見つめ直せる気がします。根っからのJRPG好きはもちろん、久しくJRPGに触れていない人にもおすすめです!

『Edge Of Eternity』は、PS5 / PS4を対象にオーイズミ・アミュージオより8月31日発売予定。価格はパッケージ版が5,720円(税込)、ダウンロード版が4,290円(税込)です。

  • 『Edge Of Eternity』

  • 発売日:2023年8月31日

  • ジャンル:RPG

  • 対象年齢:CERO B(12歳以上対象)

  • 販売価格:パッケージ版 5,720円(税込)/ ダウンロード版 4,290円(税込)

  • プレイ人数:1人

『Edge Of Eternity』公式サイト
《鈴木伊玖馬》

ゲームと乗り物の記事を書いてる 鈴木伊玖馬

名古屋県生まれ。幼少期に『スターフォックス64』でゲームにハマり、学生時代に『CoD:MW』でFPSにハマり、そのままゲームから卒業できず今に至る。ここ数年でRPGにも手を出し、最近『ドラクエ6』をクリアした。中日ファン、犬派、後ゲームはオフラインでやるタイプ。デカい航空機にはロマンを感じる。

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